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想像する強さ。

欲求の具体性がないので、ないまま進んでもいいのでは、という話を以前した。

それもいい。とてもいいと思う。けれど、やっぱり具体性があった方がモチベーションに繋がる。具体的であればあるほど。自分がどこにいるかわかる。


と、思ったのが、去年の2月ごろにみた「ショーシャンクの空に」だった。時に希望に殺され、時に希望に生かされ。最後に自由に羽ばたく。とても長かったけれど、とても静かで、見やすかった。その頃私の所属している劇団はツアー公演中で、私はずっと、本当にずっと、怒られていた。何をやってもダメ。今思えば何をやっても、が、何もやっていなかったのだろうけれど、とにかくあの時の私は文字通り詰んでいた。何を言われているのかわからなかったし、何をすればいいのかもわからなかった。真っ暗だった。価値観を変えることが出来なく、何のために頑張っているかもわからなかった。もちろんそんな状態なのでモチベーションは下がり、よりうまく取り組むことが出来なかった。

目標や、見えているものがあれば、とりあえず闇雲に行動しても何か見えてくるのかもしれないけれど、目標や見えているものが見えないのであれば前に進んでいるか後ろに進んでいるのか、それとも左右なのかもわからないなと思った。

成功した時。成功、という言い方が良いのかわからないけれど、昔INDEPENDENT:17 trialに挑戦し、1位通過したことがある。INDEPENDENTは、一人芝居のフェス。手練れな作演出家、役者さんの高クオリティの一人芝居が観れるお祭りみたいな公演。そのフロントアクト枠を狙うコンテストがtrial。一応、若手と呼ばれる世代が出場しお客様投票で2組が選ばれる。(一応、と書いたのは、若手じゃない人もたまにでるからです…)

私は2017年に挑戦し、14組中最終的に1位通過をさせてもらった。本当に嬉しかった。あの時、私は何故この一人芝居に挑戦するか、を、とにかく考えて考えて考えて、結果の答えが出て、その答えを報いるために頑張れた。私は昔宝塚を受験しているのだが、もちろん落ちて今現在がある。私は受験に落ちた過去の私に対して、今の素晴らしさを伝えたかった。受験に落ちたけれど、一人芝居に挑戦して、芝居をしていくんだよと教えたかった。その過去を励ますために頑張れた。これは今では恩師だと思っている、当時私の一人芝居を見てくれた作演出家の方何故trialに挑戦するかを私に問い詰めた結果だった。言葉で言い表わせないほど、今でも感謝している。

私のアイデンティティだなと思って舞台に携わっているけれど、やっぱりそれだけじゃなくて希望を持っていないと、どうしたい、どうありたいの旗が明確じゃないと、方法が見つからない。ショーシャンクの空にを見た時にINDEPENDENTの時のことを思い出した。愛してる、頑張る、だけじゃダメで、何のために、何故、取り組むのかが必要だ。

今日実は一緒に住んでいる子にタロット占いをしてもらったら「WORLD」というカードが出た。「あなたが何をしたいか、どうなりたいか、具体的に想像できたら吉」といわれた。言われた瞬間泣いてしまった。悩んでいるばかりで、焦るばかりで、どうなりたいかが何も想像出来ていない自分がそこにいた。

世の中、このご時世だけじゃなくても、27年生きていて中指立てたいことばかりだ。でも、結局どうしたいかを具体的に想像してそれに向かうしか、生きる術がない。私は今時点の夢と希望は、この世の中を生きて生き残って、作品を作って、「面白かった」「豊かになった」と言われたい。それはやはり、過去を報いるためだ。本当の自分になって、私も、あなたも、豊かでありたい。そばにいたい。だから、まず書く練習をしていく。本を読む。舞台をいっぱい見る。役者をして、話を聞く。もうこれは今世界発信しておかないとすぐ逃げてしまうので書いておく。面白かった、豊かになった、の具体性はまだまだ問い詰めないといけないけれど。時にはこの世の中にしっかり流されながら、しっかり今の状態を受け止め傷つきながら、希望に向かいたい。要らないプライドは要らない。



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