ゆるく楽しむ日曜地質学:2021年9月12日号
今日から毎週日曜日は「ゆるく楽しむ地質学」と題しまして、地質の豆知識や過去記事紹介、今週の予定記事の紹介をお送りします。
海辺の砂浜はナゼ白い?【地質豆知識:002】
前回は鉱物の1種である「石英」についてお話ししました。
この石英に関係するものとして、「砂浜が白い理由」についてお話ししてみようと思います♬
もちろん、全部が全部白っぽいワケではないですが、一般的なイメージでは、砂浜は白いですよね。
でもいわゆる「砂」や「泥」などを思い浮かべてみると、必ずしも白ではないハズです。
砂のもとは?
では砂の「材料」について考えてみましょう。
砂は何がしかの「岩石」が砕けて細かくなったものです。
そして岩石はもとをたどれば火成岩です。
堆積岩は砂や泥などが固まったものですし、変成岩は何らかの岩石が熱や圧力の作用で性質が変わってできたもの。
と考えると、マグマが冷えて出来る火成岩が全ての岩石のオリジナルだと言って良いでしょう。
火成岩は何でできている?
その火成岩は「鉱物」の集合体です。
そして鉱物は、大きく分けて白色鉱物と有色鉱物に分けられます。
石英は白色鉱物の一種。そして有色鉱物は基本的に黒っぽい鉱物です。
そして火成岩の分類は、白色鉱物と有色鉱物の割合で決めています。
つまり・・
〇白色鉱物が多い:流紋岩、花崗岩など
〇中間 :安山岩、閃緑岩など
〇有色鉱物が多い:玄武岩、斑レイ岩など
となるんですね。
火成岩の分類表(筆者作成)
砂浜はナゼ白い?
そう考えると「砂浜の砂はもとは流紋岩や花崗岩だったの?」と思いますよね。確かに、そうだとも言えるでしょう。(※安山岩や玄武岩などにも白色鉱物は含まれているので100%ではありませんが)
でも世の中には安山岩だって玄武岩だっあるのに、なぜ??
それは白色鉱物の方が風化に強いからです。
山の方から川に流されて海辺に到達するうちに、有色鉱物は風化して細かくなり、海へ流れて薄まってしまいます。
一方、白色鉱物は風化しにくく、砂粒くらいの大きさで残り、海辺にとどまって砂浜をつくります。
と言うことで、海辺の砂浜は白っぽいのでした。
過去記事紹介【002】
地質系の話を聞いていると「〇〇万年前」などと言いますよね。
恐竜が生きていたのは1億年前とか、縄文時代の〇〇遺跡は1万年前だったとか。あれって何で分かるの?と疑問に思ったことはありませんか?
何気なく口にする「〇〇万年前」は、多くの地質学者が積み上げた研究成果と、キュリー夫人などの物理学者の努力で分かるようになりました。
興味がある方は、是非目を通して見てください♬
今週の予定
予定変更がある場合もあります。ご了承ください(;^_^A
また今秋から「都道府県シリーズ」を再開します!
今後はサイコロで選ぶのは変わりませんが、結果だけお伝えします。
2週目の先頭バッターは「秋田県」です!
〇9/13 月曜日:中休み特別企画
宮城県沖地震体験記part2【地質番外編vol.13-2】
〇9/15 水曜日:中休み特別企画
都道府県シリーズ~1周目を振り返りつつの「スキ」ランキング~part2【地質番外編vol.11-4】
〇9/17 金曜日:都道府県シリーズ season2:秋田県
秋田県のとある地域の地形と地質について
以上、お読みいただきありがとうございました。
今週もよろしくお願いいたします。
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