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めくるめく活字世界

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本があれば生きていける、と思えるほどに好きだと言える。そんな私の書評や、本を巡るあれこれ。
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#本

千年越しの物語を追いかけたドキュメンタリー

 祇園祭と聞けば、誰もが京都の伝統的なお祭りだと想像するだろう。でも、実際に見たことのあ…

スーダン人が教えてくれた日本語の豊かさ

 このようなノンフィクションは大抵、読む前から、苦難を乗り越えた感動ものとして捉えてしま…

読書に欠かせぬ本の友、栞。しかも無料で収集した品々。

秋といえば読書。実は年中読書だが、読書の秋コンテストをやっているので、素直にお勧め本を紹…

午前一時が愛おしくなる本

ゴールデンウィークとは名ばかりで、全然輝いていない。昨年に引き続き、緊急事態宣言発令中の…

最大の武器は銃でも爆弾でもない、本だ。

 レイ・ブラッドベリの『華氏四五一度』は、本が禁じられた近未来が描かれたディストピア小説…

今こそ読みたい、闘いの魂

 これは、1944年にアメリカのブレトンウッズで開催された世界的な会議について綴られた記録で…

老若男女すべての「文学少女」へ捧ぐ

「本はこの世に存在しなければならない」  これは本書の登場人物の一人が発した言葉だ。そしてきっと、いや確実に、この本を手に取った愛書家は、皆自分の言葉であると確信するに違いない。  この物語の舞台は、読長町。名称からして血が騒ぐこの町は、本の町だ。あらゆる書店、大型書店、古書店、専門店が軒を連ねるのみならず、この町には、長い年月、時代を経て蒐集された本が所蔵されている御倉館と呼ばれる家がある。この館には御倉家の一族が代々本を守って……と、ここまで書いてしまったが、事前の説明

今必要な、希望を知るために

 この本は昨年(2020年)読み、その圧倒的なエネルギーに背中を押されるかたちでnoteに感想を…