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相談したくなる人

32歳になり、社会人を10年やり、年下の人から「相談」を受けることが増えてきた。

転職について悩んでいる人、独立するか考えている人、スキルの伸ばし方がわからない人、人間関係に悩む人、恋する人。少し前までは「自分なんかがアドバイスをしてもなあ。もっと適任がいるのになあ」なんて思って遠慮しているところもあった。

しかしあるとき、「その人たちが悩んで知り合いを見渡したときに、『快く相談にのってくれそうな気安さ×一緒に考えてくれそうな頼りがい』の最大値がお前だったってことなんじゃないの? 歳とったんだから、覚悟を決めなよ」(意訳)と言うようなことを言われて腑に落ち、それ以来、親身かつ率直に話をするようにしている。

相談は、ちゃんとのるとためになる。技術について相談を受ければ、自分がどうやって(まだまだまだまだなんですけど)スキルを上げてきたのか改めて考えることができるし、独立の相談にのれば、自分の考えをおさらいしたり、基本に立ち返ったりできる。「情けは人のためならず」を実感する。

一方で、ちょっと危ないところもある。どうしても、気持ちよくなってしまうのだ。そりゃそうだ。自分より経験の少ない、ともすれば弱った人が、自分を頼ってきてくれて、自分の経験とか考えとかを話すだけで感謝されて、「やっぱすごいっすね」みたいなことを言われたりするのだから。こんなに確実にとれるマウントもそうないだろう。

そんな落とし穴に気を払いつつも、もっともっと「快く相談にのってくれそうな気安さ×一緒に考えてくれそうな頼りがい」の数値が高い人間になりたいなと思う。

ぼくがいま相談を持ちかける先輩は、そんなかっこいい人ばっかりだから。