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MD展開 -アウディの場合-

メルセデスベンツに続き、今回は、ドイツ車のアウディのMD(グッズ)展開をのぞいてみました。
アウディも、メルセデスベンツに続く人気のドイツ車ですね。流れるウィンカーの先駆けで、個人的にもカッコイイというイメージです。

展開/販路

アウディも、ドイツ本国アイテムと、日本のローカルアイテムを販売しておりMDのことを、コレクションと呼んでいます。

日本での販路としては、自社ECサイトと、ディーラーでの販売です。

①ディーラー
まず最初に、アウディに限らず、外車のディーラーは直営ではなく、フランチャイズがほとんどだと思います。直営ではないので、なかなか統一するのが難しい面もあり、MDはその影響を受けやすいと私は考えています。なのでメーカーという括りではなく、各ディーラーによって力の入れようや、ラインナップなども違ってくると思います。

今回行ったディーラーは、壁掛け什器とショーケースのに展示販売されていました。メルセデスベンツが持つコンセプトショップだと、かなりの多くの種類、アイテムを展示販売できますが、ディーラーだと全てのラインナップを店舗に置くのはなかなか厳しいです。よって、いかに売れるものを読んで、過不足なく揃えるかがポイントになると思います。

今回、ショーケースには、残念ながら指紋のような汚れと、埃が被っていました。中のディスプレイは、造花など小道具を使いとてもお洒落に飾ってあるだけに残念でした。
個人的にいつも不思議なんですが、ディーラーは車は毎日ピッカピカにするのに、どうしてすぐ隣にあるショーケースは綺麗にできないんですかね。
以前書いたように、車を販売するディーラーにおいて、MDの利益率は車に比べて小さいので力が入りにくいのは、分からなくもないです。でもないがしろにするようでは、MDをやっている意味がありません

オンラインストア
オフィシャルECサイトをみてすごいなと思ったのは、一部のトップ商品画像が、GIFになっていることでした。
トップ画像が簡単に動くので、バッグだったらチャックが開いて中が見えたり、360°ぐるりと回ったり、直感的にどんな商品で、どんな機能があるのかわかるのが素敵だと思いました。

他方、商品ページに入ると、各商品の写真が少ないです。1アイテムにつき、1〜3枚がほとんどです。バッグなどは、外側の見た目はもちろん、中にどんなポケットがあるのか、裏地は何色か、など気になる点は多いです。なのに外側の写真のみなのは残念でした。

写真を多く載せるメリットは、消費者にどんな商品なのか伝わりやすいことです。百聞は一見に如かずで、商品説明でダラダラと書くより、見せた方が一発で伝わります。
それが問合せの件数を減らすことにもなります。分からないことが多ければ、質問したくなるのは当然で、いちいち個別対応することになります。写真で伝えられれば、販売側の手間も減らせます。
なので私は、同じ手間とお金を、問合せなどのアフターケアにかけるよりは、画像の充実に力を入れる方が良いと思います。

写真が少ないのであれば、商品説明(キャプション)で記載してほしいところですが、アウディはほとんどがキャプションも短く、箇条書きのような必要最低限の情報しか書かれてません。
要はその商品のストーリーが分からないのです。
特にコラボレーションアイテムなんかは、コラボ相手がどんなブランドで、なんでコラボして、どういう商品を作ったのか記載するのは重要だと思います。そういった情報を知れば買いたくなるかもしれないし、買ってくれるかもしれないのに、残念なところかなと思いました。

写真の枚数が少ないことに加え、ローカルアイテムに画質が悪いものが目につきます。本国アイテムは、おそらく画像も本国が用意してくれるので、商品の画像だけでなく、使用例や、モデルが着用した画像など、使用のイメージがつくようになっています。
ですが、ローカルアイテムは、元の画像からアイテムだけ切り抜いただけのような、シワや、汚れ、影を消す処理をしていません。慣れてくると、写真だけでローカルアイテムだなと分かるようになります。

ラインナップ

本国とローカルの見分け方は、数字品番が本国アルファベット品番がローカルのようです。ローカル品番はJPと入っていますので、これが日本企画のアイテムであることを示しているのだと思われます。
アウディの場合、アパレルはほとんど本国。小物や雑貨になるほど、ローカルアイテムの割合が増えてきます。

これはどこの輸入車メーカーもそうですが、本国から輸入する際に、面倒なアイテムがいくつかあります。
例えば食器類は口に直接接触するため、食品衛生法の対象です。なので、日本の規制に違反していないことを検査して証明したり、記載の義務があったりと、手間と費用がかかります。
そういった類のものは、ローカル開発した方が楽なので、食器などはローカルが多いです。
なので、アウディのグラスや食器類も全て日本企画なのだと推測します。

また、輸入車メーカーは、ローカル品の特権を活かして、例えば今治タオルや切子ガラスなど、日本の特産品や、伝統技術を用いた商品を企画することも多いです。ヘタに本国品を入れるより、日本で作った方が品質がはるかに良いものもあります。

アイテム数は多すぎず、少なすぎず、です。
多すぎて混乱することともないですし、少なすぎて、なんだこれだけ?ということもありません。
悪くはないですが、でも逆に言うと、レディス、ペット用品となると選ぶほどありません。MDからアウディを広めるのではなく、あくまでアウディの車が好きな人に用意した品揃えだと思います。(ドイツ本国ではもっと豊富です。)
ブランドを広めて車両の販売にもつなげるなら、これからは使えるデザインと、品質も良いものを増やし、ファンを作っていくことが必要だと思います。

コレクション展開

もう一つ特徴的だったのが、(本国企画ですが)コレクション展開していることです。
ここでいうコレクションの意味は、販売している商品をテーマで集めた"特集"とは違い、最初から同じコンセプトの元、企画製造されたシリーズです。

ビジネスシーンで使えるアイテムのコレクション、昔のレトロなロゴ/エンブレムで作るHeritageコレクションなどがありました。

私はこれはいいやり方だえと思っています。
デザインを変えるだけのサイクルでは、どうしてもマンネリ化してきて、売り上げが鈍ってきます。
そこにこういったコレクションシリーズを展開すると、同じアイテムでも特別感を感じたり、使えるシーンが別途浮かんで、購入に至ることが増えると思います。

特にHeritageシリーズは、昔からのファンの心をくすぐったり、今は使われていないロゴを用いることで、希少性を出すこともできるので、売上は期待できるのではないでしょうか。


まとめ
・素敵な商品があり、綺麗に展示できるのに、一部、写真やショーケースなど細部に気を配れていない部分があるのが残念な部分。
・既にいるアウディオーナーのためのラインナップ。これからはファンを作る取り組みがあっても良いのではないだろうか。
・コレクション展開は、他のメーカーにもあまりなく話題が作れ、売上にも貢献できるのではないだろうか。


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