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【渡航前編】ドイツ大学に正規生として入学するまで【海外留学】

0.前置き

プロフィールにもある通り、日本でようやくパンデミックが落ち着いてきた2021年12月にドイツでの生活をスタートさせました。
今はドイツのハイデルベルグという町で生活し、2022年10月よりBachelor(学士)の過程を始めようかというところです。
ドイツではすでに平均気温13度前後、ハイデルベルグでは晴れ間が続いているものの、肌寒さに震えながらこの記事を書いております。
予定よりも早くドイツ語レベルが既定値に到達したため、やることを持て余し、皆さんに私の経験でも語っていこうかというのが動機になります。
本来であればすぐにでも英語やラテン語の学習を再開しなければならないものの、怠惰さがまさり、せめてもの抵抗として日本語の作文を始めようという、なんとも褒められたものではない思惑もあったりしますが、とにかく、私の書いていく記事がこれから留学を考えている方々、特にワーホリを想定している若者に届けばと思っております。

1.ドイツへの留学を決めた理由

まず、私がドイツへの留学を決めた経緯についてお話できればと思います。
私がドイツへの渡航を決意したのはとても急で、渡航予定日の2ヶ月くらい前に母に相談し、留学会社の選定を始めたと記憶しています。本来であれば半年ほど前から慎重に検討するのがいいらしく、担当の方には急ピッチで対応していただきました。

とはいえ、ドイツ留学自体は日本の大学在学中から強く意識していました。
留学自体も今回が初めてというわけではなく、中学時代にイギリスのサマーコースへ、大学時代に大学のサマープログラムを利用してイギリス(1回生時)とドイツ(3回生時)へ計3回の短期語学留学を経験しています。

3回生の時点で、ゆくゆくはドイツへ長期留学をしようということを軽く念頭に置いており、短期留学もそのための視察のつもりでした。
日本の大学では西洋哲学を専攻し、クラシック音楽にも興味があり…、あまりにもテンプレートではありますが、まずドイツという国を選んだのはそういった理由からです。
短期留学のときは大学付属の語学学校に通い、学生寮で生活していたので、実際にドイツ人との関わりがあったり、ドイツ文化にふれる機会があったかといえば、それはとても少なかったです。私の先生はイタリア系で、普段はイタリアで生活しているというし、授業の中でも特にドイツ文化について触れることは残念ながらありませんでした。(まだドイツ語でドイツ文化に触れられるレベルではなかったということもあります。)
ただ、友達と連れ立ってドイツ各地へ観光したり、プログラム終了後も一人でオーストリアを訪れたり、観光客としては最大限堪能できたと思います。

そういったこともあり、「ドイツでの生活が具体的に想定できた」というのが決定打でした。

蛇足ですが、ドイツに来る外国人として、「数ある選択肢の中からドイツを選ぶ」ことができるのがいかに特別なことであるか(良かれ悪しかれ)、思い知らされました。
御存知の通り、ドイツはヨーロッパの中で最大の難民受け入れ国です。結果的にドイツに来る人々はそういった背景を抱えている人が大半で、彼らには選択肢などありません。ドイツでの生活を不満に思っていたりする人ももちろんいます。私がどんなにドイツという国・文化に魅力を感じていても、そんな一面は彼らにとって些細なことなのです。そして、それが大小様々な軋轢を生んでいることは確かです。
また、そのためにヨーロッパ的な生活だけを求めてドイツに来ると、期待とのギャップに驚かれるかもしれません。ただ、国際関係や移民問題について興味があるのであれば、ドイツはモデルケースに多く遭遇できる最適な国だと思います。
後の記事で詳しくドイツを選んでよかったこと・悪かったことなどをまとめられればと思います。

2.ワーキングホリデービザの取得まで

私は留学会社の人に薦められて、なんとなーくワーホリビザを取得して、ドイツに滞在しています。
ただ、留学後にもっと多くの選択肢があったことを知りましたので、それについても触れつつ、ワーホリビザの準備について私が行ったことをまとめようと思います。

ワーホリビザの取得(ざっくり)

