アビー・ワンバック

アビ―・ワンバックは、元アメリカ女子サッカー代表のエースストライカーだ。

ドイツワールドカップ決勝で日本とぶつかった。

引退後、Twitterに「私を忘れてください」と書き込みをしてアカウントを削除したことで話題になった。

ただし、そのあと飲酒運転で逮捕されてしまったので、忘れようと努力した人たちもうまく忘れてあげることができなかったというハナシもある。

引退後に二度結婚している。お相手はいずれも女性。

過去にはコカインとマリファナの所持歴もあったらしい。

金メダルを2度獲っている。

つまり、毀誉褒貶(きよほうへん)の激しい人である。

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まだ引退前だったと思うけど、日本のテレビ局に呼ばれて日本女子代表とPKで対戦する企画があった。

そのときのことが強く印象に残っている。

当時はまだ、タフで優れたストライカーというイメージしかボクは持っていなかった。

番組の対戦では、日本が決勝ゴールを決めて、澤さんたちはキャッキャとはしゃいだ。

いわゆるキャピキャピした感じで、飛び跳ねてはしゃいだのである。

その様子を、ワンバック選手が横から「異様な目で」見ていた。

これ以上コトバを重ねると印象がズレそうだ。

異様としか言えない。

ドイツ大会の決勝でガチンコでぶつかり、それでも勝つことができなかった相手。

その彼女たちがキャピキャピと飛び跳ねている姿を、

「忘れてください」と言った後で飲酒運転で捕まり、コカインを所持し、2度結婚したビアンの金メダリストが異様な目で見ていた。

まさに「日本へようこそ!」な瞬間だった。

日本では、女性はキャピキャピするものだというステレオタイプスレットがあるのは、たぶんまちがいない。

澤さんたちは、ドイツでワンバックとヘディングを競り合っているときとはまったく別のプレッシャーの下でキャピキャピしていたと思う。

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ボクには、正直言って、女性の考えはわからない。

なので、コレという主張も持っていない。

ただし、筋力面では確実に勝っているのと同じく、心理面では確実に劣っているような気がしている。

なので主張を持たないようにしている。

自分が完全に劣っている相手に対して、なまじ主張というものを持って立ち向かっていくと、バカがよけいにこじれるからだ(これは男女関係ないです)。

そこまでバカにはなりたくない。

たとえばビジネスについてビルゲイツと話すチャンスがあったなら、僕の主張というのは邪魔なだけだ。

自分が絶対的に劣っている場合、相手からはハナシをどれだけ引き出せるか、そして、それを自分がどれだけ吸収できるかがカギになる。

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女性に対するときも、とくに自意識の発達の度合に関しては、そう思う。

何を言われても基本的には「なるほど」と「そうですね」しかない。

セクハラや痴漢や家庭内暴力や男性優位社会についても、女性の意見に対しては「なるほど」と「そうですね」しかない。

もちろん男性側の言い分もあるだろう。

だけど、その言い分はこれまで4000年くらい通ってきたんだから、これから100年くらいは置いておいてもバチは当たらない。

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「女性の意見といったってイロイロだよ」と言われたら、「なるほど」と思う。

「わたしは好きでキャピキャピしてるんだから余計なお世話だ」と言われても「なるほど」と思う。

「キャピキャピは、男性優位社会の押し付けだ」と言われても「なるほど」と思う。

とにかく、もっといろいろリアルな意見を聞きたいし、できれば理解したい。ムリかもだけど...。

「カッコつけるな」と言われたらそれも「なるほどそうなのかな」と思う。それでも聞きたいことはたくさんある。

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