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今後、同様の感染症を抑えるには何が必要か

今後、新型コロナウイルスと同様の強力なウイルスが発生した場合には、どのような対策が有効か、仮説とともに考察します。

高い感染性と進化能力を持ったウイルスを押さえ込むには

ウイルスの多様性を減らすことが重要です。
前提
・人間社会はウイルスにとって社会基盤であるという認識を持つ
・人間ほど密集し、かつ世界中を移動する動物はいない
・ウイルス遺伝子の多様性は人間文化の多様性と似ている
・多様であるほど有用で革新的な変異が起こりやすい
・目に見えない「プチ変異」も集団が大きければ脅威となる
対策
・ウイルス同士の文化交流(遺伝子交換)、発展を阻害する
・世界中で同時に、ウイルスの文化弾圧(多様性の削減)を行う

コロナウイルス感染シミュレーション_対策1

シミュレーションから考えられる具体的な対策

具体的な対策として考えられるのは
・人間同士を小さい集団に分け、ウイルスにとっての世界を小さくする
  → 有用な変異を持ったウイルスの活躍の場を奪う
  → 隠れた才能(プチ変異)同士が出会わないように弾圧する
・人間集団のサイズは、ウイルスの「変異しやすさの逆数」を基準にする
  → 集団がある程度小さければ、複数のプチ変異が同時発生しにくい
  → 変異率が人間一人当たり1/1000なら、集団サイズを2000以下に抑えればよい
・十分な性能を持つワクチンを、世界中で同時多発的に接種する
  → 貧困層を仲間はずれにすれば、そこが新たな変異の温床になる
  → 貧困層を仲間はずれにすれば、そこがウイルスを保持する集団になる
  → 貧困層を仲間はずれにすれば、そこが野生動物からの感染元になる

コロナウイルス感染シミュレーション_対策2

ウイルス変異の期待値を減らす

きわめて当たり前の話ですが、ウイルスの変異と変異ウイルス流行をもっとも効果的に抑えるのは、集団サイズの縮小です。

コロナウイルス感染シミュレーション集団サイズと変異率

変異ウイルスが発生しても、集団サイズが小さければ蔓延前に潰すことも可能です。なぜなら、一定以下の集団サイズではそもそもウイルスの維持が難しいからです。

コロナウイルス感染シミュレーション_集団定着1

コロナウイルス感染シミュレーション_集団定着2

なんらかの形で、経済を維持しつつロックダウンを行う体制を確立する必要があります。ロックダウンは、「変異ウイルスの社会定着」と「ウイルスの維持」両方を抑えることができます。

弾圧は(ウイルス)社会の脆弱性をもたらす

かつてソ連が行った文化弾圧、中国の文化大革命、カンボジアのクメール・ルージュは、国力と人材の多様性を致命的に損ないました。多少変に見える人材でも、何処で役に立つかわかりません。イギリスが第二次世界大戦でドイツの暗号「エニグマ」を解読するために召集した変人たちの集まりは、やがて現代のコンピュータの基礎を築きました。

逆に言えば、多様性を許さず、多種多様な文化交流を阻害することができれば社会を徹底的に貶めることができるのです。ウイルスに関していえば、「他地域の感染者の接触を減らす」「ウイルスの交換が行われるクラスターを小さく保つ」「クラスターはなるべく潰して、新たな文化の芽を根絶やしにする」「一人の人間に多様なウイルスが存在しないよう、既感染者同士も隔離する」ことで進化速度を減らすことができると考えます。

インドではウイルスの多様性はきわめて多様、感染者同士がよりあつまってウイルスの交換をしています。恐らく、医療後進国ではどこでも似たようなものでしょう。

ワクチン接種は、可能な限り急いで、全世界的な需要を満たす量を用意する必要があります。先進国は、自国の安全だけを考え、高みの見物をするべきではありません。倫理的な問題だけでなく、「実際問題として、感染症の長期蔓延は人類の危機」と考えなくてはいけません。

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