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温暖化対策で政治家選ぶ日を

2018/9/21 毎日新聞お天気みちくさ 掲載分(毎日新聞許可済み)

 個人的な話で恐縮ですが、私は気持ちの浮き沈みが激しい人間です。気持ちが乗ったときはこのコラムもいいアイデアが思い浮かびさらさらと筆が進みました。しかし気持ちが沈むと精神的に退廃し、仕事の生産性が下がっているのがわかりました。一緒に仕事をする人にも迷惑をかけているかもと思うこともありました。常に精神的にフラットでいたいと思いながらも、それがなかなか難しい。仙人にでもなればできるのでしょうか。

 常に一定でいられないのは私の精神だけでなく天候も同じです。「四季の変化」のことではなく「平年並みから常に隔たりがあるものだ」という意味合いです。平年並みとは過去30年の平均を指す言葉ですが、なかなか平均通りにはなりません。クラスのテストで生徒の点数が平均点から大きくばらつくことがあるのと同じです。

 しかしそれにしてもその変動が大きくなりすぎたのが今年。この夏は記録的な猛暑でしたが、たった半年前、冬は記録的に寒い冬でした。大きすぎる変動は異常気象となり、災害につながります。猛暑で農作物が不作になったり、熱中症で多くの人が亡くなったり、大雪や大雨によって災害が起こったりしています。季節のメリハリが強すぎる年にはいつも、平年並みが恋しいと心底思います。今年の異常気象の多発は地球温暖化を象徴する事象だと思わざるを得ません。

 私が気象予報士になった理由は、幼少期の阪神大震災での被災の経験と東日本大震災をきっかけに防災の道を志したこと、そして地球温暖化への関心からでした。私が過去4年弱の連載で書いたコラムのうち地球温暖化について触れていた回数を数えたところ、65回中8回に上りました。読者の皆さんに温暖化について考えるきっかけになればと思い触れてきました。

 地球温暖化対策は時間と労力がかかり、結果はすぐには出ません。長期的に取り組むことが必要なので、一番重要なのは政府が主導権を握ることだと思います。選挙での争点にはなりませんが、そのような観点で政治家が選ば
れる時代が

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