見出し画像

治療中の表情も、残してほしい...

そう語るのは、写真家 Kaoriさん。

画像5

治療中は写真を撮らない人がいると、よく聞くと…、その時にしかないできない表情、自分では苦しい表情でも、他の人から見ると、その表情はそう映らないという。
治療をしている今は見たくなくても、これから先、自分の人生を思い返すときに写真があった方が絶対にいいと。写真はタイムマシーンのようなもので、その時の気持ちに戻れると、写真にある魅力を語ってくれた。過去の起きたことを受け入れるために、自分の写真を撮っておく。命はもらっている、自信を持っていいし、誰もがこの世に使命を持って存在していると話をしてくれた彼女は、10万人に1人診断されるという希少ガン”悪性黒色腫”を経験している。

悪性黒色腫(メラノーマ)とは 、「ホクロのがん」とも 呼ばれていて、皮膚の色素(メラニン)を作る メラノサイトという細胞が悪性化したものです。 リンパ行性、血行性に 転移し、皮膚がんのなかで予後が悪いものの1つです。 メラノーマは白人に多いとされていますが、 日本人でも増加傾向にあります。日本における メラノーマの患者さんは 10万人に1~2人と言われ、日本では4000人前後の患者さんがいるとされています。

幼い頃から活発で運動が得意な彼女、高校時代はハンドボールでインターハイに出場するほど、体育会系のスポーツをやってきた。20、30代は、スノボードにハマり、長期休みになれば、海外のゲレンデを滑りに行っていた。結婚するまでは好きなことをしようと、人生を謳歌していたのだ。

元々視力がすごく良く、両目はそれぞれ2.0、手術した今も視力は1.5もある。
しかし、その目にはメスが入っている。彼女の左の瞳の横には、幼い頃から白目部分に黒く丸いトッドのようなものがあった。視力もよく、特に違和感がなかったので、気にすることもなかった。それがある時に3Dのように膨らみ、黒目と一緒に肥大していき、明らかに瞳の形状がおかしくなってきたが、痛みは全くなかったのだ。

肥大し膨らむ黒目が気になり、自宅近くの眼科に行くと、視力に問題がないなら、手術はしない方がいい言われたものの、とても心配になり、隣の市の有名な眼科で見てもらったところ、医大を紹介されたのだった。

彼女の訪れた地元の医大では、色のついているものに、良いものはないからと曖昧に診断された。
その医大では、同じのような症状が出たのは、たった二人ということで、セカンドオピニオンを聞きに、東京の大学病院へも行った。

彼女は、自らインターネットで自身の症状を検索したのだ、出てきた言葉は義眼…、目を失ってしまうことだった。やはり希少ガンということもあり、情報は少ない、書いてある内容は古いものもあり、命か義眼手術と書いてある記事を見て、彼女は本当に不安になった。自分が義眼になる姿を想像したら、そのことに耐えられるのかと本当に怖くなったことを覚えている。

義眼になる可能性もゼロでない中、彼女は手術に挑んだ。手術は、結局地元の医大で行われた。麻酔は局部麻酔、左目の部分だけ穴が開けられている清潔な布をかぶせられ、先生が顕微鏡を見ながらの手術、先生たちのやりとりが耳から入ってきて、本当に怖かった。目にメスが入ると、血液が出るので、それを流水で洗いますので、痛かったら手をあげてくださいと説明されたという、想像するだけで、怖さが伝わってくる。

手術後の病理検査結果では、悪性黒色腫と診断が出たが、悪性のガンの部分は厚いものではなかったので、抗がん剤治療は行うことなく手術のみという病理結果だった。手術は成功、Kaoriさんの目は温存できたのだ。
この病気は、色素のうすい西洋人に多い、よく彼らはサングラスをしている、そう太陽の紫外線からガンになりやすくなるのだという、Kaoriさんの住む場所は、特に空気の澄んでいるところなので、紫外線が直接入りやすいというのも要因の一つとのこと、本当にどう自分が病気になるなんてわからないものだ。

そんな彼女に写真との出会いはと聞くと、海外に遊びに行っている時から、デジカメで綺麗な風景などを撮るのが好きだったと語ってくれた。本格的に始めたのは悪性黒色腫と診断されてからだ。もしかしたら、もう目がなくなり、きれいな景色が見えなくなるかもしれない。自分が見た景色を、もう誰にも見せられなくなるかもしれないと思ったら、自然とカメラを持って、写真を撮り始めていた。病気になって、簡単に外へ行けなくなり、見たい景色が見れない人がいるのであれば、私がその場に行って写真を撮って見せてあげたいと、四季を感じる写真を撮るようになった、それは今もよく撮っている。最近は、笑顔の写真を撮ったりと、被写体の幅も広がっている。

画像3

画像4

ガンになってわかったこと、生きてるんじゃない、生かされてるんだよなと、彼女の生きる価値観は変わった。もしガンになってなかったら、自分はどこにいっていたんだろうと、自身の人生振り返り語ってくれた。

現在、彼女の活動はさらに幅広くなっている。

画像2

自分の好きなことを仕事にして生きていきたいというコンセプトのご縁で出会うことができた女性がいる。その女性は、文字を使って表現をし伝えることを仕事にしている。現在、その女性と一緒にコラボ作品を配信している。Kaoriさんの撮った写真とその女性の方の言葉が一枚の作品になっている。
写真だけは、言葉だけでは伝わらない、その二つ作品が重なると本当にすごい表現力になる。写真と文字のコラボは止まらない、もうすぐ1年の日めくりカレンダーが365日分のものが仕上がる、本当に楽しみである。

画像1

そんな彼女から、最後に話してくれたこと、「人生は偶然じゃない、必然」だと、彼女の人生はいろんなことが必然に起こっている。彼女の挑戦は、写真を超え、さらなる活躍が期待できる、これからの彼女に起こる必然的か活躍の行方を見守りたい。

彼女の患った希少ガンの悪性黒色腫という話を聞いて本当にびっくりした。
小学校の頃、白目に黒いドットのようなものがある友人を思い出した。全部が全部ガンになるとは限らないが、身近なものなのかもしれないとも感じました。
ガンができる場所が、目ということだけで想像ができない、そんな目の手術を乗り越えたKaoriさんは、本当に前向きで芯のある女性だなとお話を伺って思いました。
Kaoriさんの写真と目から入る言葉のコラボ作品から、ワタシは元気をもらっている。多くのファンの中の1人のファンとして、これからの作品をとっても楽しみにしている。

最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?