留学を決めてからすぐに、私はまずパスポートの申請をしに行きました。
当時は半分テレワークで働いていたので、平日の決まった時間しか空いていないパスポートセンターに行く時間は比較的簡単に作れました。
パスポートがないと当たり前ですがビザの申請はできませんので期限などには注意が必要です。コロナ禍でもちろんパスポートセンターはガラガラで、スムーズに手続きを終えることができました。窓口の方もそのせいでストレスフリーなのか、優しかった記憶があります。

特に遅延などなくパスポートを受け取った後に、ワーホリビザの申請です。
東京のドイツ大使館に行き、残高証明などいろいろな書類を用意して、審査を待つというドキドキの期間が始まるのですが、実はその前の「日程の予約をとる」ことが一番大変というか、困難でした。日程はなぜかみっちり詰まっていて(パンデミックなのに!!)滑り込みでぎりぎり渡航にビザ受け取りが間に合う予約が取れましたが、本当に焦りました。
蓋を開けてみれば、ビザは予定よりずっと早く届いたので、ほっと胸をなでおろしたのですが、皆さんお気をつけて。

他のビザの候補について

まず、日本のパスポートを持っていれば、ドイツ含むシェンケン協定国内にはビザなしで90日間の滞在ができます。なので、ビザを取る必要があるのはそれ以上の滞在がしたい人です。

候補1.ワーホリ(Working Holiday Visum)
メリット:日本にいるうちに取得できる
     働ける
     フレキシブル
デメリット:一生に一度だけ、延長できない
      30歳まで

候補2.学生ビザ、語学学生ビザ(Aufenthaltserlaubnis zum Zweck von Studium/Sprachlernen)
メリット:延長可能
     学生という肩書(学割がおおい)
デメリット:初めの1年間は働けない(語学学生ビザ)
      現地で取得しなければならない
      学校に通わなくてはならない(VHSでも可)

候補3.オペアビザ(Au-Pair)
メリット:語学学校に行きながらお小遣いももらえる
     文化交流ができる
     ビザはホストファミリーが取ってくれる
デメリット:子供の面倒を見る
      選択肢が狭い
      ドイツ語(A1の資格)ができない場合は英語力が必要
      26歳まで

他にも就労ビザ、パートナービザなど長期滞在向けのビザはありますが、今回はドイツ語学習を目指す若者向けのビザを紹介しています。

この中であまり日本人に馴染みがないのがオペアビザでしょうか。
私もドイツに来るまで全く知りませんでした。
メキシコ人のクラスメイトが一人オペアで滞在していたのと、先生も一人、イギリスにオペアで行ったことがあると言っていたので、西エリアの人たちの間では有名なのかもしれません。
感覚としては、高校卒業後、大学行く前に外国で生活して視野を広げたいとか、自分探しとかそんな感じだと思います。
制度は、ホストファミリーの家で子供の世話少しの家事をする、代わりに3食、お小遣い、語学学校費用の一部、(たまに渡航費の一部)を得る、というものです。
授業後はすぐに帰らないといけないとか、自由はあまりないっぽいですが、子供と一緒に言語をおぼられたり、生活の心配をしなくて良かったり、私がもっと早く知っていれば日本でふらふら浪人なんかせずに有意義な時間を過ごせてたろうになあ、とすこし後悔しました。
もし、今年大学に入学できなかったら、オペアとして足掻く覚悟もあった程です。
ただ単に文化交流がしたいだけで、特に目標も無ければ、ワーホリよりお手軽な選択肢だと思います。

3.語学学校の決め手

上の方に2ヶ月前に留学会社の選定を始めた~と書きましたが、実際に私が一番にしたのは、語学学校選びでした。それから行きたい語学学校を手配してくれる会社を選んだという流れになります。
とはいっても、日本語で調べて出てくるドイツ語の語学学校の情報はほとんど留学会社のサイトに乗っていたり、結局は両方向から進めていったといえます。
すでに語学学校に行った経験のある私が重視したのは以下の点です。

・大きすぎる街にないこと
・その地域で標準ドイツ語が話されていること
・学校に日本人が少ないこと
・語学学校の様子が事前にわかること
・部屋の手配をしてくれること
・大学進学に向けたコースがあること

