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MBAのあれこれ①学んで良かったこと

はじめに

社会人になってから、自分の進む道を決める上で、リアルでお世話になってきた人たちからの影響はもちろん多大にありながらも、メリットやデメリットなど客観的な情報をネットで集める機会が圧倒的に増えました。
大学や社会人初期を共にした友人グループ内で進路や選択が徐々に細分化されていき、「人間は歳を取れば取るほど孤独になる」という実感を確かに持ちながらも、その分、noteや各種記事で自分と似た境遇や価値観の人たちを見つけ、彼ら彼女らがどのような選択をして今何を思っているかを知られることの大切さを感じる機会は多くありました。
幸い文章を書くことは嫌いではないので、次は私の経験をこうしてシェアすることで、どこかの誰かのお役に立てたらいいな…という気持ちです。なので、読みやすい文章になるようにできる限り体系立てて論理的に書きますが、あくまで「当時の私が」「当時の私にとって何を重要な判断基準にしたのか」「その結果どうだったのか」というあくまで n=1の話、万人には当てはまらないお話になるということはご了承いただければと思います。
テーマは、まだちゃんと決めていないですが、リカレント教育やキャリアを中心に、質問されることが多いトピックから順番に・・・!

ということで、第一弾は社会人MBAです!
①学んで良かったこと(←今回)
②国内×夜間土日を選んだ理由とメリット

学んで良かったこと

一言で言うと、過去の経験も含めて、ビジネス上の経験の質が上がる。この後色々具体的なことも書きますが、私の中での答えはこの一言に集約されます。
MBA不要論を唱える方達の主張はきっと一言で言うと「高いコストを払って学ぶ机上の空論よりも、お金を得ながら経験を積んだ方が早い」というものなのではないでしょうか。
人は座学よりも経験から多く学ぶ。大賛成です!ただ私がMBAの過程で数々の科目を学びながら感じたことは、その日々の経験の”質”が上がると言うものです。人は経験から最も多くを学べる。但し、人の時間は平等で、経験できる量にそこまでの差はない(長時間労働がお好きな方は別かもしれないですが)。であれば、その経験の質をどのように高めるかに拘ることは、私はとても大切だと思っています。

ビジネスの基礎力

まずこちらは、恐らくMBAを学んだ多くの方が既に色々な所で仰っているかと思いますが、ビジネスに取り組む上での基礎力が圧倒的に上がります。
ファイナンスや会計はもちろん、マーケティング、オペレーション、人材マネジメント、その他挙げ出したら切りがない科目の基礎知識を得ることが出来たのはもちろん、個人的に最も大きく変わった点は「思考力」です。
在学中に問いを投げられた後に、講師から「ボヤっと考えない!」と飛ばされた檄は今でも記憶に残っています(笑)。その問いを解かなければならない目的やゴールを定義した上で、「ボヤっと」考えずに、適切なフレームを使い問いを細分化しながら定量的にも定性的にも分析を行う…と言うプロセスを筋トレのように何度も繰り返すことは、答えを未だ誰も知らない問いを解かなければならない時の大きな力になっています。

多様な業界やビジネスに取り組む時の応用力

多くの大学院でも同様かと思いますが、私はケーススタディを中心としたカリキュラムを受けていました。その中では当然、普段関わったことのないトピックを関わったことのない業界を例に解くケースが殆どです。基礎的な知識をつけた上で、多様なケースを題材に1週間に2〜3をテーマに「この業界での勝ち筋は何か?」「この会社が取り組むべき1番の課題は何か?戦略は何か?」「数あるオプションから何を基準にどう選ぶか?」「どうやったら実現できるのか?」・・・を考え続けることで、いつの間にか、新しい業界やビジネスに取り組むときに抑えるべき勘所を掴むスピードが格段に上がります。
私の場合は、その後様々なビジネスを営むコングロマリット(しかもテック系なのでどんどん新しいビジネスを展開する)を顧客とする営業チームのマネージャーを務めることになるので、このスキルは非常に役に立ちました。
私のような極端なケースでなくても、ビジネスパートナーとなる企業の業界の理解や、バリューチェーンの上下に位置する企業の業界の勝ち筋を抑えることは、全てのアライアンスや交渉毎を上手くまとめる上で大切なポイントになるのではと思います。
ある程度の期間仕事をしていると、上手く行ったプロジェクトと行かなかったプロジェクト、業績が伸びている会社とそうでない会社…などとの出会いや関わりは数多く経験しているのではないでしょうか。MBAで学んだ知識をもとにそれらの経験を思い出すと、どんどん、「ああだからあれは上手く行っていたのか」「これはここをこうしていればもっと成功していたのか」などの学びが過去を遡って出てきました。そのように、クラスで学んだ理論と自分が見てきた具体例をいくつも重ね合わせていくと、過去の経験の質がグッと上がる感覚が持てますし、この先の経験もそうなるんだろうなと思います。

