見出し画像

私の美容鍼ついての考え。自然に年を重ねてゆくこと

当院では美容鍼を行なっていますか?とご連絡を頂くことがあるのですが、結論から言うと顔に直接鍼を刺し美容に働きかけるといった施術は行なっていません。

それは何故か。
私自身の美容に対する考え方や価値観が東洋医学を学ぶ上で変化していったからです。

本日は、女性の長年のテーマ「美容」そして、
東洋医学に関心がある方であれば一度は興味を抱く美容鍼について語っていきたいと思います。

過去の美容に関する価値観

私の過去の美容に対する価値観は表面的な美に囚われたもので、

・シミやシワはない方が良い
・シワは少ない方が良い
・肌の張りはあった方が良い
など

世間一般的に綺麗と言われている「美容の基準」に当てはめ、美容を追い求める1人の女性だったように思います。

年齢を重ね、更に出産を経験したことにより、どんどん変化してゆく見た目への不安と世間一般的な美の基準に踊らされ、美容鍼はもちろん次から次へと発売される美容にまつわる商品を試しては心を踊らされながらも、その一時的しか過ぎない効果に落胆し、新たな商品を試す日々。

底なし沼のように溢れ出る美容への欲と、何故か満たされない心。

自分の内ではない、外へと刺激を求め、一時的に過ぎない外側だけの美容を追い求め抗い、ゴールのない日々をループする日常を送っていた過去があります。

その頃の私は、本物の美はどこから湧き出、外面にまで影響をもたらすのか。

そんな根本的な考え方を見つめようともしていなかったように思います。

真の美容について考えるに至ったきっかけ

私は東洋医学専門の鍼灸院と掲げている事もあり、長年病院へ通っても良くならない、原因不明と言われてしまった方等、様々な不調を抱えた方々が来院されます。

そんな方々の施術を行う過程で、体が回復していくと同時に、美容鍼など直接顔に鍼を刺さなくても次第に肌艶が良くなり、肌のトーンが上がり、笑顔が増える。

そんな経験を患者さんを通し経験したからです。

そしてそれらの効果は一時的に顔が引き上がり、肌艶が良くなるといった美容鍼よりも、永遠と効果を持続し、その方の内面からの魅力を引き出す最高の美容法に繋がる事だと私自身が気付いたからです。

心身一如という言葉

東洋医学には、心身一如という言葉があります。
心と体は別々のものではなく密接に繋がっているという意味です。
喜怒哀楽、様々な心の中で起きる感情は体に影響を与え、体の不調は心にも影響を与えるという考え方です。

