見出し画像

自動車業界のグッズ展開

グッズ=マーチャンダイズは、各業界、会社ごとに部門があります。
スポーツチーム、芸能人、キャラクター、自動車メーカー、テーマパーク...。
今回から、業界ごとにMD(マーチャンダイズ)について考察しようと思います。

個人的には、車とスポーツチームのMDが好きで、今回は自動車業界から書きたいと思います。

自動車業界のMD

まず、前提として、自動車メーカーは車を売るのが本業です。その他、アフターセールスとして、部品交換などのパーツビジネスもあります。
自動車アクセサリー、例えば、キャリアーやフロアマットなどもあります。

アクセサリーとMDの違いは、簡単に言えば、車に装着するかどうか、です。
シートカバーとなればアクセサリー、でもティッシュカバーなどはMDです。
なので、各社、アクセサリー部門とMD部門は分かれているか、アクセサリー担当がまとめてやっていることが多いかと思います。

ラインナップ

自動車業界のMDでは、ミニカー、キーリングは必須アイテムです。
ミニカーはそのまま本業の商品のミニチュア版。キーリングは、車のキーをつけてもらうためのものとして、本業との親和性があります。
その他は、アパレル類、ライフスタイル関係(マグカップや文具)、装飾小物までメーカーによって多種多様です。

自動車業界のMDは、消費者が、自動車を持っていない=オーナーでなくても、ファンであることだけでも売上を上げられます。

例えば、ミニカーは、コレクターが収集するので、その展開の可能性は大きいです。

また自動車の英才教育とでも言いましょうか、子供達にも売れるものがあります。オーナーである、親御さんに買ってもらったミニカーやぬいぐるみで遊んでいて、傍らでは親が本物の車に乗っている。そんな環境でそだった子供はその車に愛着を持ち、将来同じメーカーで車を買ってくれるかもしれません。
最近は子供用電動乗り物なんかもあり、小さな頃から少しずつメーカーに対するロイヤリティーを大きくすることもできるのだと思います。
ここにもMDが一役買っているのです。

展開について

今回、世界の主要自動車メーカーを一通り調べ直して感じたのは、
外車より、日本車メーカーの方が国内では展開しているかと思いきや、MDにおいては、日本メーカーと外車メーカーで差はあまり見られませんでした。

力を入れているメーカーは、とても充実したラインナップを揃えていますし、MD部門がないところもあります。MDを展開する、しないは、各社の意向があるので、そこにどうの言うつもりはありません。

販路としては、
①車のショールームに展示&販売
②オフシャルオンラインストアで販売
③MD単独の路面店で販売

に分けられると思います。
半分ほどのメーカーは、webに掲載していてもショールームでしか買えないようになっています。これを機にショールームに足を運んでもらい、車の販売に繋げたいのかもしれませんが、近くにショールームがなかったり、ネットで気軽に購入できないのは、機会損失だと思います。

残りの半分はオフィシャルストアとしてネットで買い物ができます。ただ、現状、オフィシャルグッズのカタログページ、またはオンラインショップページがあるにも関わらず、企業HPから見つけ出せない企業が多かったです。見つけられても、隅っこに小さく表示されていて見つけにくいのは、残念でした。

MD単独の路面店を持っているメーカーは数える程です。
路面店が持てるということは、グッズだけでも収益が上げられる段階だと思うので、成功例だと思います。

私は、少なくとも1つの事業として、MDを展開しているのであれば、その可能性を認識し、ビジネスとして事業を大きくすることを考えた方がいいと思います。
まして世界的に、電気自動車の流れになってきていて、様々な業界のメーカーが参入しライバルは増えてきています。
なのに、MDは車の販売にもつながるのに、力を入れているメーカーが少なすぎると感じました。

でも、自動車業界においてMDの扱いが小さくなってしまう理由もわかります。
車1台、軽自動車でも100万円前後、外車では数百万円するものもあります。
そんな単価の高いものに比べたら、高いMDでも腕時計など、数万〜十数万円くらいです。小物類でしたら数千円のものはたくさんあります。
車に比べたら、種類も多いし利益が小さいので、なかなか力を入れにくいとは思います。

でもバカにはできないのです。
長い目で考えて欲しいです。MDを売ることが車の販売ににもつながります

MDというグッズを使い、自動車を買う、乗る以外の場面で、ブランドの名をお客様やファンの生活の中に取り入れることもできます。

ここが自動車業界のMDが他の業界よりもメリットがあると思うポイントです。
スポーツチームやキャラクターグッズなどですと、本業からつながるファンというくくりでしか訴求しにくいですが、自動車は本業(自動車販売)以外の層もターゲットに展開できるのです。
例えば、車は欲しいんだけれど、今は資金的に難しい人、家族が乗っていてなんとなく興味がある、といった人にもいきなり車は難しくても、MDから入ってもらうことができます。
車という比較的大きな買い物であるからこそ、でもあります。

また、自動車のオーナーさんに、車を買ってもらって終わりではないですし、壊れたから部品を交換する、という機械的なことで終わりではないと思います。

オーナーの意図に関わらず、身近に自社のロゴのが入ったものが増えれば、オーナーの愛着もわいてきます。そしてまた、買い替えの時には、同じメーカーの車に買い替えてくれる可能性が増え、また車が売れるという好循環になります。

自動車業界のMDは、まだまだ大きな可能性を秘めているので、各社の取り組みにこれから期待したいです。


今日のまとめ
・日本車、外車共、MDに力を入れているメーカーは少なく、まだ整っていない。
・自動車業界のMDは、本業のターゲット以外にも広く販売することができる。
・MDを広く展開、売上を増やすことは、長い目で見て車(本業)の販売につながる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?