見出し画像

豚こまカツを捏ねる

豚肉細切れがあったら何を作る?
我が家では、大なり小なりの課題を包み込んでなお高クオリティを出してくれるという理由で、すぐポークカレーになる。

近所にナイスなスーパーがあり、品数は少ないけれど何もかもが安い。品数が少ないので迷う量が少ない。AメーカーBメーカーで数円数グラムの差を読み取ってお得感を計算したり、老舗メーカーより価格を数円安く仕上げたパクリ商品に心を揺らされることもない。

例えばヨーグルトならせいぜい牧場の朝か、バニラヨーグルトの2種類しかない。選択の自由は限られる。しかしこの店のおすすめをただひたすら受け入れる世界線は、決断に疲れた現代人に優しいと思う。
「考えたくないだけだろ」そのとおり。

とにかくこの世界線ではいつでも豚こまが100g98円なのだ。激安というわけではないけれど駅前のスーパーなら100g148円はするのでお得であろう。


昨日買っておいた豚肉500g。
今日は家に他にエノキと人参しかいなかったので、ポークカレーにはなれなそうだった。人参は玉ねぎになれないし、エノキにも荷が重かろう。息子と話し合いの結果、豚こまカツにすることになった。

カツといえばロースとかヒレとか立派な名前のついた一枚ずつ切ってある厚み2センチくらいの肉で作るものだと思うが、わたしは立派な肉でカツを作ったことはない。エッヘン庶民である。

途切れ途切れの肉を寄せ集めて捏ねて作る豚こまカツがとても旨いので、ぜひ真似した方が良い。

途切れ途切れの肉に、片栗粉と水と塩胡椒をして、粘りがでるまで捏ねる。
冷蔵庫から出した肉が冷たくていたいくらいだったが、決死の覚悟で捏ねた。

捏ねてるうちに、小1の息子(登校初日)はソファで寝てしまった。

息子の寝てるうちに肉を小さめのハンバーグくらいの大きさにして、つなぎにくぐらせてたっぷりパン粉をつけた。

揚げ物は苦手。衣をつける時はいつも不安である。

まだまだつけたりないのではないか、これで肉を、肉汁を、包み込めるとお思いか、たぎる油壺から無事に旨みを持ち帰れるのか、と不安にかられ一生懸命パン粉をこすりつけた。

油に入れるとジュワワワワと元気よく泡がでた。
いつも焦がすので今日はちゃんと見ている。いつもシャンプーまで終えたのかトリートメントを終えたところだったか忘れるので今日はちゃんと見ている。今日のカツに向かうモチベーションは高かった。

揚がったカツは見事に衣がついていた。そんなに着込んでいたのだっけ、惣菜屋から連れてきたのだっけというくらい綺麗な衣。菜箸で突くとカリッと揚がっているのがわかった。
半分に切ってみると、肉汁のキラキラしたのが見えた。味見してみると素晴らしく柔らかい。カリッじゅわ〜である。

起き上がった息子はカツを無表情で食べていたが、味を問うと美味しいと言っていた。夫は無言で二度立ち上がり、私がキッチンに置いてきたカツを皿に乗せてまた着席した。
今日の夕飯は良かった。

この記事が参加している募集

レシピでつくってみた

イチオシのおいしい一品

読んでくださり、ありがとうございます!!! もしよかったらフォローをお願いします! 頂いたサポートは、文章を書く活動に使わせていただきます。