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協働のためのチームづくりにトライした。そしてエラーもした。

※沖縄国際大学キャリアデザイン論(4回目)授業を終えてのひとり振り返りです

あぁ、今回はふりかえりを書き出すまでに時間がかかってしまった…。
いつもより勇気のいる自己開示をしつつ、私からみた教室の中の世界を少し言葉に紡いでいこうと思う。
↓前回(第3回)のふりかえりはこちら

今回は少し盛りだくさんにし過ぎてしまい、案の定最後のワークには取り組めずでチームづくり/グランドルールまでの活動となった。余白を持てなかったことも反省なのだけれど、今回はそれ以上にとっても反省な回だったので、その理由は後半に長々と綴ります。

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本題に入る前に、ウォーミングアップとして最近定番になってきたLINEオープンチャットを活用した前回振り返りのまとめを共有。

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偶発性から新たに生まれるもの

私がメイン講師を担当するのは今回が最後。チームづくりというミッションが中心にあるのだけれど、その前にどうしてもやっておきたいことがある。今回もグランドルールを真ん中に置きながら、前半の時間は対話をメインにしてみた。
学生一人ひとりの友達がどんなタイプなのか…この授業でしか関わらない私には分からないけれど、この授業内ではセレンディピティ的な、偶発性から新たに生まれる関係性を楽しんでもらいたい。
ネットが当たり前の社会で生きていると、最適化された自分好みのモノとしか出会わない日々が続く。人が作っているこの場には、ちょっとしたバグがあっていいよね、と。合わない人と会う、話すことにも意味はあるし、そんなムズムズする時間の中で未知の窓が開いたりする可能性を信じているので、あえて “いつも” 連むようなタイプだけではない人との時間を大切にしている。

セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

今回のペア対話(わたしたちの物語)は、以下のお題で話してもらった。

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実はこの問い、私が考えたわけではなくて「恋におちる36の質問」というアーサー・アーロンという心理学者が20年に渡る研究をまとめて作成した質問の一部。(全部の質問気になる人は検索してみてね〜)1997年に発表された論文が元になっているらしいのだけれど、「恋に落ちる」が目的ではなく「大学の学生たちの間に親密な人間関係を作る」ために行ったらしいのでピッタリだなと。
(この質問について気になる人には以下の動画もおすすめ)

この対話時間、教室の端っこから見ていたのだけれど、それぞれのペースで言葉を交わしながらあったかい空気が流れているのを感じた。相手に関心を持ってもらえること、話を聞いてもらえることに恥ずかしさや慣れなさがある人もいたかもしれないけれど、自分の背景や気持ち、考えをノンジャッジで受け止めてもらうことに心地よさを感じられていたら嬉しい。
どれだけお互いの話を開示しあえたのかは、それぞれの傾聴力に大きく関係していたはず。これは前回の復習にもなるので、力を発揮できた学生が多いといいな。

この授業は企業のミッションに取り組み、最終的にはチームで解決のための企画案をプレゼンするというPBL(=Projec Based Learning)。そのため、チームを作る前に学生個人同士の関係を深めることはあまり意味がないのでは?と思われるかもしれない。
たしかに、さっさとチームを作った方が効率的。それでもこんな遠回りをしているのは、一人ひとりが対話を通して安心した関係を築ける人がいることで、教室全体の空気が変わるから。
おまけに、一度席が隣になって意見交換しただけの相手と、関係が緩く長く続いたりもする。特に意味がないようで、実はここにいる誰かの人生に関わる時間になったりも。企画づくりとは直接的に関係のないところで、人生を豊かにする仲間との出会いがあるかもしれないと願い、こんなことをわざわざ仕掛けていたりするのです。
(大学1年のはじめ、ある授業でたまたま席が隣になったあの子とはなんでかすぐに意気投合したな。その後そっこーLINEを交換し、今でも泣きたい時に励ましあったりしているというのは、私の実話)


【チームづくりのこと①】互いの特性(凸凹)を活かす仲間との合わさり

自己開示しながらチームとなる仲間を探す。仲間探しの視点としてココロのイロを紹介し、自分の特性をキーワードとして白紙に書いてもらった。

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お互いの特性を見合いながら、自分がシンカ(進化・深化)できそうな仲間を見つけに教室内を歩き回る。すぐにオファーしに動き出す人、とりあえず教室内を見渡す人、まずは一緒に受講している友達と合流してみる様子もあった。
この時間、みんなは何を考えていたのだろう。
スムーズにできたチームが3つかな。チームの決定後はメンバーと話し合いグランドルールを作成。

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少しの橋渡しをしたチームが2つくらいで、最後まで決定に難航したチームが4つほど。最終的には合計9つのチームができて授業は終了。チームづくりの後半、私は調整役として歩き回りながら頭をフル回転…久々に時間が4倍速くらいで過ぎていた。


【チームづくりのこと②】一度耕した土壌を一瞬で振り出しに戻してしまった(ゆりりんの反省メモ)

