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いつの間にか怒りは消えていた
ふと思い出す父のこと。
もう遠い昔に亡くなってしまった父。
教えてもらいたいこと、まだまだいっぱいあったのに。
脛もまだまだ齧りたりなかった笑
記憶のフィルターがかかっているからか、思い出す父は怒られた記憶もあるけど優しくて大好きだった。
でも、亡くなったのはちょうど思春期のとき。
全然大事にできなかった。それが心残り。
そして、亡くなる前にずっと調子がよかったのに急に調子が悪くなった。というか、もう私のことが分かってるのかも分からない状態になった。
本当に急に。
薬のせいで幻覚が見えているのか、今思い出しても父だけど中身は幼稚園児ぐらいに感じた。
それぐらい会話もできないような状態。急に怒り出したり正直そのときは恐かった。
家族の都合がつかずお見舞いにいっても、そんな状態だから何を話してるのかも分からない。適当に返事をしていたら、飲んでいた缶ジュースを逆さにしてジュースが全部こぼれてしまった。
さらに怒られる笑
恐くてなかなかお見舞いに行けなかった。
でも、それから数週間で亡くなった。
亡くなった後に聞いた話だが、急に調子が悪くなった原因があったようだった。
それは、思いもよらないことだった。
病院とは長い付き合いだった父。
もちろん担当医も変わることもある。
亡くなる前の医師とは合わなかったみたい。
それでも1年ぐらいは担当してくれてたと思うが、薬も強くなって我慢強かった父もイライラしてたりいろんな事情があると思うが、その時の担当医にまさかの言葉を投げつけられた。
「あなたは、もう長くないんですよ。」
正直最初の余命宣告からは数年経過しているから、もちろん数十年生きれるとは思ってなかったと思う。
でも、医師からのあり得ない言葉に落ち込んで、そのまま調子がどんどん悪くなっていったんだった。
最初にこの話を聞いたときは、怒りがこみ上げてきて担当医師なんて全然知らないが殴りに行きたかったぐらい。訴えてやりたいとも思った。
その怒りはずっと抱えていた。
最近は、忙しい日々に自身の人生に追われて忘れていた。
父のことは思い出しても、その出来事を思い出すことはなかった。
でも、なぜか急に思い出した。
ずっと怒りのなかにいたけど、私もいろんな経験をしたからかもしれないが本当の出来事には違いないが医者からの視点は違うのかもしれない。
父が受け取ったままを伝えたのかもしれないし、ほかの家族が一緒だったとしてもそう受け取ってしまっただけかもしれない。
と、思う自分も出てきた。
事実はもう少しマイルドだといいなという私の願望も入っていると思うが、受け取り方ひとつですべてが変わってしまう。
何気ないひとことでも傷つく人もいるかもしれない。
もっといえば、良かれと思って言ったことも違う伝わり方をすることもある。
久しぶりに何故かその出来事を思い出したのは、いろんな視点があること。
事実に感情が結びつくから同じ出来事だとしても、人によって受け取り方感じ方が変わる。
だから、傷つくことも傷つけてしまうこともあるかもしれない。
傷つけることはしたくないけど、本当の意図が分かれば違うと分かるかもしれないし…
そういう全てのことをひっくるめて、人生もがきながら楽しんで学んでいくんだと思った。
結局、すべては学びで経験なんだなと思う。
もちろん経験したくないこともあったけど、過ぎてしまえば思い出になっていく。
痛くてヒリヒリすることもあるけど、そんなことも笑い話にできる私が私でよかったなと思う、そんな日曜日のよる。
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