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【短編】デジャヴ

夢を見た。
ドイツにありそうなビアバー。
木のまな板のようなものの上に、生ハム、サラミが載せられていて、その脂が白熱灯の光の下でぬらぬらと光を放っている。

私は誰かと向かい合って、ビールを飲みながら、サラミをつまんでいる。
相手が誰なのかはわからない。
話もほとんど聞いていない。
ただ、ある一定のリズムでビールの入ったジャッキを口に運び、サラミを箸でつかんで、口に運ぶという単純な動作を繰り返している。

居心地がいいような、悪いような。

別のある日。
私の望みが叶って、会いたいと思っていた友だちのところに、仕事ついでに行くことができた。

自分も友だちも、精神状態はあまりよくなかった。
機体整備のために、フライトは2時間のdelay。
友だちが行きたかったおしゃれなカフェに着いたときには、ちょうどラストオーダー。
メニューも見ずに、友だちと同じものを頼む。
閉店間際に提供された料理を、味わいもせずに口に運んで、余計な会話もない。それから、露骨にお土産を交換して、気まずいムード。

もう帰ろうかな…

そんなはずない。
まだ何も話していないし、何もしていない。

心を探り合う。

無理矢理見つけたビアバーに入る。
それは、どこかで見た懐かしい景色。
あれは、先輩と行った店だっただろうか、それとも職場の後輩と行った店だっただろうか。

このシチュエーション、見たことがある。
否、経験したことがある。
この店で、この料理を食べながら、誰かと話していた。

デジャヴ。


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