私が担当している全3回の授業では、一貫してグランドルールを意識してもらい、体現するワークを毎回入れて、それぞれがこの授業内で心理的安全性を高められるよう努めてきた。
特にペアワークを毎回入れていたのは、1人で受講している学生も、友達と一緒に受講している学生も、フラットな状態で関係性づくりができるようにするため。1対1対1対・・・・・の集合体がこの教室の42名になることが理想で、友達と一緒かどうかで有利不利が生まれないようにしたかった。今振り返ってみると、最後のチームづくりの場面、かなり勝負の世界な構図だったことに気づきかなり反省している。
ノンジャッジメンタルを浸透させることで耕した土壌だったからこそ、1対1の対話では心理的安全性が保たれながら、自己開示の挑戦ができたのだろう。この後、制約のないフォールドに放り出してしまったことで、一気に挑戦度を上げ過ぎてしまったのではないか…一定数の学生をパニックゾーンに入れてしまった気がする。

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反省①:結局コミュ力勝負の「オファー」制

ここまでの授業で、ノンジャッジで言語化することや表現することに慣れてもらう場面はいくつかあった。それでも、250分くらいの授業中でコミュ力が急に上がるわけではない。野放しオファー制にしてしまったことで、初動が早く、意思を伝えるのが上手いひとが勝つ(組みたい人と一緒になれる)構図になってしまった。
好きな人へのアプローチくらい自分で頑張れという声はもちろん理解できるけれど、声を大きく早く出せることで勝つ市場には、私はしたくない。言語化するスピードが遅くても、綺麗にまとめて伝えるのが上手くなくても、凸凹が合わさると光る魅力を持っている人は多いから。


反省②:Yes,andは一部の意味だけを捉えると苦しくなる

そしてもう一つ、「オファーを断る選択肢」があることを丁寧に伝えていなかったため、他に組みたい人がいてもオファーを受ける形で諦めの選択をした人がいただろうなということ。嫌な相手と組むことを回避するためにも必要なことだけれど、気になる人に意思表示をすることすら叶わなかった人がいたはず…ということが悔やまれる。
グランドルールの「Yes,and」を「=受け取る」と捉えていた人は、オファーを受けることで体現したかもしれない。もちろんそこに意味を見出して実践できた人にとってはナイスチャレンジで、それこそこの授業の醍醐味でもある。
でも、ただ受けることだけがYes,andの意味ではない。相手のオファーを受け止めた上で「自分の意思を表現する」ということも大切で、特にandの部分にかかっている。

オファーを受け止めつつ回答を保留する例:
「オファーしてもらえたこと、とても嬉しい!せっかくなのでもう少し仲間探しに教室を回ってから決めたいんだけど、いいかな?」

ここをきちんと伝えられなかったことで、意思表示が苦手な人は推しに負けたり、「どっちでも良いよ」という言葉で相手に決定を任せたりしたのだろう。
今思えば、私が調整役として声をかけた学生のほとんどは「どっちでもよい」「誰とでも大丈夫」「どこでもやっていけるので任せます」と言っていた。
本音だったのかもしれないし、社会人基礎力でいう柔軟性の体現だったのかもしれない。でも、そこに本当の納得感があったのか…?
少ない言葉と表情を見る限り、本音とは程遠いような気もしたし、わたしに配慮してスムーズにチームづくりを進めようと言葉を飲んでいるようにも見えた。(あくまでも私の感じ方なので、本当のところは分からない)



最初で完璧なチームはないからこそ

次回の授業からは、チームのメンバーでそれぞれの協働がはじまる。
ここで重要なのは仲良しメンバーをチームと呼んでいるわけではなく、あくまで「ミッションに取り組む協働仲間=仕事上の同僚」を決めたということ。
もちろん意見の対立もあれば、物事の捉え方が異なることで話が噛み合わなかったり、生活ペースの違いから連絡を取る上でストレスを感じたりもあるはず。

自分だけで取り組む方が楽でスムーズ。でも、自分以外の人間が数名いることで、めんどくさいことが起きる。それをどう捉え、どう向き合い、どう乗り越えるのか?
この授業の本当の魅力は、他者との協働で自分がどんなことを感じ、考え、行動に出るのか気づけること。だからこそ、毎回の気づきはポジティブなことだけでなく、ネガティブなことも積極的にメモしていて欲しい。
(良かったら、振り返りシートやゆりりんの個人LINEにぶっちゃけこんなこと思ってるんだよね…という声を聞かせてくれると嬉しい。モヤモヤがチームに伝えられるほど言語化できていない時には、私とちょっと語ろう)


ということで、次回からは新光産業の池田さんがメイン講師。
またまた濃密な学びの時間になる予感。遅刻しないように教室にいかなきゃね。


サポートしていただくと、やる気が爆発します!(笑)甘いものを食べながら、言語化頑張りますので、応援してもらえると大喜びです✌︎('ω'✌︎ )