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怒って社会運動する前に

このニュースを見て思ったんですが、

怒っていいんだ!っていうのは自分ひとりで怒るのは勿論自由ですが、相手のこと考えてる?っていうのがありまして、考えたことを書いていきます。

まず、なんでもいいから怒って文句を言ってよいというのはただのクレーマーです。例えば、地球温暖化問題について危機意識を持つのは大切だと思いますが、一企業に「温暖化を促進するおまえの業務を停止しろ」というのは悪質なタイプのクレームです。考えてみると、クレームや抗議行動、意見表明については次の要件を揃えていないといけないと思うんですね。

(ここではいわゆる「問題提議」については触れません。問題提議自体は大切で、問題提議する時に以下に述べる要件を満たそうとすると何も言い出せなくなります。ただし、問題提議しかできない状態で企業などに突撃してもただの営業妨害です。問題提議は以下をそろえる前段階とするのが良い気がします。)

相手に要求する場合の7要素

まともな提案や要求をするのであれば、以下の7要件をそろえて提案する必要があると思います。これは相手が個人だろうが企業だろうが政府だろうが同じと思います。難しいって言う人もいるかもしれません。でも、相手に要求するのに自分が楽をするという姿勢こそおかしいですね。相手も人間、または中身が人間です。

A.理想
B.現実
C.理想と現実の乖離が正しくない理由
D.建設的な改善案(せめてアイデア)
E.A、B、C、Dが論理的に正しく関連付けられていること
F.要求を向ける先が妥当であること
G.A~Fに嘘が含まれないこと

これがあって初めてまともな要求といえるのではないでしょうか。逆に言えば、これを満たすことができない要求はそもそも不当です。意外と忘れられがちなのが「C.理想と現実の乖離が正しくない理由」が抜けている要求です。AとBだけ出したら要求終了と思っている人が多いですが、Aの状態に至るべき正当な理由がなければ、ただの好き嫌いに基づいた要求に過ぎません。

Eは自分で記載するというよりは、形式的に第三者に見てもらうか、AIによる判定(まだ確立していない技術です)が必要なものです。今の時代ではなかなか難しいですが、要件としては大切なので入れています。

Gの真実性についても大切です。悪質な人は、要求のために平気で嘘をつき、人の足を引っ張ります。コロナ初期のアベノマスクなんて馬鹿にされていましたが、中には一線を越えてアベノマスクにカビが生えていたなんて報告をしていた人がいました。アベノマスクは木綿製、つまり主成分はセルロースであり、大変にカビにくい物質です。短期間でカビるためにはカビの生育に必要なたんぱく質や糖質やミネラルが外部的に供給され、かつ一定時間の多湿状態に置かれる必要があります。アベノマスクは伊藤忠など大手の工場が手がけていましたが、これらの工場に対する深刻な名誉毀損と営業妨害であり、コロナ禍のゴタゴタがなければ刑事告訴されてもおかしくないものでした。

よって、クレームや要求を入れるときには、個人情報を伝える必要こそありませんが、嘘をついていないことは絶対条件にすべきだと僕は考えています。まあ、製品クレーム程度でここまでの宣誓が必要かどうかは意見が分かれるでしょうし、実際面倒ですが・・・でも、不当なクレームや要求を受ける企業はそれくらいはやって欲しいと思っているのではないでしょうか。

また、政府や企業に正式に要求を申し入れる場合は、やはりなんらかの形で真実性と本人確認できる制度は将来的に必要だと思います。つまり、一旦疑義が発生すれば、クレームを入れた人間の住所氏名を警察が入手できるよう、公証役場のような機関が情報を保管しておくのが筋です。別に変な話ではないと思います。面倒ではありますが。

例を挙げていきましょう。

地球温暖化に関する要求

例えば、地球温暖化問題についてCOP26に要求書を提出するならこんな書式でいいのでは無いでしょうか。僕が考える限りそれほどまちがってはいない記載です。

要求書

人に物事を要求するなら、製品クレームだろうがなんだろうがA~Gまで揃えるべきです。たまにクレーム電話でさんざん「B.現実(に対する不満)」だけ怒鳴りあげて、結局何が理想なのか最後まで仰らないお客さん(取引先)もいました。

今思うと、恐らくは「A.理想」ではなく、謝罪の気持ち、つまり物品か金品の要求だったのだろうと思います。空気読めなくてすみませんね。金品を要求すると恐喝になるから匂わしていたんですね。こういう人も意外と多いので、「A.理想」をはっきり提示してもらう必要があります。

では次は駄目な奴を。

温泉娘に対する要求

温泉娘という萌えキャラが温泉の観光案内として、呼び水として話題だったみたいなんですが、妙なクレームでゴタゴタしています。

この手の要求で最も多いと感じるのが、要求だけして対策は相手まかせ、あるいは自分以外の多くの人の生活を脅かすような理想を振り回した身勝手な解決策を提示するタイプです。

温泉娘にクレームを入れた人たちがまさにそれです。温泉に来て欲しい、そのための広告塔として、正当な手法でイラストレーターさんにデザインしてもらったキャラクターにクレームを入れた人たちは、どんな正当な理由も示していませんでした。あろうことか、嘘までついてキャラクターを貶め、温泉地での観光誘致を徹底的に邪魔しました。よって、温泉娘排斥運動ではAとBだけが示され、後は記載が無いか不当です。

また、惜しいやつはこれです。

PCR検査拡充の要求

マスコミでよく主張している、「PCR検査の拡充」です。もちろん、必要な検査はどんどんやればいいのですが、一般人が「未感染証明」として使いたいのであれば、以下の条件では不十分です。

よって、厚生労働省には却下されるでしょう。以下の条件をつければ認めてはもらえるかもしれませんが、きっと一般市民の欲しい「すぐとれる未感染証明」ではないでしょう。

このように、要求をきっちりと書式化する事で、足りてないもの、不可能なものも見えてきます。こういうのが普及してくれたら、良いクレームは通りやすく、悪いクレームは無視できるようになると思うんですがどうでしょうか。

改善案等ありましたらコメントにどうぞ。

それではまた。


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