一人で考えられること・できることが広がる

例えば、私はずっと営業職を中心にキャリアを築き、しかも大企業にいることが多かったため、人事や財務関連の業務や、オペレーション関連の業務には殆ど関わることがありませんでした。
ですが、前述の通りMBAでは会社の経営に必要な科目を網羅的に学び、しかも知識をつけるだけではなく「知識を使って考え、意思決定をする」「その決定を実現する」ことまでをゴールに学習が進むため、今まで経験したことがない仕事のベースラインが圧倒的に上がります。
私の場合は、MBA取得後に部長職を務めることになったので、このスキルには相当助けられました。外資系企業のマネージャーは、自分たちのチームの業績(営業であれば営業成績)を伸ばすことはもちろん、そのためのメンバーの採用、育成、キャリア開発、チームのカルチャー作り、オペレーションの効率化…など、責任と業務の範囲は広いです。MBAの学びに従って、まずは論理的にどう進めるかを考えやってみて、振り返りと改善を重ねることで、圧倒的にその時の成功率が高く、自分の成長スピードも早い状態を作れたと感じています。

学んでなければ出来なかった仕事の数々

既にいくつか挙げましたが、他にも言い出したら切りがありません。

  • そもそも1社目(楽天、Eコマース)から2社目(Twitter、広告)への転職が異業界だったので、2社目で結果を出すまでのスピードはMBAなしでは上げられなかった

  • Twitterの営業での私の専門顧客であるテック系プラットフォームは多様なビジネスドメインを持っているため、全ての事業部に刺さる提案を持っていくためのビジネス理解力はMBAで鍛えられた

  • 初めての外資系企業マネージャー業務で、業績達成もチームの人的資本力UPも成功させることができた

  • 営業マネージャーを務めながら、多くのSales Enablement系のプロジェクトをリードさせていただくことができた

  • 大学院で学んだ異文化理解や国際系の知識をベースに社内のDiversity&Inclusion関連のプロジェクトをリードしたり、社会起業系の授業の学びを活かしてプロボノプロジェクトを立ち上げたりすることができた

  • 異業種転職の面接に通り、希望のポジションに就くことができた

他にもきっと色々あります。
私は、MBAを学ぶ意味は「人より優秀になれたか」ではなく「受ける前と受けた後でどれだけ自分が成長したか」だと思っているので、その点で言いますと私の場合は受けて大正解だったと言うことです。
※優秀な人はMBAホルダーにもそうでない人にも等しく沢山いると思っています!

その他

あとはありきたりですが、友達も沢山できました!
MBA生が言ういわゆる「人脈」ですが、私の場合は一緒に飲んだりゴルフに行ったりスキー旅行に行ったりキャンプに行ったり、コロナ禍の卒業式だったため居酒屋があっという間に閉まりドレスとスーツのままで夜の公園でチューハイ飲んだ記憶などの方が色濃いため、「友達」です。
もちろん、仕事も節目節目で色々な情報交換をさせて頂いています。

かなりMBA推しな意見になってしまいましたが、私にとっては特にデメリットは本当になく、メリットしかなかったのです。
これは、国内×夜間で、あまり他に犠牲にするもの(お金や時間やキャリア)が少ないプランだった可能性が高いですが、この辺は次の②国内×夜間土日を選んだ理由とメリットにて。

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