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職場、教室などで活用できる「最強チームをつくる方法」を12枚のスライドにまとめてみた。

1冊の本から学んだことを10枚程度のスライドにまとめたらどうなるか?実際にやってみました。選んだ本は「THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法」です。

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今日、情報技術の進展や経営に関する知見の浸透によって、「優れた組織」の設計は容易になり、コモディティ化が進行しているそうです。

パフォーマンスは「組織力」×「チーム力」で表され、パフォーマンスを左右する要因は、上記の理由によって「組織力」から「チーム力」へとシフトしつつあるのだとか。

みなさんの組織やチームではいかがでしょうか?

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本書には、成功しているチームに共通する3つのスキルが示されています。

強いチームの文化を醸成するためのカギは、高度なスキルを持った優秀なメンバーを集めることや、個性的な天才の存在、野心的なビジョンではありません。

小さな行動の積み重ねが大きな違いを生み出していたのです。

1. 安全な環境をつくる

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人間の脳は、対人関係のシグナルを読み取る能力がとても高く、私たちの脳には、「自分は他の人からどう思われているだろう」と常に心配している部位があります。

チームメンバーが、ちょっとした帰属シグナルを繰り返し発することによって、「危険の心配はないよ」というメッセージを送り、脳を「つながりモード」にシフトさせるのです。

この状態は「心理的安全性」と呼ばれ、Googleが2015年に発表したことで注目を集めました。Googleのリサーチチームは、チームの生産性向上に重要なのは「高い能力を有したメンバーを集める」ことよりも「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めたのです。

成功を収めているチームのメンバーは、お互いの関係を「家族」という言葉で表現します。勘違いしてはいけないのは、ハッピーな仲良しグループになることが目的ではないということ。難しい問題を解決するために、お互いに協力し、努力を惜しまない関係を築くことが重要なのです。

本書の第6章には、安心できる環境づくりの具体的な行動アイデア(正しいシグナルの送り方)がいくつか紹介されています。

2. 弱さを見せる

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そもそも人はなぜチームをつくるのでしょう?

それは、それぞれの長所を合わせ、お互いのスキルを補完し合うためです。弱さを見せることによって、みんな鎧を捨てて、安心して協力できるようになります。

全員が完璧な人間であれば、そもそもチームは必要ありません。

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書籍『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか ― すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる』で著者は、以下のような弱さを隠そうとする「もう一つの仕事」が現代の組織に蔓延しており、それに膨大なエネルギーが費やされていることを指摘しています。

・「自分をよく見せよう」「評価を下げたくない」と思うあまり、失敗や弱点を隠してしまう。
・組織の問題を感じても、上下関係や肩書が気になって指摘できず、本質的な問題解決ができない。

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リーダーが自分の限界を認め、メンバーの力を借りなければ目的を達成できないことを深く理解していれば、弱さを見せることで「あなたには役割がある。あなたの力が必要だ」というメッセージをメンバーに伝えることができます。

自分の意見を言うときは、「誰か私のアイデアの欠陥を教えてくれないか?」など、誰もが反論しやすいように工夫するとよいでしょう。

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まこなり社長のYouTube動画「身近にいる絶対に関わってはいけない人」ベスト3にも、「求めていないアドバイスをしてくる人」が入っています。

私自身も経験や知識がある分野だとついやってしまいがちで、後になって反省することが時々あります。常に意識しておきたいですね。

自己顕示を良しとする文化が台頭し、謙虚と協調を良しとする文化が失われつつある現代社会ですが、コロナ危機が収束した後の世界が強くなるためのヒントは、強いチームに求められる3つのスキルにあるかもしれません。

本書の第12章には、弱さを見せられるようになる行動アイデアが紹介されています。ただし、これには時間がかかり、繰り返しが必要で、痛みを伴うことを覚悟しておきましょう。

3. 共通の目標をもつ

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成功しているチームは、どのチームも共通の価値観や目的がはっきりしていて、それを徹底しています。自分たちが何者であるかを言葉で表現し、その言葉を無限に繰り返しているそうです。それはなぜでしょうか?