これらの考え方は、美に関しても同じように捉える事が出来ます。

女性が気にするお顔にまつわる美容の悩みは全て体の一部です。

体が不調であれば、体の一部である顔に対する美容の悩みを抱える事になり、心の不調はもちろん体の一部である顔にまつわる美容の悩みへと発展します。

体と顔は別。
私達は、知らず知らずの内に体と顔を別々に切り離してしまいますが、その原点は同じです。

体(顔)と心はいつも繋がっています。

鍼を行う事で手に入る美容

鍼はツボに鍼を刺すことで五臓六腑(内臓)の働きを高め、各内臓が本領発揮することを促す療法になります。

例えば肺臓は皮膚と関係しているので、肺臓の働きを整えると肌がしっとりし肌艶が良くなります。

胃腸の働きを整えると、肌肉(筋肉)に弾力が出て、肌がふっくらします。

肝臓の働きを整えるとくすみが取れ、肌に透明感が出ます。

これは決して顔だけの美容ではなく、くびれが出来たり、足首が細くなったり、姿勢が良くなり背筋が伸びる等

体に関する美容の変化も現れてきます。

現在の美容に関する価値観

本当の美容というのは、
健康な体や心があるからこそ引き出されるもの。

そして、健康という土台をなくして美容を手に入れることは出来ないということ。

健康ありきの美容であり、健康ありきの美しさ。

そんな当たり前だけど、気付く事の難しい当たり前を、日々元気になられてゆく患者さんを目の当たりにする事で確信しています。

決してピンポイント的な美容を求めなくても、
心と体が整うことで、健康レベルが引き上げられ、年齢関係なく全身からその方の美しさが引き出されると思うのです。

私が自分自身に行う美容

昔はあれが良いこれが良い、化粧水やシャンプー、ありとあらゆる美容にまつわる商品にこだわりを持っていた私ですが美容は、体を内側から整え、健康を築く事が全て。

そう考えるようになってからは、化粧水やパックもほぼ使わず、エステにも通わず、もちろん美容液も使いません。

化粧品も半年に1回買うか買わないかのレベルです。

日々の季節の食べ物と運動、週1回の鍼。
(不調はないですが、鍼を行ってもらうと肌と体の調子が上がるので定期的にしてもらっています)
この3点を美容の為に行っています。

一般的にかかる女性の美容代を全て食事に全振りしています。

現代の女性の方々からするとある意味「女子力はゼロ」かもしれないです。

友人と温泉に行っても、あまりにも何も持っていかないので友人を心配させてしまう程です。

極論、ボディーソープで全身いけるのではないかと本気で思っています。(温泉によってボディーソープしか置いていない時は行いがち)

本当の美しさとは何だろう

本当の美しさとは目に見える外側だけに囚われものではなく、心身の健康を通し内側から溢れ出てくるもの。

顔の造形、年齢、そのそのような外側の世界ではなく、内側からくる世界。

もし外側だけで判断するような人がいれば、
こちら側から願い下げだと言いたい。(いきなり何があった)

外側は、流行やその時の心情でころころと変化し常に揺さぶられるもの。

内側は誰にも覆される事のない、自分だけのもの。

人間らしく喜怒哀楽を感じつつも、引っ張られ過ぎる事のない穏やかな心、痛みに振り回される事のない体、そんな両方が、本当の美しさを引き出す一生ものの美容法だと私は考えています。

年を重ねることは美しいこと。

私には87歳の祖母がいます。
目標は100歳まで生きる事だそう。

今でも健康に気を付け、活発に動き回る祖母をみて思う事があります。

真っ白な髪の毛、目の横に入る深いシワ、右頬に出来たシミ。

日々化粧もせず、飾り気のない祖母を見て美しいと思うんです。

自分以外の人の為にせっせとご飯をつくりお裾分けが好きな祖母、植物を大切に育てている祖母、少女のように笑う祖母、

年齢を重ねる度に柔らかく、おおらかになってゆく祖母。

そんな内面から湧き出る優しさが、外面に溢れ出た時にその方の芯の美しさを写し出すのだなぁ、とつくづく思うのです。

一般的な美の基準とはかけ離れた見た目、年齢ながらも、形を変え、日を追うごとに増してゆく美しさが変わらずいつもそこにあります。


心や体を整え、健やかに生きることは
シミやシワ、それらが霞んでしまうくらいの
強力なパワーをもっています。

むしろ、その方が一生懸命にこれまで生きた証。

若い頃のような派手さはないけれど、奥深い。

そんな美しさを年齢を重ねる度に手に入れたいものです。

最後に

有り難い事に、普段私がいかに美容に健康が大切かを繰り返しお話ししているせいか、最近は美容目的で通って下さる方も増えてきて参りました。

本当に嬉しい限りです。

人生はよくよく考えてみると、
10代20代の若い頃よりも、
中年と言われる30代〜からの自分といる方が長いです。

若い頃は一瞬。
老いを感じながらも年を重ねていく時間の方がとても長い。

だからこそ、年齢に縛られる事なく、
それぞれの年齢で美しい自分でいられることが、自然的な美容であり、本当の美しさなのだと感じています。

そんな一生の美容を手に入れましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?