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素直になって言いたいことを言うか、黙って去るか

会社を辞める時、「退職面談」などという名目で、人事や上司などが、退職者と話をする機会を設ける会社がある。会社側は、「最後なので、何かいいたことがあればどうぞ」と、表面的には、退職の理由を今後の経営や組織運営の参考するという名目だ。

会社を辞める決意は、最後に象徴的な出来事が後押しする。が、そこまでには複合的な要因が絡まり、だんだん「楽しくない」「やりがいがない」「辞めたい」という気持ちが募っていくものだ。その中には、他人からすれば、不平不満愚痴にしか聞こえないものがほとんどだろう。だが、本人にとっては大事な価値観を理解されない、壊されたという”被害的な感情”が渦巻いている。

そういう感情も含め、最後に言ってみろと言われ、私はいつも迷う。どうせ最後だし、二度と会わないのだから、自分の気持ちを全部ぶちまけて、すっきりして潔く去るべきか。その一方で、気持ちをぶつけるからには、「そうだったんですね、力及ばず、申し訳ない。これから、違う場所で輝いて下さい」と何らかの理解を示してくれるのであれば、最後に素直になってよかったと思える。が、そんなことはまず起こりえない。ならば、「特にありません」と冷静に、無難に去る方がいいのかとも考える。

退職面談のインタビューアーが、退職者の気持ちを聞き入れる準備がなければ、ただの泥仕合になり、最後の最後まで後味の悪いままで決裂する。何故なら、「円満退職」なんて、ほぼありえない。不平不満があるから、人や辞めるのだ。ネガティブが理由ないなら、その会社を辞める理由がない。働き続けるだろう。

辞める決意をしたのに、辞める決意をさせた要因の組織は、人は、明日もここで、何もなかったように存在し続ける。そう思うと、なんとも表現しがたいやるせなさ、無力さ、怒りがこみあげてくる。それをぐっと飲みこめる時はいいが、飲み込めない時もあった。

どちらに転ぶのか、言ってみないと結果は分からない、だから迷う

言いたかったら言えばいいか。辞める会社とは、私の人生において、もう必要だと思えない場所であることに違いはない。去らなければ、新しい何かに出会えなのだから。

追記:tr413さんのイラストを使わせていただきました。ありがとうございました。


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