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広報にマネージャーは必要なのかというはなし

こんばんは。いきなり寒くなってきましたね。寝るときの湯たんぽが手放せなくなってきました。


さて。

最近、身の回りでマネージャーという言葉がチラつくのですが、そこでちょっと違和感を感じたので、久しぶりに長いのを、書いてみます。


企業に勤めるビジネスパーソンには、経験的にもキャリアとしても、マネージャー、つまり管理職のポジションが見えてくる時期があると思います。

広報も、ある程度成熟した企業になってくると人数が増え、チームができ、誰かがそれをまとめるようになります。
そして、役職が与えられ、チームを俯瞰する立場ができあがります。

マネージャーの誕生です。

確かに役職というものは、お給料が上がる大義名分として便利だと思います。

ただ、広報という仕事は、常に社会の空気を読み変化について行かなきゃいけない仕事。
現場以外は意味があるのかしら、と。

これがひっかかっていました。

結論としては、
マネージャーは必要、
ですが、
管理するマネージャーは不必要
だとわたしは思います。

今のお仕事で、中小から大企業まで、成長のフェーズも多様に異なる組織の広報見てきました。
やはり一番鋭いのは現場に近い人で、社会の感覚をスピーディに汲み取ってると感じます。

でも、社会の企業の感覚にギャップを感じ、問題を見つけても、
その先の実行が鈍ってる広報担当者は多くいました。

それは、管理されているからです。
現場から距離のあるマネージャーに。

これが、現場のイノベーションを阻害する原因。
広報が経営者の参謀になれない理由。

社会の声が、担当者から上に送信されていかない。

そして経営者は自分の脳内世界で社会をとらえる羽目になる。
そうやってできあがるのが、裸の王様トップ。

以下余談ーーーーー>

最近Uberの創業ストーリーを読んで、納得したことがあります。

彼らの偉業はなぜにこんなに叩かれるのか、ネガティブなイメージがついて回るのか。

Uberを使ったことがあるし、特にネガティブな体験も無いけれど、なんとなくイメージが良くないと感じている。

この心理的な雰囲気を、私自身ぼんやりと謎に思っていて、その答えがありました。

急拡大していくビジネスの中、
トップが革新とそれを推し進めるための政治に傾倒しすぎて、
コミニュティを蔑ろにしていた経緯があったんですね。

(ここで言うコミュニティは、サービスの世界観を支える、顧客とパートナーと従業員です)

私は、Uberの広報が、
経営者にコミニュティの感覚を伝えること、
冷静に厳しく提言することを、
怠ったんだろうなと思いました。

数年で世界中に拠点を持ち数万人規模の企業になったにもかかわらず、
トップダウンが続いたことや、それを許し続けた環境があり、
コミニュティの声が聴こえない経営者は、

結果、裸の王様になっていきました。

最終的に解任されるに至った創業者を、社会から孤立させたのは間違いなく身内です。

経営者が振った旗に、社会が賛同できるよう、広報が環境を整えられなかったのだと思います。

(カラニックはクセがある人物だったようで、なかなか難しかったのかもしれないのですが)

<ーーーー余談終わり


じゃあ、マネージャーは何のためにいるのか。
私なりの考えですが、

変わらない価値を後世に伝えるため、

です。

みなさんは、

変わるもの
変わらないもの

という例えを、ビジネスで使うことがあると思います。
広報の変わるもの、変わらないもの、もあります。

変わるものは、社会のパラダイムシフトに対応し続けるコミュニケーションの方法。
変わらないものは、社会に対し貢献できる価値(企業と社会の約束)を表明しつづけること。

この後者をやるのが、マネージャーのミッション、
そして、前者をやり続ける、つまりイノベーションを起こし続けるのは現場のメンバーのミッション、

と言う整理もできるかな、とわたしは思います。

ちなみに、企業と社会との約束は、「ブランド」とも表現できます。

「ブランド」を一番に理解して、ときに、経営者に建設的な苦言を呈す。

それができる役割にいるから、わたしは、広報は経営者の参謀だと思うのです。

経営者の方には、ぜひ広報の話に聞く耳持ってほしいと思います。
広報はそういう風に使うのが、上手いやり方です。

そして、現場で社会と対峙するメンバーたちには、
管理ではなくエンパワーメントを、
メンバーが迷った時には企業哲学を以って道しるべとなり、
サーバントに徹する。

それがマネージャーの、
特にこれからの時代に必要とされるリーダーの姿ではないでしょうか。

(このあたりに取り掛かれるのは、ある成長フェーズまで達した企業だと思いますが)

ちなみに、イノベーションが好きな人には永遠に現場にいてほしいと思います。
経験もあって変革もできるって、すごい貴重です。

管理は共有へ、判断は自律的に、経営理念を行動の源泉に、
小さく始めて走りながら、
小さくたくさん失敗して、成功して、
早く進もう。

マネジメントはそういう方向に、そういう風にと、わたしは思います。


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