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チョコレイトディスコ

子どもにダンスを教えたときの話。

学生時代の先輩がバレエ教室の先生をしていて、そこは主に未就学児〜小学生の教室なのだが、アダルトクラスとして私や他の後輩も通っていた。

先生が出産する前後に、私が2ヶ月くらい代講することになった。

先生が復帰するのはバレンタインの時期なので、バレンタインパーティーで先生や保護者の方々の前で発表するためのダンスを振りつけることに。

そこで考えたのが、
perfumeさんのチョコレイト・ディスコでチアダンスを踊らせること!
私はチアダンス経験あるし、あのキラキラウキウキしたサウンドと、繰り返すかんじがキッズチアダンス&バレンタインパーティーにバッチリはまっていた!!

ということで3歳〜小学5年生の女の子たちにポンポンを渡し、振りつけるわけだが

当時子どもの扱いに慣れてなく、叱るのが下手くそだった私はなかなかに苦戦。

私はべつに代講を喜んで引き受けたわけではない(むしろ渋々)けど、
私のせいで嫌な思いをしたりバレエ辞めたりされたらたまったもんじゃないから、
怪我や器物破損さえなければよかろうと思い、基本的に甘やかしたが、

そうするとナメられるし、なんでもおもちゃにするし隙あらばふざけるし、意味もなく騒ぐ、叫ぶ。

でも中には相手が私であってもちゃんと話を聞いたり他の子に注意してくれたり下級生を世話したり私の仕事を手伝ってくれるようなめちゃくちゃいい子もいたりして、
ああ小学校の先生がひいきしたり頼ったりする子ってこういう子たちだったよな、でも無理すんなよ、って思いながら癒され、
自分が小学生だった頃を思い出してはセンチメンタルになったりして、

なんだかんだとみんなちゃんと踊りを覚えてくれたころ、

小学3年生と2年生の子がいるクラスのレッスン中、

チョコレイト・ディスコに
「計算する女の子」
という歌詞があるのを、

これどういう意味だかわかる?と聞いてみたら

「わかんな〜〜い」
「ぜんっぜんわかんない!」

と小3のおねえさんたちが反応するから、

そっか、小3じゃまだわからんよな、と思ってほっこりしていたら

その中で唯一の小2の子が近寄ってきて、両手でお口のトンネルをつくり、私にこう耳打ちしてきた。


「わたし、くもんで割り算ならってるよ。」

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