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一橋大学アウティング訴訟をきっかけに考えたこと

私は一橋大学法学部の出身です。2010年卒業。卒業してからも大学の空手道部に通い続けているので、アウティングされた彼とも、アウティングした彼とも、どこかですれ違っていたかもしれません。

私が入学した2006年も、同じクラスにゲイの友達がいました。彼は入学直後からカミングアウトしており、主に私たち同じクラスの女子と仲良くしていました。私の高校の後輩がGID(性同一性障害)だったりと、セクシュアルマイノリティーの方と接する機会が多少なりともあったので、他人事に思えませんでした。「どうしてそんな悲劇に繋がってしまったのだろう」と苦しい気持ちになりました。

私は今、一橋大学空手道部の女子監督として学生に向き合っています。空手道部は学生自身も「個人を尊重する環境」だと自負しているようで、私もその雰囲気を大切にしたいと思っています。

しかし、多種多様な個人が存在する部活。違う個ですから、衝突するケースも出てきます。そのような時、衝突したとしても、結果的に柔らかに受け入れてあげられるのかどうかは、それまでの経験が大きく左右するのだろうと思います。学生が人として成長できるチャンスでもあります。

他の部員の振る舞い、そして周りの大人達の態度から、そのようなときにどう接するべきなのか、学び取る部分も多くあるでしょう。

最近はスポーツ指導者によるハラスメントなどもよく問題になります。教員だけでなくスポーツ指導者も含めて、そのあたりを考えて普段から行動し、学生に声をかけるべきと思っています。自戒の念を込めて。

気象予報士 千種ゆり子

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