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【三角関係百合】ひとり見上げる虹の色は(1−3)

 東京の西、都心からは少し離れたとある駅の最寄りに、そのライブバーはあった。

 6月ももうまもなく終わるというその日はじめじめとしていて。もう日も暮れていたけれど、ライブバーへの道のりを歩いているだけでじんわりと汗がにじむ。

 だけどわたしの心はワクワクでいっぱいだった。だってこの日は、待ちに待った葉瑠さんのライブの日だったから。

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