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未来のSNSって意味あるんだろうか?というギモン

「南雲 香織 - Kaori Nagumo」というナゾのTwitterアカウントが最近話題になっているらしい。ワクチンデマや陰謀論を大量に拡散しているアカウントなんだけど、ぼくは今日初めて知ったので「いまさら」かもしれない。フォローしている人が6.3万人もいる。

すでに、いろんな人の手でこのアカウントがフェイクだということが論証されているが、この記事が詳しい。

人物像

だれがなぜこういうことをやっているのかについては、上の記事にもある通り、アフェリエイトリンクが張られているわけでもないのでお金儲けではなさそうだ。

また特定の宗教や政治団体を推してくるわけでもない。そうすると

あくまで「反ワクチン」の立場から、主に海外の陰謀論系サイト発信の情報などを投稿し、日本語のネットワークで拡散、浸透させることが主目的であると考えるのが妥当だと言えるだろう。

上記記事

ということになる。

ただし、1年で1200ツイートも投稿されているし、1つ1つは、たんなるつぶやきではなく、かなり手が込んでいる。これを1年間つづけられる個人がいるならば、よほどヒマでかつ持続力のある人物だということになる。そういう可能性もあるだろうが、組織でやっているのかもしれない。

この記事でも指摘されているように、海外のプロパガンダ組織のやっている「情報戦」と一部共通点が認められるのは事実だ。

とはいえ、組織であろうがなかろうが、フェイクならフェイクで無視すればいいだけなのだが、気になった点がいくつかあるので今日の記事にしてみた。

気になった点

1つ目はAI生成アイコンが使われている点だ「この世に実在しない女性の顔」が使われている。

2つ目は、多くの記事が自動投稿されているということ。

3つ目として、かなり

機械臭い

文章が多いことである。

冷静に考えれば、この3点ともどうということはない。まず1つめの画像生成AIはぼくもときどき使っているし、2つ目の自動投稿アプリもよく使う。

さらに3つ目の「文章の機械臭さ」については、何をかいわんやである。海外のフェイクニュースサイトを機械翻訳しているのだろうが、これについては、いちおうぼくもプロの部類に入るのでお金をもらってそういうことをやっている側の人間だ。

以上3点をひとつひとつとりあげてみればいまさらどうということもないんだけど、この3点をつなげて考えてみた時にふと未来が見えてくる。「南雲香織」に似たことは、近い将来、AIで自動化できてしまうんじゃないかと。

現時点での南雲香織は、外国人の書いた文章を日本語に機械翻訳してポストエディットしたものに近いと感じられる。また、たまにネイティブの日本人が書いたらしい人間臭い文章も混じっているので、すべてがAIということもなさそうだ。

SNSの未来

しかしいずれボットだとわからないほど精巧なAIがどんどんツイートするような時代がやってくるかもしれない。そうなった場合、SNSなんかやっている意味あるのかな?などと思ってしまうのである。

いまでも、「南雲香織」のあきらかに機械臭いツイートに対して、庶民がまともに「ありがとうございます」などとリプを入れている。そういうのを見ると、そういう未来はすでに来ているような気もする。

そうなってくると未来のSNSっていったいなんなんだろう?

これまでの世界にもヤラセやサクラはたくさんいたけど、あくまで人力がもとになっているので限界があった。しかし、精巧なAIによるアカウントが増えてきたばあい、あくまでマシンによるものなので、いくらでも増やせるわけである。

Twitterは現在3億3000万人が使っているそうだが、そこにAIのアカウントが33億人分加わったら出会う人の10人中9人はAIだということになる。そういう未来は技術的にはいずれ可能になりそうが気にがするんだけど、それでもネットでつながる意味ってあるのだろうか。

AIアカウントがぞくぞくとフェイクニュースを流して、それに庶民がリプライを入れるようになるのだろうか。あるいは、人狼ゲームに参加してみたら自分以外全員がAIだったという未来がくるのだろうか。

そうなったら、バカバカしいような気もするし、だまされ放題な気もする。そういう未来はすぐこそまで来ているような気がしている。

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