ユンミ(yunmi)

1999年 東京生まれ 小説やエッセイ、詩、日常のつぶやきなどいろんなことを書いてい…

ユンミ(yunmi)

1999年 東京生まれ 小説やエッセイ、詩、日常のつぶやきなどいろんなことを書いています。 気になったらよっていってください。

最近の記事

もし、私が私だったら。

「もし、私が私だったら。」 ふと、女の子は呟いた。 僕は「なぜそんなことを言うの?」 と聞いてみた。 場所は東京の新宿、歌舞伎町。時刻は既に深夜一時を超えていた。 胸元にキスマーク、右の二の腕から手の先までの龍に鮮やかなチグリジアの花、全身に彫られていたそのtattooは妙に美しく感じた。 年齢は十九、二十歳と言ったところか。 彼女は泣いていた。 何故かその子が気になってしょうがない。 「ねぇ、どうしたの?」 気がついたらそう声をかけていた。 彼女はうつ

    • 結婚するってなんだろう。

      「結婚」1度はみんな夢を見ることだと思う。 僕にも恋人がいて、その人とはこれからも勿論、一生共にしたいと深く思う。 最近、就職することをきっかけにそんなことを寝る前に天井を見上げ考えることが多くなった。 結婚結婚って今と何が違うんだろう。 こんなことを言うと、「覚悟」「死ぬまで一緒に」なんて言葉が頭に浮かぶ。 すごく不思議。 なぜなら、それは僕にとって「恋人」になることが既に「一生一緒にいる覚悟」だということだから。 よく聞くのは結婚することは、嫌いなところも愛

      • 恋人とは

        人と付き合うってなんだろう。 そんな話題が、ドライブ中に友達との会話で上がった。 緊急事態宣言の中、僕達は人に接触するのを避けて会おうということで、ただ車でグルグルと都内を回っていた。 もう時刻は5時をすぎ、外は完全に真っ暗になった頃、長い長いトンネルを渡り、ふと「恋人の存在ってなんだろう。」という会話が年頃のせいか流れたのだった。 Aは顔がいいが恋人を作らない。僕とBは歳上の彼女がいる。 Aが僕に「今の彼女はどうなの?結婚したいと思う?」と唐突に聞いてきたのが、事

        • デバイスのその先に

          恋をしたの。 5月に君と出会った。 その時君は薄いデバイスの向こう側で顔も性格も知らなかった。 僕は終わった感情を埋める為に、暇つぶしと称していろんなことをした。 その時、始めたのがこれだった。 寂しさを埋めるのに最適なツール。 その人との繋がりは声とメッセージ。 ある種匿名性が守られている空間の中で、僕の名前があの人から消えないように毎日顔をだした。 なんでか分からないけど、凄く暖かくて居心地が良かったんだ。 いつからか、あの子を求めて薄いデバイスに夢中に

        もし、私が私だったら。

          クロック

          午前1時 君は大きな声で泣いて、その時一生懸命にボクの手を握った。花瓶が割れる音が聴こえた。 午前2時 君はラッパのように笑い、これまたラッパのように大きな声で泣く 午前3時 君は泣きやみ少し背伸びして、大きな足音をたてた。 午前4時 君はまだ少し眠そうだけど、クラウチングスタートで一直線に走って行く。 午前6時 君は壁にぶつかっておでこを腫らした。ここからが大勝負。 午前8時 君から春の暖かくて柔らかい匂いがした。嬉しそうに照れくさそうに笑った。 午前