ミュンヘンやベルリンなどの大都市は、ワーホリとしては求人も多く便利なのかもしれませんが、私は東京近郊で育ったので、特に魅力的には感じませんでした。どちらかといえば治安のほうが気になり、小さめの街を中心に探していました。また、ドイツには方言がすごくたくさんあって、お互いに意思疎通ができないほどなので、日常生活を送るのであれば、学校で教わる標準ドイツ語(Hoch Deutsch)が話されているエリアであるのもマストでした。さらに、一番重要なのが、日本人が少ないこと。留学仲間の日本人というのは時に力強い仲間となってくれるのですが、同時に障害にもなります。母に提示されていた期限内に大学進学へとこぎつけるため、毎日ドイツ語だけでコミュニケーションを取りたかった私は、小さいながら歴史のあるハイデルベルグや、日本人のたくさん住むデュッセルドルフ、ケルンなど日本人に人気な街を避けました。
また、文明の利器、インスタグラムなども活用して学校の情報を収集しました。コロナ禍でどの学校でもオンライン授業が続く中、直近の投稿はとても少なかったりしたのですが、日本でいう予備校のようなところよりも、アットホームな雰囲気のある学校が良かったので、先生が写っていたり、生徒のインタビューが載っていたりというところを重視しました。
最終目標が大学進学レベルのドイツ語(C1)だったので、具体的に大学資格向けの対策をしてくれる学校が理想でした。というのも、語学学校に通う理由はとても様々で、就職向け、大学向け、更には市民権獲得のため、など、それによって必要なレベルだけでなく、必要な語彙も変わってくるのです。
結果として使う教科書や目指す試験なども異なり、回り道を恐れていた私は大学進学コースのある学校を優先しました。

最終的に私が選んだのが、ミュンスターという人口30万人程度の街にある語学学校でした。入学してからその学校が地域で一番授業料の高いところだと気づいたのですが、アクティビティも多く、サポートもしっかりしていて、良い選択だったと思っています。

4.滞在先について

滞在先の候補として挙がるのが、ホームステイやWG、一人部屋でしょうか。それぞれメリット・デメリットありますが、私が選んだのは、ホームステイのお世話なしというプランでした。
とにかく勉強を優先したかったのと、プライベートを区切りたいタイプなので、2食付きのホームステイはNG。一人部屋は理想でしたが、貯金と相談してNG。中間のお世話なしホームステイを選びました。食事代がかかったり、色々と身の回りのことを自分でやらなくてはいけないのですが、結果的にそれは良い選択でした。スーパーに行くことで、食品の相場がわかったり、野菜の名前をしれたり、日本にない美味しいものを発見できたり(チーズとか)。大学進学と同時に自活に慣れなくてはいけないのは、私には厳しかったと思います。

5.保険について反省したこと

ワーホリビザ取得の前に決めなくてはならない保険ですが、私は担当者に勧められたオーソドックスなものを選びました。長期滞在は初めてだったので、何があってもいいように追加で荷物保険、10ヶ月の滞在で10万円程度だったと思います。ただ、少し反省点があって、ワーホリは最長12ヶ月分の滞在許可が出るのですが、私は大学進学に合わせて12月頭から翌年10月頭までの10ヶ月間のみとしてしまったのです。保険料がかかるからというのがこの決断の理由なのですが、実際にドイツに来て仕事を始めると(月451€以上)、ドイツの法定保険への加入が必須となり、合わせて旅行保険の解約もできました。きちんと12ヶ月分申請していれば各種手続きも余裕ができたし、今も空白期間なんかではなく仕事ができていたはずなので、下手うったなあとほほ‥という気持ちです。

6.まとめ

渡航前、日本にいる間に決めたこと、その反省点は以上になります。
何事も突然決めるのではなく、計画的に時間をかけて検討するのが常に一番いいですが、私みたいに思い立ったが吉日タイプでもドイツではなんとかやって行けております。もし私がそのまま例えば個人主義の国アメリカに留学していたら、こうはならなかったと思います。
助けが必要な人には必ず手が差し伸べられ、それがここドイツでは市民の権利なのです。
皆さんには私の留学記録をお届けするとともに、ドイツの魅力についても、つたえていけたらなと思っています。

それではまた。
Yuri

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