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【三角関係百合】ひとり見上げる虹の色は(1−5)

 それでも懲りずに、わたしは葉瑠さんのライブに行った。相変わらずわたしは、葉瑠さんの小説のファンだったし、葉瑠さんの演奏が好きだったから。

 葉瑠さんだけじゃなくて、惟さんのライブにも時々顔を出すことにした。なんとなく葉瑠さんがいるんじゃないかと思って行くと、案の定、彼女はそこにいて。

 なんだか悔しいから、葉瑠さんになかなか気づかなかったフリをしたこともあった。ああ、わたしは本当に素直じゃない。

 そして2人のライブに何度か通ううちに、結局わたしは確信を得ることになってしまった。やっぱり葉瑠さんは、惟さんのことが好きなのだ。

 だけど、それでも諦めきれなくて。わたしは葉瑠さんへのアタックを続けた。

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