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ユリゲラーへの道のり

家に帰った瞬間いきなりフォークを曲げたくなり、一本左手にかざして集中してみた。たまにする瞑想で培ったイメージ力で、フォークの首元が柔らかくなりぐいっと曲げられるイメージをしてみた、が、ぶ厚めのフォークはびくともしなかった。

そういうもんだよね、と思った。小学から高校まであだ名がゆりげだったから(由来はユリゲラーとは関係ない)“もしかしたら”があるかもしれない。そう思い続けつつも、心の底では自分にフォークを曲げる特別な力がある事/ない事も、本気でフォーク曲げに挑戦する事で形を持って表面化してしまうのを避けていた。30年間。そしてついに私には、フォークをぐにゃぐにゃにする特別な力はない事を知った。

しかしここまで来たらどうしても曲げてみたい。不思議な力でなくても。動画を検索してみたらけっこーすぐに方法を教える動画が出てきた。動画を見ながらやってみたら確かに曲がったが、親指の先が変形するくらいには力が必要だった。いったん満足して、フォークを元の棚にしまった。