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また新しい夜で眠る。

「まだまだ暑い日が続きますが、お洗濯にはピッタリです。干しっぱなしでお出かけされても大丈夫ですよ。」

お天気のお姉さんがかなりごきげんな様子で言うもんだから、私はすっかりやる気が出てしまった。くしゃくしゃのお布団をきらりと睨む。

よし、お布団類、ぜんぶあらおう。

さあ、始まりました!シーツをひっぺがして、洗濯機にぽーん。お風呂にお水をためて、枕と掛け布団をぽーん。洗剤を入れて、ふみ、ふみ、とふみ洗い。今日はかなり本格的。

ふみ、ふみ、ふみ、ふみ。

髪を乾かすのめんどくさがって枕を湿らせちゃったことも、酔っ払って帰ってきてそのままお布団にダイブして朝を迎えちゃったことも、友達とお泊まり会して川の字で爆睡したときのことも、ちょっと上手くいかなくて誰もいないのに布団に隠れて泣いたことも、ぜーんぶ、ぜーんぶ、ふみ、ふみ、ふみ。じゅわっ、じゅわっと流れてゆく。きもちいいな。

ここで大問題。洗ったはいいものの絞れない。そのまま干したら下の階のベランダを濡らしてしまうし、風呂場に立て掛けといたら日が暮れてしまう。たすけてお天気お姉さん!!
濡れた布団を抱えたまま途方に暮れてしまった。服が濡れて泣きそうだ。

もういいや!えええい!と洗濯機へ突っ込んだ。やっぱり入らない…。諦めるな!モキュモキュ。はいったーーーー!!!!脱水ぽち!!
…なんとか強行突破で絞り上げた。真似しないでね。

そうして、苦労して新しくなったお布団と枕とシーツは、お日様の下で見事まっしろなペッカペカに。また新しい思い出を重ねて眠ろう。

おやすみなさい。

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