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最近手放した価値観その2〜野心を持ってるフリ

去年の秋に挿し芽をして育てていた鉢植えの紫陽花が、それぞれ蕾をつけています。

全部で4鉢、全て違う種類で、2鉢はメルカリで譲ってもらった品種、もう2鉢は元から家の庭にあったものです。

色は定番の青い品種に濃い赤紫、淡いピンクのガクアジサイ、そして純白。

少しずつ色づいていくのが嬉しくて楽しみで、毎日何度も家の中からカーテンを開けて見てしまいます。

先日自分の仕事に対する価値観が変わったと自覚してから、何か新しい刺激を本で入れたいな、と思っていたら、息子が面白かったから、と一冊の本を貸してくれました。

シモーヌ・ストルゾフ著(大熊希美訳)の『静かな働き方』という本です。

実はまだプロローグしか読んでないけど(プロローグ長め)、最初に引用されていた逸話がズキューンときました。

簡単に言うと、こんな話。
ある漁師がその日食べるだけの魚をごく短時間で取り、あとは気ままに暮らしているのを見た実業家が、そんなに簡単に魚が取れるなら、工場を立てれば儲かるよ、それで事業を拡大すればもっと儲かるよ、と提案するんです。

漁師は、その後はどうなるのかと訊ねると、実業家は「ごく少しの魚だけを取って気ままに暮らせるよ」。

笑い話なのかもしれないけど、なんか身につまされるというか考えさせられるというか。

この本はおそらく、現代人の多くは仕事はその人のステータスになってるけど、それって本当?ということを問う内容だと思って読み始めています。

そして、タイミングよく偶然に手元にやって来た本に続き、今度はこれまたタイミングよく権利系の仕事に出会いました。

今まで考えもしなかった収入の得かたです。長時間机の前に座っていることが出来なくなった私にはドンピシャ。

今までにも何度か全ての仕事が途切れてしまったことがありました。
収入を得ることに苦労したし、ライター以外のことをやらなければならなかったこともあります。

でも、その当時の私は「お金は労働しなければ得られない」と信じて疑いませんでした。

だから、どんな低賃金でも労働しなければお金が手に入らない苦しい現実がそのまま来た。

でも、意識を変えた途端に、そうではない方法に出会いました。先程の逸話の、ちょっとだけ働いてあとは気ままな暮らしを楽しむ漁師の生活のような。

ということは、きっとこの流れで合ってるのかな、と感じています。

私は今月初めに仕事=自己実現という価値観を手放すことにしました(前記事)。

それから、仕事への野心、というか野心を持っているフリも辞めることにしました。

元々私は野心とか野望とかもっている方じゃなくて、有名になりたいとかお金持ちになりたいという気持ちが薄いって自分でわかってたんです。

でも、今までは上を目指すべきって、叱咤激励してました、自分を。

上には上がいる。常にステージアップしなければならない…。

野心を持つことが当然、野心を持たない個人事業主なんて恥ずかしい。
そんな固定観念から、野心を持っているフリを、自分にしてたんですね。

でもこれからは、固定観念やら他人の価値観やら重い外皮を剥がして見つけた本当の自分に従う。

ストレスなく軽い生き方にする。

そう決めたら、そんな生活が回るような流れになりつつある。不思議。

そして私は自分の心を喜ばせるために、日に何度もウキウキそわそわしながら紫陽花の成長を見守っています。

それから大好きなのだめカンタービレをシーズン1からイッキ見直したり、安売りの野菜を買ってたくさん常備菜を作ったり。

こんなことが楽しくて仕方ありません。

今までの私なら、「働くのをやめたの?もうリタイアしたの?」と自分自身ににじり寄って、誰かの作った価値観の枠にはめ込もうとしてたに違いありません。

けれど私はもう決めた。
もう仕事を追求する生き方はお腹いっぱいで、自分のお尻を叩き続ける生き方はもう辞めた。

これからは好きな仕事を少しだけする。

言い換えると、足るを知る、そんな感じです。

物は言いようというけれど、どの言葉を選択し何を信じるかは自分次第。

今まで頑張って来た自分に、いい子いい子してあげたい。

そしてこれからはもう、肩の力を抜いた生き方を自分に許します。

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