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今井雄紀のnote

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2018年9月の記事一覧

相談したくなる人

32歳になり、社会人を10年やり、年下の人から「相談」を受けることが増えてきた。 転職について悩んでいる人、独立するか考えている人、スキルの伸ばし方がわからない人、人間関係に悩む人、恋する人。少し前までは「自分なんかがアドバイスをしてもなあ。もっと適任がいるのになあ」なんて思って遠慮しているところもあった。 しかしあるとき、「その人たちが悩んで知り合いを見渡したときに、『快く相談にのってくれそうな気安さ×一緒に考えてくれそうな頼りがい』の最大値がお前だったってことなんじゃ

「どうせオシャレ映画でしょ」なんて思ってごめんなさい。

『きみの鳥はうたえる』という映画が、すこぶるおもしろかったので紹介したい。 あらすじは、公式サイトからコピペするとこうだ。 函館郊外の書店で働く「僕」(柄本佑)は、失業中の静雄(染谷将太)と小さなアパートで共同生活を送っていた。ある日、「僕」は同じ書店で働く佐知子(石橋静河)とふとしたきっかけで関係をもつ。彼女は店長の島田(萩原聖人)とも抜き差しならない関係にあるようだが、その日から、毎晩のようにアパートへ遊びに来るようになる。こうして、「僕」、佐知子、静雄の気ままな

総合病院の待合室より。

病院の待合室。強い苛立ちとともにこのnoteを書いている。 昨夜、自転車に乗っているとき、歩道の端にある花壇の鉄の「囲い」に右足が接触。瞬間激痛が走ったあと、しばるタイプのサンダルの先端、親指のあたりからカラフルな靴下が赤く染まりはじめた。続いた痛みはそれほど強くなく、ぼとぼとと流れる血がなんだか面白くて、少しウケてすらいた。 帰宅して靴下を取ると、親指の爪がグラグラしていた。我ながらちょっとひいた。よく見ると半分剥がれていて、押すとぶにゅっと、プチシュークリームを押した

知らない人とつながら「ない」から、居やすい

雨が続いた土曜日の午後。洗濯かごからあふれ、洗濯機からもイソギンチャクのように飛び出している洗濯ものをふたまわしする。もはやただの天気予報機になっているAlexaに天候を尋ねると、今日も雨。明日から京都・滋賀に出かける予定があり、コインランドリーに行く決意をした。 家を出て左に行っても右に行っても、30秒も経たないうちにコインランドリーにあたる我が家だけれど、IKEAの大袋いっぱいに湿って重くなった洗濯物を詰め込み、自転車に乗って、気になっていた場所までやってきた。 1年

おとなこそ、真剣に遊ばないと。

むかし、 #同時日記 という遊びを、ここnote上でやった。検索してみたら出てきたので、下記リンクに飛んでもらうとわかりやすいかもしれない。 今やスタバ級の知名度とユーザー数を誇るnoteがまだブルーボトルぐらいだったころ、バトンズの古賀史健さんと、かもめブックス/鷗来堂代表の柳下恭平さんと3人で、飲んだ勢いで、まったく同じ日に同じテーマでnoteを書くということを試したのだ。 最初3人で決めたテーマはたしか #コロナ だったと思う。ちょうどそのときBARで飲んでた、ビー

化粧箱、化粧塩

原稿が進まない。 もうずいぶんお待たせしてしまっている原稿があり、今日もその遅延のお詫びから1日がはじまった。いよいよ今日中に仕上げないと、ほんのちょっとだけ残っているはず(そうであってほしい)の信頼がすっからかんになってしまう。 前にもそんなことを書いたが、進行がダメなときほど、机のまわりを掃除したくなる。今日もやってしまった。このアルバムを聴きながら軽快にそうじをした。 さらに今日は思い切って、いつも本棚から取っていた辞書を机の上に常備するというレイアウト変更もして

言葉をあつかう人の古本市 #ツドイ文庫 を開催しました

昨晩は、第2回ツドイ文庫でした。 「言葉をあつかう人の古本市」と銘打ってはじめたこのイベントですが、漫画家、デザイナーなど、直接何かを書いたりしてない方にも出店してもらっています。今回は、エロデューサーという肩書きで活躍する佐伯ポインティくんにも出てもらいました。 今回の出店者と、各人の出店テーマは下記の通りです。それぞれ、リンクをはったURLの先で動向を追っていただけますので、気になる人がいた方は、是非フォローを! 小野美由紀(作家) 「好きすぎて引っ越すたびに買っち

