このひとことが「おもしろさ」を消す。
「あとここだけ直したらもっといいのに…!」「もうあとひと押しあればおもしろくなるのに…!」、そんな文章に出会うことがあります。
そして、途中までは「おもしろいなあ」と読んでいても、ある「ひとこと」が、そのおもしろさを半減させてしまうことに気づきました。
今日は、そんな“ちょっと惜しい文章”を救うため、「これだけはまず守って」というポイントをお伝えします。
■このひとことが、おもしろさを消す。
その「ひとこと」とは、「いろいろ」です。なにげなく使ってしまう「いろいろ」が、おもしろさを消してしまうのです。
たとえば…
今日は久しぶりの休日です。山登りにいく予定でしたが、いろいろあって映画に行きました。今日の映画は「~~~」という作品で、主演は…
…なんて文章を読んだ日には、もう残念としかいいようがないんですよ。読み手(わたし)は大パニック。
「ええええ!山登りと映画って全然ちがうやんけ。なんでなん。なんで。絶対山登り行きたかったやつやん。おやつとか買ってたやろうし、リュックに荷物つめてたやん。平然よそおってるけど絶対強がりやん。絶対なんかあったやん。山…、映画…。いや…。なにがあったん…」となりまして、
あとに続く、映画のお話(おそらく書き手の伝えたいメッセージ)どころじゃなくなります。非常にもったいないです。
■なぜひとは「いろいろ」に逃げるのか。
なぜ、山登りから映画に予定が変更になったのか、その真相はわかりません。もしかしたら、急に気分が変わっただけかもしれないし、一緒に行く予定の人の体調が思わしくなかったのかもしれないし、天候が不安定だったのかもしれません。
理由はどうであれ、書き手にとって、省略してもさしつかえないような「どうでもいい」ことだったり、「こんなことくらいで…」と書くほどでもないと思うことだったりすると、ついつい「いろいろ」を使ってまとめてしまいたくなります。心のどこかで、書くことにブレーキをかけてしまっています。
ですが、そんな必要なありません。
堂々と書いてください!
なぜなら、「どうでもいい」「こんなこと」と思うようなことにこそ、おもしろさがあり、読み手の関心を集めるからです。
■「どうした」よりも「なぜ」に心がうごく。
人は、結果よりもその過程や理由に興味を持ちます。この例でいえば「映画に行った」事実よりも「“なぜ”映画に行くことになった」のかが気になるものです。
自分にとっての「どうでもいい」「こんなこと」「当たり前」にこそオリジナルのストーリーの種があり、おもしろいの宝庫です。
「いろいろ」に逃げるのは簡単です。
でも、心配せずに、自信をもって、まずは丁寧に書いてみる習慣をつけてみてください。ぐっと読者の共感があつまります。
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