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LINEオープンチャット×コミュニティマーケティングの相性がとても良かった

こんにちは、化粧品会社でEC担当をしているユリです。

コミュニティマーケティング的なものを、や、やりたいんだな、とか思って、少し前に一度スモールテストをしたんですけど。

そのプラットフォームとして、LINEオープンチャットを使用したら、なんかすこぶる手軽で使い勝手が良く、お客さんにも非常に喜んでもらえたので、ちょっとシェアします。

1ヶ月間のスモールテスト

そもそも、コミュニティマーケティングでスモールテストってどういうことやねんという感じだと思うのですが、要は短期限定でやってみたということです。

弊社にはとあるパッケージ商品があり、約1ヶ月だけ集中してストイックに頑張って、綺麗になろうね!という、化粧品のキット+コンサルティング(情報商材?)みたいなものを、たまに期間限定で販売するんですね。

コンサルティングはキット購入者のみに送るステップメールやZoomライブで行うのですが、キットに含まれる商品の使い方だけでなく、より効果を高めるための食事法やエクササイズなど、「1ヶ月のケア期間」の過ごし方をまるっとレクチャーします。

こういうストイックな商品を購入くださる方というのは、基本的にお客様の中でもコアな層。ずっと昔から使ってくれていたり、いわゆる「ファン」の方が多いんですね。

で、以前この商品を買ってくれたお客様にアンケートを取ったところ、「一人でこのストイックなプログラムを続けるのは孤独だから、他の参加者の方と繋がりたい」といったお声が複数あったんです。

私もお客様のUXをもっと特別なものにしたいし、コミュニティマーケティング的なものもやってみたかったし、上長もぜひやって欲しいとのことだったので、ちょっと1ヶ月限定でやってみましょうよと。

そこで、初期費用があまりかからず、お客様が導入するうえでも負担にならないプラットフォームを探したところ、LINEオープンチャットが最適なようだったので、このLINEオープンチャット上で参加者様同士の交流をはかってみることにしました。

事前の懸念

ノリノリで滑り出したかのように上述してしまいましたが、実際は不安と懸念もかなり大きく、実は結構ザワザワしていました。

というのも、私は過去に別の会社で、ファッション系のキュレーションメディアのアンバサダーマーケティングをしたときに、アンバサダーの一人の方がクレーマーと化してしまった経験があるのです。

20代〜30代の、ファッション好きな女性たちをアンバサダーとして数十人募り、ミートアップをしたりコンテンツ作りに協力してもらったり、インスタで発信してもらったりしていたのですが、
とあるアンバサダーの方が、「私にだけ扱いが雑な気がする」と、最初のクレーム。

我々としてはそのように対応している自覚は全くなかったのですが、彼女にそのように感じさせてしまったということは、何か至らぬ点があったのだと思います。

メディアの運営責任者が彼女に丁重に謝罪したものの、なぜか彼女の怒りがどんどん大きくなり、こちらの返信が遅いと「返事が遅くて誠意を感じない」と怒り、早いと「こんなに早く返信するなんて、適当にあしらっている」と怒り、もうどうすれば良いのかチーム全員お手上げという感じでした。

最終的には「親戚に弁護士がいるから覚悟しろ」という脅しめいた発言もあり、運営責任者はちょっとノイローゼになりそうになってしまったりして、あぁ、コミュニティ運営というのはこういうリスクがあるのだなと学びました。
そして、コミュニティ運営する側として、参加者の方を平等に扱わないというのは絶対にやってはいけないことなのだとも。

なので、今回短期的でもコミュニティを運営するうえでは、できるだけ参加者の方々と平等に関係を築くよう気をつけようと意識しました。

コミュニティって言ってしまえば人間関係そのものなので、人間関係のトラブルが起こりやすいのは必然です。
参加者同士のいざこざはもちろん、運営者と参加者のパワーバランスが崩れたりなどを防ぐためには、運営前にルール等を明文化しておいて、できるだけトラブルの芽を摘んでおくことが大切だと思います。

LINEオープンチャットを選んだ理由

いくつかプラットフォームを検討しましたが、LINEオープンチャットが最適だと判断した理由は以下です。

・無料である
・お客様が新たなアプリなどを入れる必要がない
・導入が非常に簡単である
・期間限定でクローズすることができる

無料であることなどは弊社側の都合ですが、二番目の「お客様が新たなアプリなどを入れる必要がない」という点は、UXの観点でとても重要だと感じました。
よく分からないアプリやツールに登録したり、インストールしたりするのは腰が重いもの。
普段から毎日使っているLINEに、一つチャットルームが追加されるだけで参加できる(そしていつでも退会できる)というのは、お客様にとってもメリットが大きいものだと思います。

運営リソース

コミュニティ運営の課題の一つがリソースだと思います。
でかい組織のマネジメントをすることになるので、トラブルが起こらないよう(もしくは起こったら対処できるよう)気を使うし、盛り上がるようにサポートする必要があります。

今回の1ヶ月限定運営では、担当者は私と広報の合計2人。
私は事前のリサーチや導入、お客様への説明や、ルールの作成などを担当。
広報の方には、LINE上で参加者の方たちが発言しやすいようにチャットを盛り上げたりなどを担当してもらいました。

初めてだったのでどれだけリソースを取られるか未知だったのですが、やってみたらお客様同士で会話をして盛り上がったくれたりなど、思ったよりはリソースを割く必要がなかったなぁというのが正直なところです。

