応募条件の”バリューや理念”にどれくらい共感して応募する?

「弊社の理念の共感していただける方」、求人票にこんな応募条件が書かれているのを時々見かける。それを見ると私は心の中で思う「共感しているかどうか、どれだけ共感しているのか、どうやって確かめるんですか?」と。

現実を見れば、転職希望者は、求人票と会社のホームページを見て、「わるくなさそうだ」という印象を確認し、応募のボタンを押している。もちろん、会社の理念やバリューというものに、”少なからず共感”を持って応募する人もいるだろうが、「ブラックで、ヤバイそうな会社っぽいけど、敢えて応募する」という自虐的な人は稀だろう。新卒ならとかく、中途採用で企業や理念を重要視して応募している人がいる、アンケート調査でも、それほど上位には上がってこない。だが、「弊社の理念やバリューに共感し、きっと盛り上げてくれる人がたくさん応募してきてくれるに違ないない!」と、生性善説で採用をしている企業が実に多い。

理念やバリューに共感した人が応募してきてほしいと思うのは自由。ただし、企業の理念やバリューの理解度、共感度をちゃんと面接で測れるならいいばという前提だと思う。少なくとも、そんな尺度を持っている企業に私は会ったことはない。たいていは「弊社の価値やバリューはご存知ですか?共感/賛同いただけますよね?」と、面接の中で口頭確認する程度。「NO」という回答する応募者がいるはずもない。だったら聞く意味ってホントにある?と疑問に思うのだ。

そもそも、理念とか、バリューとか、はたまた企業文化とか、言葉にするとたいそうなものに思えるが、きちんと定義づけ出来る人はいるだろうか。もし、小学生に「ねえ、理念って何?バリューって何?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか?きっと、社長や、管理職、社員に聞いても、納得のいく答えをビシッと言える人はそんなにいないだろう。ほとんどが「うっっ」と言葉に詰まる。企業の創業者や、その理念/バリューを作りにかかわった人以外は。

個人的には、理念やバリューは、組織の中で過ごすことにより、感じ取るモノ、自然と身につくモノではないだろうか。これから、企業の一員になるかもしれない人に、求めることではない。入社して業務を通し、「つまりこういうことかな?」とある程度の時間を経て実感するのではないか。むしろ、面接で、企業の理念やバリューを面接官が説明し、「ここの会社って応募前より、働いてみたいと思えるかも」と、応募者を魅力付けのネタにすべきではないか。

それぞれの企業の理念やバリューって、言葉の表現は違えど、人間の道徳的な、似たり寄ったりなものが多い気がする。要するに、

人に優しく、品行方正で、社会のために努力すべし

それをすべて持ち合わせ、日々体現している人ばかりの集まりなら、不正やハラスメントなんて、地球上に存在しないのでは?



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