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ビジネスオーナーと会社員の違い

ゴーンさん亡命のニュースに関する堀江さん(ホリエモン)のYoutubeを見て、一番印象に残ったのが、「当事者意識がすごい」ということだった。

彼は知識も教養も凡人を凌駕しているが、色々なものごとに当事者意識がある。

当事者意識とはつまり、

1)問題の本質は何かということを突き止め

2)自分だったらどう解決するか?を考える

という思考のクセがあるということだ。

このクセがあるから、世の中のひずみを利用して、他人が求める商品やサービスを思いつくのだろう。

私はスタートアップで働いていて、その会社には社長を含めた創業者が数人いる。ここで2年働いていて実感していることが、創業者と社員(雇われ役員)の間にはマリアナ海峡よりふか〜い隔たりがあるということだ。

それが「当事者意識」だ。

創業者や経営者はこの当事者意識が総じて高い。

逆にサラリーマンは、どれだけ上にのぼっても、最後は逃げ道を残せるようにする。

給料を払う側ともらう側の違いだから仕方がないのだろうか。

会社員で役員まで上り詰める人というのは大抵自己顕示欲が強く、権力またはお金、いや、ほとんどの場合はその両方に突き動かされていることが多い。会社の規模の大小に関わらず、成熟した会社であろうが、明日死ぬかも知れないスタートアップであろうが、この会社員の上昇根性というのは変わらないらしい。

メガバンクで働いていたときを思い出してみればよく分かるのだが、P&Lの責任者であっても、自分の部署の成績を上げるモチベーションとなっていたのは、ボーナスなどの自分に対する手当、そして社会的評価であったように思う。そもそものモチベーションが自分を上げていくことなので、社内ポリティクスがはびこるし、自分の部署の成績が上がるなら他の部署に悪い影響が出てもかまわない。

実際に私の働いていた会社でも、勢いがあった役員の下で大々的な不正が行われていたことが分かり、社会的問題となった。結果的に株価は暴落し、その会社は顧客を大勢失った。

今の会社の創業者を見ていると、当たり前なのだが会社の成功を第一に考えて行動している。それは日々の会議での発言からもうかがえるし、彼らのとるビジネス戦略を見ていれば分かる。

そんな中で、雇われ役員たちが相変わらず社内ポリティクスのパラダイムの中で仕事をしている。彼らは会社全体の利益よりも自分の部署の成功、すなわち自分の権力や利益の増大を狙っているのが明らかだ。

だいたい時間の使い方からして会社員なのだ。レベレッジのきかないどうでもいい仕事に時間を割く。「ネットワーキング」と称して勤務時間中に何回もコーヒーを飲みに行く。その一方で残業したり週末に働いたり、忙しい忙しいと言っている。

創業者でそんなことをしている人はいない。ビジネスオーナーは時間がとても貴重なリソースだと知っている。

雇われ役員でも、創業者に次ぐ割合のストックオプションをもらっているので、会社の成功は重要課題のはずだ。でも彼らは、創業者ほどのリスクも取っていなければ、創業者ほどのリワードがもらえるという訳でもない。今の会社がうまくいかなければ、別の会社に高く売り込んでまた雇ってもらえばいいのだ。

とはいえ、スタートアップの創業者が必要なスキルをすべてカバーするのは難しいだろう。できれば外注、それが無理なら専門家を雇って経営陣には加えない、最後の手段で経営者目線を持った人だけを役員に採用する、という順番で穴を埋めて行くのがいいんじゃないだろうか。もっとも、経営者目線を持った人が、そのスキルレベルに達するまでサラリーマンをやり続けるという方が珍しいのかも知れないが。



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