ただ、これはやはり期間限定だからというのが大きいと思います。
コミュニティをずっと運営していくとなると自ずとトラブルが起きる可能性も高まるし、かつ担当者の異動や離職などがコミュニティ存続における大きなリスクとなります。

一時的ではなく、恒久的にコミュニティを運営する場合は、1人のスタッフに依存しないよう、できるだけ複数担当者を置いておいた方がいいと思います。

トラブル回避のためのルール作り

ぶっちゃけトラブルがめっちゃ怖かったので、事前のルール作りは結構慎重に行いました。
例えば、「深夜23時以降〜早朝8時前の投稿はお控えください」とか、「他の参加者の方への誹謗中傷などが認められた場合は退会していただく場合があります」とか、「質問や相談がある場合は、チャットではなくZoomライブの場でお願いします」とか。

基本的には参加者同士の交流の場ですよ、と強調することは、弊社担当者のリソースを確保するうえでも重要だったかなと思います。無限に質問きちゃうとただのカスタマーサポートになっちゃいますからね。

お客様の反応

オープンチャットへの参加は任意でしたが、商品購入者の半分以上が参加してくださりました。

そして、めっちゃ盛り上がった。
「最近はこんな食事にしてるんだけど調子いいですよ!」とか、「今日は◯◯を試してみました!」とか、「こういう悩みあるんですけどみなさんどうしてます?」とか、まさに我々が想定していた理想的な会話内容。

さらに、「ちなみにみなさんの一番好きな商品って何ですか〜?」みたいな、弊社ブランドへの愛を語り合う場面もあったりとかで、ちょっと感動しちゃいました。

1ヶ月が終わる頃には、「寂しいです〜!また次回一緒に頑張りましょう!」というお声に包まれて、平和に幕を閉じました。

その後のアンケートでも、「LINEオープンチャットがとても楽しく、ブランド運営者(弊社)と関われたことが夢のような体験だった」「次回もぜひ参加したい」などのお声を多くいただき、結果としては大成功だったかなと思います。

コミュニティ運営をするうえで大切だと思うこと

1ヶ月やってみただけなので、まだまだ見えていない部分は多いかとは思いますが、コミュニティ運営をしてみていくつか発見がありました。

運営者と参加者は一定の距離感を保つべき

今回のコミュニティは、好きなブランドという共通項を軸に、ユーザー同士が繋がり楽しむ、結果として忘れられないUXを提供するということが目的でした。

そのためには、我々運営者が至極丁寧に介入し、全てのお客様と頻繁にコミュニケーションを取るというよりは、お客様同士が健全に楽しめるよう、少し離れたところからアシストする感じがいい気がしました。

感覚としては、アレですね。女友達に男を紹介して3人で飲んでるときに、自分がトイレに行きたくなったら、初対面の二人が盛り上がれる話題を振ってから席を立つ…みたいな。ん?

えっと、要は、参加者の方々がある程度自走できるような状況を作るべきだと思うのです。参加者の方々が気軽に発言するためにも、運営者のリソースを確保するためにも、参加者と運営者のパワーバランスを保つためにも。

水をあげ過ぎても花は枯れるのです。運営者はある程度黒子に徹して、問題が起こったらすぐに対処する、くらいの距離感がちょうどいいのかなと思いますね。とはいえ、まだまだ手探りです。

悩み解決系商材や、偏愛度が高い商材でこそ機能する

こういったコミュニティって、参加する方ももちろん労力がかかるわけで、参加するに値するインセンティブが無ければ参加しないわけじゃないですか、当たり前ですけど。

で、こういうコミュニティが提供できるインセンティブというのは、大きく分けて二つだと思っています。
一つは有益な情報を得られること、もう一つは新たな人間関係を構築できること、です。

そしてどちらも、商材にどれだけの思い入れがあるかというのが基点になると思うのです。

例えば、本気でダイエットをしたい人や、ビジネスを頑張りたい人たちなどは、結構デスパレートな状況の人も多かったりするわけで。

そういう人たちは情報交換できる場があれば本気で有益な情報を取りに行くし、シェアすると思うので、運営側がそこまで介入しなくても勝手に盛り上がります。

そういうわけで、「いい香りをたのしもーう♪」「おいしいもの食べよーう♪」みたいなライトなテーマ(商材)よりも、ガチの悩みを解決するような商材の方が、コミュニティの熱量は保ちやすいのでは、という。

後者の「新たな人間関係を構築する」という点に関しては、その商材やブランドに対しての偏愛度が肝になると思います。 

やっぱ、何か相当大好きなものに対してじゃないと、話題ってすぐ尽きてしまうと思うし、そもそも「それを好きな人同士で交流したい」とか「これを作っている中の人と繋がりたい」みたいな欲求が生まれないですよね。

今更私が言うことでもないですが、コミュニティマーケティングというのは、生活消費財などの低関与商材ではなく、偏愛度が高い商材でなければエネルギーを保つのが難しいと思うのです。


以上、長くなりましたが、LINEオープンチャットで短期的にコミュニティ運営をしてみた体験談でした。

長期運営となるとまた全然話が変わってくるのでしょうが、一旦短期でスモールテストしてみよう!という方に何か参考になることがあれば幸いです。

それではさようなら

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