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【話に割って入るな】

5歳年のはなれた姉がいたので、進路のことだろうか、リビングのドアを閉め、父、母、そして姉の3人で話していることが時々あった。無邪気にドアを開け、キッチンの冷蔵庫から飲み物やお菓子を取りに入れる雰囲気はなく、話がひと段落するまで、別の部屋で息を殺して「待機」していた。聞き耳を立てるも、何を話しているのかは聞き取れないし、雰囲気的に楽し気な会話では明白だ。そんな深刻そうな話を3人でした翌日、父は私にこっそり言った。

「ねえ、ねえ、何の話?」と割って入るなよ

楽しそうに話をしている人達が自分の近くにいれば、「何の話をしているんだろう?楽しそうだな、私も輪に入りたいな」とか、「私の悪口で盛り上がっているかな?仲間外れにされていないか?」と、不安になる。我が家の場合、前者である確率はほぼゼロだが、どちらにせよ、呼ばれてもいない話の輪に割って入るのは、「品がない」と父は忌み嫌っていた。

今思うと、父の身近な人で、こういう行動をとる人がいて、イヤな思いをしたことがあったのだろう。「ああいう人間にはなるな」という気持ちが入っていたのか。自分の親類縁者か、職場の人なのか、定かではない。

ただ、話の輪の会話が漏れ聞こえ、自分の興味がある話題をしている時もある。そんな時は、タイミングを見計らって、「なんか、さっき話が盛り上がってたね」と、カマをかけてもみる。「あー、あれね、〇〇の話だよ。興味ある?だったら、入ってくればよかったに」ということもある。そんなことをしている自分って、なんか嫌だなと思う。素直に「〇〇って聞こえちゃったんだけど、何の話?興味あるな。私も入っていい?」と言える方がスマートでかっこいいと思う。

追記:nanahoshi_dさんのイラストを使わせていただきました。ありがとうございました。

「人生経験の引き出し」がいっぱいあります。何か悩み解決のヒントになる話が提供できるかもしれません。