【短編】アイスクリーム

仕事のプレッシャーと孤独に追い詰められている。
少しでも救われたくて、彼にメッセージしてみる。
つらい気持ちを彼に伝える。
その話には触れずに、あなたは言う。

「明日はクッキーとチョコレート買いに行こうかな」

その言葉が私に向けられてないことは、分かってる。
一緒に買いに行けるわけもない。

「そうだね、私も近所のお店に買いに行ってみようかな」

そんなつもりなんて毛頭ないのに、軽く返す。
偽りの優しさ。

「あのアイスクリーム、おいしいよね。話題になってるよ。食べてみて」
「そうだね、買ってみようかな」

うわべだけの会話。
たぶん、明日、お菓子屋さんには行かないし、アイスクリームも買わない。
満たされない、悲しい気持ち。

ありがとうございます! 短編集の制作に使わせていただきます!