おひとりさま事情〜ぶっちゃけ恋バナの夜・中編|まりかのひとり旅 吉原編③

「だって、パートナーがいてもいなくても、おひとりさまなさるでしょ?」
「僕はしますよ、ふつうに」
「私は絶対にしない! 男の人に気持ちよくしてもらいたいの」
「えっ?」

そもそも、マッチングアプリ退会前日に知り合った殿方とおつき合いと思いきや、スカッと空振りを決められて、ぽこっと2日間、夏休みができたまりかを慰める夜だった。
しかし、どうにもまりかの知りたがりがうずうずする。
とりあえず、絶賛婚外恋愛中のタカフミさん(46歳)に、根掘り葉掘り恋愛遍歴を聞いてみたのが、こちら。

バランス感覚に秀でたタカフミさんは、女性経験は多くはないものの、ワーク、ライフ、セックスをつねに満たしながら目の前の課題を解決、ステップアップに成功している殿方である。
課題をひとつクリアするごとに、別のもうひとつも解を得ているなんて、何とすばらしいことなのだろう。
たしかに、恋愛がうまくゆくときは、仕事もうまくゆく気もする。
自分への信頼がアップするから、何ごとにも強気で挑めるように思う。

ビールに始まり、2杯目のワインを飲み干そうというときに、もうひとりの待ち人が現れた。
かの、ゆめみひめこさん、その人である。

先週金曜日にはじめましてだったにも関わらず、この日のまりかを慰める会にも、仕事後に駆けつけてくれた。
ひめちゃん、本当にありがとう♡

ひめちゃんは、離婚から20数年のブランクを経て、絶賛恋活中の乙女。
彼女の大胆かつかわいらしいnoteは、とても魅力的だ。
飄々としているようで、実はスマートで抜け目ないタカフミさんと組み合わせたら、絶対に楽しい! と思い、この日のセッティングとなった。

ひめちゃんのハイボールがきたところで、改めて乾杯。
ひめちゃんは、いつもまりかに「会ってみないと何もわからないわよ」「やっちゃえ、やっちゃえ!」と、厳しくも温かいエールを送ってくれる。

「カラダの相性って、大事よね。うん、こればっかりはやってみないとわからない」

というのだが、まりかはやはり、人が使った歯ブラシは生理的に受けつけないように、殿方を別の女性とシェアするのはどうしても気が進まない。
50歳、バツ2ながらも「ココロ開かずして、アシ開かず」なのだ。

と、そこそこお好みな細マッチョさんに誘われて、いったんはその気になったものの、ひと晩寝たら、初心に還っていた。

この殿方、カラダの相性がぴったり来ないと、つき合えないんだって。
いろいろな考え方があるものだ。
まりかは、物理的なことはたしかにあるし、好みもわかってきたけれども、一緒に研究して探求することなくしては満たされない、と思っている。
どうしたら愛する人をもっと気持ちよくすることができるか。
どうしたら愛する人にもっと気持ちよくしてもらえることができるか。
シェアできる関係がほしい。

ほかにも、女でない=日照りが長い=しばらくやってないだろうから、自分が女として満足させてやるから一度だけお願いですと、自信たっぷりに言ってきた殿方もいたっけ。

ああ、思い出しただけでも気持ち悪い。

そんなわけで、まりかが排卵日前後にパジャマに触れた乳首が疼いたり、どうしようもなく殿方の肌が恋しくなっても、ココロとアタマがうんと言わない殿方といたしたくない。
必然的に、ひとりでいたすことになる。
これはいまに始まったことではなく、若いころも、結婚している期間も、パートナーがいるときも、大切な時間だ。
自分でしか愛でられないところもあるし、次は彼にこうしてもらおうと思うところもある。
要は、自分を満たすためなのだけれども、おひとりさまのその先を考えるのも楽しいのだ。
ちなみに、いまの相棒は、このコ。

アプリ仲間のミドリちゃんも、例によっておひとりさま研究にも熱心だし、ハナちゃんに至っては、独身時代にジョフーデビューまで果たしている。

そんなまりかなので、だれもがおひとりさまタイムを持つのかと思っていたら、ひめちゃんはどうしても殿方になさってほしいらしい。

ひめちゃんは、処女を捧げた殿方と結婚しようと心に決めていたそうだが、諸事情あって叶わず。
お見合い10ン人を経て、経験9人目となる元ダンナさまとの相性、聞きそびれちゃったけど、どうだったのかな 。
20年もの間、殿方を封印していたとき、ひめちゃんはムラムラすることはなかったのだろうか。

ひめちゃん、4月からの恋活で、久しぶりになさったけれども、痛みも違和感もまったくなかったんだって。
ピピピときたらお持ち帰られて、その後を考える判断材料にしているらしい。

何人もいる「彼」のことを語るひめちゃんのお肌はつやつやして、大きな瞳は聞いている方までうれしくなるほど光があふれている。
自由奔放なだけでなく、ひめちゃんはきっと、肌を重ねる殿方をこれでもかというくらい深い愛で包み込んでいるに違いない。
そしてひめちゃんは、自分にも素直で、惜しみなく愛情を注げる人だと思っている。

2軒目のお店に入って、終電まで最後の1杯も飲み干しそうだ。
そういえば、「ふつうにしますよ」と話すタカフミさんの「ふつう」も、次はもっと掘り下げて聞かなくちゃ。
おひとりさま事情の調査、今後の宿題である。
さくらまりか、半年間のマッチングアプリの感傷に浸っている暇はないのである。

サポートしてくださった軍資金は、マッチングアプリ仲間の取材費、恋活のための遠征費、および恋活の武装費に使わせていただきます。 50歳、バツ2のまりかの恋、応援どうぞよろしくお願いいたします。