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#001 新卒100社不採用から得た気づき ~思考が未来を創っていく~


はじめに

就職氷河期の1998年、新卒就職活動で100社不採用となりました。
辛い時期でしたが、ある日面接で頂いた言葉に、落雷レベルの衝撃を受け、その際の気づきが自分の生き方の軸のひとつになっています。
会社員25年、当然色々なことがありますが、この軸に支えられて自分らしくポジティブに働き続けています。振り返ってみました。

就職活動体験

理系就職とコンプレックス

私は女子大に新設された理学科修士課程にいました。理系就職希望でしたが、企業の理系採用の多くは学校推薦が前提。推薦があると、面接1~2回で内定が決まったりしますが、ないと門前払いが基本。私のいた新設学科には学校推薦がありませんでした。

とりあえず就職課で資料をみてみると、ほんの数年前バブル期は文系理系も推薦有無も関係なく、多くのOGが魅力的な企業に理系就職もしていた模様。ですがOGの多くが数年であっさり退職済み。OG訪問先も見つかりません。仕方ないので母数が大きそうな理科大の就職課に潜り込んで、活動記録を読み漁りました。

就職氷河期も重なっており、自分の置かれた立場が厳しいことは理解していましたので、企業規模や知名度には拘らずエントリしまくりましたが、そのほとんどが書類選考でNG。相当おちこみました。また、フリーエントリ制度を採用していたいくつかの企業で面接していただけましたが、グループ面接で隣に並ぶ超有名大学の学生さんたちを前に、絶対無理だ!と完全に委縮。あらゆる意味で不採用が当然の状況でしたし、不採用でした。

活動開始から5か月経過

2月に活動を開始し、7月までに100社不採用達成。もはや就職活動でやることもほぼなくなっていたこの時点で、可能性とも呼べない糸がうっすら残っていたのは、応募中最大手のA社とB社の2社のみ。

A社は大人気企業で、当時先駆者的にフリーエントリ枠を活用していましたが、企業側の始動時期が遅かったので、まだNG宣告のステージに至っていなかっただけで、期待する理由は見当たりませんでした。

一方のB社は、学校推薦必須の企業でしたが憧れがありました。ダメ元で内部の知人に「学生向け見学だけでもさせてもらえないでしょうか?」と無理をお願いするう形で、2月に緩くスタート。見学し、ついでにその部門の方と軽くお話させて頂くと、「採用活動のラインにはのせてあげられないけれど、他部署紹介してあげるからそちらも見学してみたら?」という親切の輪が細く緩くつながっていました。結局採用してくれないなら無駄じゃない?と思うこともありましたが、回数を重ねるうちに肩の力が抜け、内部の方とお話する時間そのものを楽しめるようになっていきました。

流れが変わり人生が変わる

そう感じ始めたころ、B社でお会いできる人の肩書が変わっていきました。それまでは担当の方とお話する機会が続いていたのですが、上司の方を紹介してくださり、そしてまたその上司の方を紹介してくださり・・。そうして7回目、ある研究所の所長さんとお話していた際、最後にこうおっしゃいました。

「君は、自分の価値を全然わかっていないね。
理系学生の視点だと、大学研究の延長として、企業の技術開発に携わることだけが道に見えているのだと思う。
でも企業というものは、そんな単純なものではないんだよ。
優秀なエンジニア達がたくさんいて、どんなに素晴らしい技術を生み出しても、それを紡ぎ、形にし、社会に貢献できる形にしていかなければ、企業活動にはならないんだ。これをする人が不可欠なんだよ。
そして君にはたぶんこれが向いていると思う。必要な仕事なんだよ。
だから、なんとしてでもあきらめないで、この会社のどこかに入りなさい。」

多様性の気づき

受験・就職といった「みんなと同じ枠組み内での競争」で結果を出せず、疲弊し、自己肯定感が最低になっていた自分は、本当に雷に打たれたような気持ちになりました。世の中には多様な価値観が存在すること、さらに自分にも自分なりの価値があるかもしれないのだと、気づかせて頂いたのです。あの言葉がなければ、いつ気づけたのだろうと思うと恐ろしいです。

ちなみにその後も面談は続き、計11回の面談を経てB社に内定。転職までの21年間お世話になりました。働いていれば当然凸凹ありますが、都度初心に帰ってよく考え、自分なりを模索することで、その時間を前向きで豊かな経験にすることができています。

思考すること


先日、山口周さんがVoicyで、「努力とは怠惰である」というお話をされていました。お話を私なりにまとめると以下になります。
●努力には2種類ある
・Layer1の努力:目の前のタスクに対して頑張る
・Layer2の努力:どうやって世の中に貢献していくのか、何に価値を感じるのか、考えて熟成させ続けていく(→思考)
●目の前のタスクを頑張ることは美徳とされるけど、それが”思考から目を逸らすという怠惰” が故の選択となっていることもある。更には社会の閉塞感につながるリスクもある。
●一方で思考は、周りから正体が見えないので気味が悪く評価もされないので、勇気がいる
●Layer1の努力はBetter/Fasterに向かうけれど、Layer2の努力はDifferenceに向かう

私は就職活動までの人生で、Layer1の努力しかしたことはありませんでしたし、他の努力があるとも思っていませんでした。そしてうまくいかず、完全に行き詰ってい中、所長の言葉をきっかけに Layer2の努力の存在と、そこに向き合う重要さを理解することができました。つまり最初は思考できておらず、他力だったことになります。本当にラッキーでした。

まとめ ~思考が未来を創っていく~

おそらく多くの既存組織で、「Layer1の努力:みんなと同じ枠組みの中での努力」が評価されやすいのではないかと思います。そして逆に、「Layer2の努力:思考」をしても、他人からは見えないので短期的評価は遠ざかりがちです。

でも中長的に自分を差別化し、競争力を高めていく上では、後者はとてもとても有効。25年の会社員生活や転職経験を通して、そう確信しています。理解されなくてさみしいことはあるけど、自分の人生の舵を自分で握れてることの方がずっと重要だと思っています。

もし、頑張ってるのに生きづらさや閉塞感を感じている方がいらしたら、Layer2の努力へのシフトをお勧めします。

社会人年数的にはまぁまぁベテランですが、思考レベルはまだまだひよっこ。これからも思考し、未来を創っていきたいし、それが社会がBetterに向かくための一助になればいいなと思っています。若干固い文章になってしまいましたが、似たような人がいたらいいなと思って、はじめてのNoteを書いてみました。これからよろしくお願いします。

Yuri Masumi

*引用させて頂いた山口周さんのVoicyリンクを張らせて頂きます。
071 「努力」とは「怠惰」である | 山口周「ウラヤマグチシュウ」/ Voicy - 音声プラットフォーム

*一緒にお仕事してきている方からしたら「もうちょっとなんとかしてよー」かもしれません。ごめんなさいW。

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