気遣いは加点法で
仕事をするうえで気をつけていることって、誰しもあると思う。
どんなときでも10分前行動をするとか、資料は見やすさ第一でつくるとか、プレゼン前には練習を重ねるとか、こまめに電話でフォローを入れるとか、そんなこと。
そういう心がけや気遣い自体は、言うまでもなく素晴らしいことだ。だけど時々、「ひぇっ」と思うときがある。
それは例えば、こういう言葉と出会ったときだ。
「わかりにくいメール送ってくるヤツは仕事ができない」
「お礼の電話一つかけられない人間なんて、上達しない」
「会議に遅れる人は信用できない」
たしかに正論なのだろう。でも、なんだか釈然としない気持ちが残る。言われた対象が、自分でも、ほかの人に対してでも。
だって、その裏には色んな可能性があるから。メールの文章がとっちらかってたのは、一刻でも早く返事をせねばと焦っていたからかもしれない。お礼の電話がかかってこなかったのは、時間を取らない方がいいと判断したからかもしれない。会議に遅れてきたのは、どうしても前の予定から抜け出せなかったからかもしれない。
ある人から見れば「ダメ」な行動でも、もしかすると、相手なりの気遣いや誠実さの現れかもしれない、と思うのだ。
ある場面において、「直接会って話すのが常識だ」と思う人もいれば、「相手の手間と時間を取らせず、メールで済ますのが親切だ」と考える人もいる。
そもそも「気遣い」の定義なんて人それぞれだ。業界によっても違う。世代差もある。地元の九州と、大学時代にすごした関西と、今いる東京とで、地方差もだいぶあるように思う。国籍が違えば、なおのこと違ってくるだろう。時として自分の気遣いは、相手にとっては失礼にあたるかもしれない。その逆もまた然り、だ。
だから、自分の中のルールだけで他人をジャッジするような言動に出くわすと、しゅんとしてしまう。
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「◯◯しないなんて、気遣いできないやつだ」と減点法を採用してしまうと、自分でも楽しくないし、相手にもその威圧感は伝わってしまう。
なるべく自分は、誰かからしてもらう「気遣い」について加点法でいたいな、と思う。
やさしさとかそんなんじゃなくて、自分がちょっとでも楽しく働くために。
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