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≪わたしごと38≫現在を共に生きる過去

時の流れの考え方は、文化によって異なる部分があるらしい。死生観にも係わるものなのだろう。西洋は過去・現在・未来が直線的で、ヒンドゥーは円を描くと言われる。マオリの人は、過去をliving presentの一部に考えるらしい。

過去は思い出の中と、それを思い起こされるものの中にある。だとしたら、living presentの中にある過去というのは、現在を共に生きる過去で、それが今に影響を及ぼし続けているという事だろう。

日本の文化財は、伝世品が多いのが特徴的らしい。伝世品とは代々大事にされ継承されてきた品物の事で、同じ古い物でも、発掘される出土品とは対になっている。それはなにか系譜を辿って、こころが過去に馳せられる経路のようなもので、大事にされてきた時間自体が、そのものの価値に紐づいているように思う。

" 日本人って何か" という答えがありそうで無いような問いの答えはおそらく、変容しつつも現在を共に生きている過去の中に、ひっそりとあるような気がしている。

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