ただしい「二次会」への向かいかた

先日、その日はじめて打ち合わせをしたKさんと「どうでしょう。このまま飲みに行くってのは」という流れになり、ラム肉を食べに行った。電話で席をとり「下町バル ながおか屋 神保町店」に入る。気軽でおいしいので、最近は迷ったらここだ。 しばらくしてうちの副社長の松田と、かねてから「あの人は、ちょっと別格だと思う」とぼくにKさんのすごさを聞かせてくれていた友人Mも合流。20時から3時間、オフラインでしかできない話を中心にたのしい時間を過ごす。お会計。 雑居ビルを出て「楽しかったです

「さっくさく」になりました

会社のサイトをリニューアルしました。 ずっと、創業時にぼくが自分でつくったサイトで過ごしていたのですが、1年が経ち、載せる情報も増えてきたので、「そろそろ、ね」と着手したのが3ヶ月ほど前。 とにかく軽くて見やすい、「さっくさく」なサイトをというオファーに、前田定則さん&ソネコウタロウさん(cheeese.)のデザインチームが完璧に答えてくださり、STOMACHACHEさんがイラストで花を添えてくださいました。 個人的には、社会人最初の数年間、Webディレクター時代に学ん

こまめにチャージしたい「自己肯定感」の話

「どうしてそんなに自己肯定感が強いんですか?」 つい先日こう言われて、考えこんでしまった。確かに昔から高い高いと言われてきたし、もう少し抽象的な言葉で「本当に自分のことが好きだね」とも言われてきた。自覚もしている。でも、その理由を深く考えたことはない。 ひたすら褒められて育ってきたから? いや、そんなことはない。運動はからっきしだったし、勉強もぜんぜんだめ。クラスの中心にもいなかったし、異性から黄色い声援を浴びたこともない。これは当てはまらなさそうだ。 成功体験がたくさ

有楽町の街角

有楽町に出かけた。 古巣の人たちと飲むため。そしてお世話になってるカメラマンさんが一日店長をするバーを覗くため。 社会人1年目〜4年目までを過ごした街なので、勝手知ったるものである。おいしいラーメン屋もいくつか知っているし、転職知ってから教えてもらったバーもある。同期もまだ何人か働いている。 23時頃駅前に行くと、台風の名残を受けた涼しい風にまかせて、道で飲んでる人多数。縁石に腰かけたり、ファミマの前に積まれた段ボールをテーブル代わりにして集まって缶チューハイを開けたり

「ただいられる」才能

夕方、編集者でライターのもてスリムが突然弊社のオフィスにやってきた。 「いらっしゃい。どうしたの?」とぼくが聴くと、「レッドブルをもらいに来ました」ともてスリム。 うちのオフィスには、引っ越し祝いにもらったレッドブルのノンシュガー200ml缶が24本ある。それを1本もらいに来たのだという。こうして彼がうちにやってくるのは、一度や二度ではない。たぶん、累計で6本以上は飲んでると思う。弊社のレッドブルの1/4は、彼の眠気覚ましに使われたことになる。 冷えたものがなかったので

「君が誰かは大事だが、誰が君を紹介したかはもっと大事だ。」

月曜日の朝。ずっと、ゆっくり話してみたいな、でもなかなか会う機会を作れないな。いや、おれがサボってるだけか。そろそろお声掛けしよう。などと思っていた人から「編集して欲しいものがあるのですが!」と連絡をもらい、「ぜひ!」と返事をして、ほくほくしながら家を出た。 夜、今度はそのうち提案を持っていこうと思っていた別の人と別件でメッセのやりとりをすることとなり、この勢いだと思って「5分お待ちを!」と言ったのちにテキストで連載企画を提案。無事「いいですね!」と言ってもらって、次回詳細

ふつうはふつうでふつうにいい

9月1日になってしまったが、まだ間に合うのだろうか。 #8月31日の夜に というハッシュタグ企画のことだ。 「悩める10代」に向けた記事を募集するというこの企画。いろんな人が、自分の10代のころのエピソードをベースに「かつての自分」に向けた記事を書いていて、どれも興味深く読んだ。 人気の記事を上から読んでいくと、書いた人自身が10代のときに、いかに「はみ出していたか」「浮いていたか」「絶望していたか」というものが多かった。そりゃろうだろう。才能とは「ちがい」であり、「ち