目的意識の高い環境には、現在の状況と理想の未来を結ぶ、小さなシグナルがたくさん存在します。メンバーはそのシグナルを受け取って、自分が今いる場所を確認し、これから目指す場所を知るのです。

理想の未来と、ネガティブな現実を詳細に思い描くことで、障害が明らかになり、その結果モチベーションが引き出されます

合宿2

私がワークショップでよく使う「LEGO®SERIOUS PLAY®メソッド」は、現在の状況と理想の未来を立体で表現して、チームで対話できる優れた手法となっており、組織やチームのビジョンづくり等に適しています。

ちなみに、書籍『学習する組織』では、理想の未来(ビジョン)と今の現実との剥離こそが真の創造的エネルギーの源であり、この剥離のことを「創造的緊張(クリエイティブ・テンション)」と呼んでいます。

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同じ仕事を高い質を保って繰り返すような仕事では、熟練したチームが必要になります。例えば、サービス業のように理想の姿がはっきり決まっている分野などです。

そのような仕事では、目的地と目的地までのルートを明確にすることと、何度も繰り返し共有することが重要で、それがチームの文化を決定づける大きな力となります。

さらに、「もしこうなったら、こう動く」というシナリオを、シンプルで覚えやすい言葉で表現しておくことで、メンバーが迷った時のガイドになるでしょう。

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目的地がはっきりしない状況で、道なき道を進まなければいけない時、創造的なチームが必要です。

創造的なプロジェクトは、認知力を使うパズルのようあり、数えきれないほどの選択肢と、数え切れないほどのアイデアの中から正解を選ぶことが求められます。

この時、重要なのはアイデアではなく人になります。なぜなら、失敗と成功の判断ができる力をもった優秀なチームをつくり、彼らが正しい方向に進めるようにサポートすることがとても重要になるからです。最初から正解を選べる人はめったにいません。

「トイストーリー」をはじめ大ヒットを連発するピクサーでさえ、「どの映画も最初は駄作」であることを覚えておくとよいでしょう。

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成功しているチームは、危機のときに生まれたという共通点があるそうです。

失敗はどのチームにもあるが、失敗を生かして、自分たちの目標や価値観を明確にできるかどうかが成功のカギとなります。

本物の目的意識とは、ミッションステートメントを策定するだけでは生まれません。「挑戦」「失敗」「反省」「学習」の終わりのないプロセスを通して、形づくられていくことを覚えておきましょう。

今多くの企業や組織では、「熟練したチーム」と「創造的なチーム」の両方が求められています。両者の違いをきちんと見分けて、それに合わせてリーダーシップを発揮する能力がこれからますます求められるのではないでしょうか。

今回のコロナ危機はもしかすると、あなたのチームにとってチャンスかもしれません。「あなたのチームはコロナ危機から何を学びますか?

最後に

私自身、長い職業人生の中で様々なチームで仕事をさせていただきましたが、1年以上同じチームで仕事をした経験は数えるほどしかありません。

組織変更は頻繁に行われ、仕事自体もプロジェクト制(しかも多くの場合兼務)です。したがって、チームづくりは毎回悩みの種で試行錯誤の連続(多くの場合、"チーム"になる前にプロジェクトが終わってしまいます)。

試行錯誤から生まれた自己紹介の方法

本書で紹介されている「家族」と呼べるようなつながりを持てるチームでいつか働いてみたいものです。

1冊の本をスライドにまとめる作業は思ったよりも時間がかかりました。ついついあれもこれも入れたくなります。思い切って切り捨てる勇気が、何度も本をめくることにつながり、学びを深めてくれました。

みなさんの大切な仲間とのつながりを強くするためにお役に立てたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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