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サプライズを素直に喜ばない父 😢

「親父ときたら、もう80歳過ぎているんで、何かと終活しまくってるのです。昨日も、購入した墓地の場所を一緒に確認しに行って来ましたよ。僕としては、最近ひ孫も生まれたばかりだし、急がなくてもいいんじゃない?って話してるのだけれど、年寄りはせっかちだね~」

10年以上前に、お父さんから乾物屋と日本茶のお店を引き継いだ50代後半のSさん。お店はサラリーマンを嫌った父親が創業しており、現在、2代目のSさんも堅実に経営しています。

そのSさんから、父親の誕生日のプレゼントに家系図作成を依頼されました。

「うちなんか、たいした家系じゃないから、立派な家系図はいらないんだけど、叔父さんたちは破天荒な人生を送っているひとたちが多いから、この際親父にサプライズでプレゼントしようと思っているので、よろしくお願いします。」

自分の家系に興味あるひとは、家族にひとり、いや一族にひとりいれば十分だと思っている。そのひとが、その家系を子孫に伝えていく役目なのだ。

Sさんも特別家系に興味あるかたではなかったが、父親が必死に終活している様子を見て、家系図作成を思い立ったに違いない。

後日、Sさんに納品して家系解説も終えた。そして、父親の誕生日の夜、そっと手渡ししても、何の反応も無かったらしい😢なあんだ~とガッカリしてその日はふて寝してしまったそうだ。

翌日、仕事を終えて帰宅したら、母親に呼ばれた。

「お父さんが、今朝からずっと家系図を見てて、部屋から出てこない。よっぽど嬉しかったんだね~この家系図高額だったろうなあって😊ニコニコしながら、私に話してくれたよ♡」

Sさんも嬉しそうに、私にこんな風に話してくれました。

どこの家庭でも昭和一桁生まれのお父さんは頑固で素直に喜びを表現できないのです。が、大丈夫。想いはしっかり息子さんに伝わっています。


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