混雑と行列とジャッジ2023/8/17
この夏は母の家やクリニックなどで、テレビが延々様々な混雑と行列の映像を流すのを見た。
昨今異様な人気を集める富士登山、帰省渋滞、Uターンラッシュと重なった新幹線の運休。
映像を見ながらここにいなくてよかったと思うのと同時に、こうなることがわかっていてなぜとか、日程をずらせないのは会社が悪いのか本人の望みなのかとか。ついには日本中で人々が同じ行動を取りたがるのは馬鹿だと思うに至り、人々を馬鹿にする視線でジャッジする自分はひろゆきやホリエモンと同じになっているんじゃないかと気付いてゾッとした。ひろゆきやホリエモンの目には、烏合の衆がこのクソ暑い中、馬鹿みたいに行列を作り右往左往しているように見えるだろう。日程を変えるなど、避ける手段がいくらでもあるのに考えもしないで自ら苦難に飛び込んでいるように見えるかもしれない。私には見える。だから日本人は馬鹿だって言うの!
《ひろゆきとホリエモンの皮を被るのは露悪的すぎる。自分のなかのひろゆきが許せないのだが、そうだとしても、そんなに自分を痛め付けなくてもいいような気がする。》
本当にムカつくのは、朝と夕方の各局のテレビ番組が各地の混雑と台風のことしかやらないことだ。
政府が軍事費を増やしたことや、この物価高騰の一因がそれだということ、軍事費増額を正当化するために台湾が有事であるかのように危機感をあおる発言を与党の重鎮が台湾に行ってしたこと、についてやってほしいのに、テレビは当たり障りなく、誰も責任を追及されず、とにかく間が持つコンテンツしか扱わない。はーまた怒ってる。
深夜まで続いたのだという新幹線の混雑と駅に座り込む人々の映像を見て何と思っていいかわからず、なかには子どもや赤ちゃんを連れた人もいてかわいそうだったと、自らも当事者であるはずの人がインタビューに答えるのを見てやさしいなと思う。私には全部無理だ。
辛くなり、新聞を読んだら、『新幹線の運転休止は予測不可能なことなので、体調に自信がない人は状況を見て場合によっては考え直してほしい』と専門家(何の?)がコメントしていて、少しほっとした。私は体調に自信がない人として混雑と行列を避けてこれからも生きていこうと思った。
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