病院と浄水蛇口と銭湯2023/11/17
トラウマ台所蛇口のつづき。
2023/11/18
授業が終わり、5分後に学校を出ることに成功した。
これで何とか午前の診療時間に間に合う。
出席簿の入力は授業中にやった。
すべての病院が遠い。引っ越しすぎだとは思わない。
西宮北口に着いて商業施設につながる連絡橋を渡る。寒い。風が冷たい。上も横も吹きさらしで、毎年いつもこの場所で冬を実感してきた気がする。
2ヶ月ごとの定期検診で、いつもの薬と、貧血の数値が出ているからと、そのための薬が出された。
薬のせいで貧血になり、貧血を治すために新しい薬を飲むのか。
理不尽だな。
と思ったのは診察室を出た後で、貧血が薬のせいなのか体質的な問題なのかについては、質問するのを忘れた。
診察室に入ると自由に疑問や知りたいことが浮かばなくなる。
医師の権威の前に無意識にひれ伏してしまうのかもしれない。
相手が言っていることはわかる(気がする)から、その説明の枠に自分も当てはまりに行こうとする。物わかりのいい患者だ。
肝心の、本当に聞きたかったことを聞いたら馬鹿にされるのではないかと思うふしがある。
恥ずかしいのかもしれない。わかっていないことがバレるのが。見栄を張っているだけかも。
相手に共感しすぎる性格もある。
🏥
だから本当はどの病院の診察室にも、たとえ眼科や歯医者であったとしても、誰か…家族や友達に付き添ってほしい。そして私の代わりに思ったことをバンバン質問してほしいのだ。
患者の私は当事者すぎる。言われることを受け止めて咀嚼するのに必死で、そうしているうちに短い診察時間は終わってしまう。
家族や友達の診察室に呼ばれたら、私はいつでも付いていくよ!
🚰
セリアで浄水蛇口を買った。
昨晩、蛇口に取り付けるタイプの浄水機の画像を検索しまくったから、だいたいのことがわかるようになった。
ネットには、『たまに取り付けられないタイプの蛇口もあります』と書いてあって不安になったが、家の蛇口の先端にある『キャップ』らしきものに輪ゴムを巻いてゆるませ、時計回りに回して外す、という難関に成功していたので、少し楽観的になることができた。
📚️
それから少し迷ってジュンク堂書店に行った。
漫画を3冊買って、すごくお腹が減っているし疲れたことを実感して電車に乗った。
電車で漫画を読み始めたらとてもよくて、途中でミスドに寄って一気に最後まで読んだ。
『しあわせは食べて寝て待て』(水凪トリ)。
主人公が『地方移住』でもなく、『団地暮らしを続ける』と選択しているのがよかった。
やさしそうな筆致に反して(?)世の中をグサグサ刺すタイプの作者で、それが好きだったんだー! と思い出して嬉しくなった。(久しぶりに出た4巻なので。)
4巻では、高麗さんという登場人物の隣の部屋の老夫婦のおじいが頻繁に『カーッ』と巨大な音をたてて痰を吐く、というのが、高麗さんにとってものすごく、ものすごくストレスだという描写があり、私も下の階の人が同じすぎて深く納得した。漫画の中ではおじいが本当に喉の調子が悪いだけでなく、外の音や何かに対抗するようにやっているというところまで追求されていて、これはすごいなと思った。これもマチズモ(マッチョイズム)で、今まで見過ごされたり、周りが我慢してきたことを、この作者は許さないなと思った。
❄️
すでに寒いが、明日はもっと寒いクリスマス並み、と天気予報でさんざん聞いていたので、近くの銭湯に行きたくなった。
引っ越してきた一昨年は、気に入って何度も行ったのに近頃は足が遠のいていた。
考え始めたらどうしても行きたくなり、家に帰って準備した。
🚰
あ、浄水蛇口を取り付けた。ついた!!
水も漏れていない。
肝心の、黒色異物も浮いてない!ヤッター!
急いで写真を撮り、妹に送った。
昨日落ち着いて検索にあたれたのは、妹に相談したからだ。忙しいのに、一緒に考えてくれた。
📱
妹からはすぐに返信があった。
喜びを分かち合う内容かと思ったら、『何か傾いてるけど大丈夫なの?』だって。すごい! こんな写真一つでそこまで見抜くなんて天才じゃん。どこまで当事者性があるの? 親身の鬼じゃん。
傾いてるのは大正解で、私のはめ方が下手で、水が斜めに流れ落ちる状態を私は『大成功!』としているのだったが、妹に言われてやり直した。固くてはめづらく、めんどくさかったから一人ではやらなかったが、言われたらやるよ。ってか、誰かがこんなに親身になって見てくれるならやるよって気分になった。
♨️
大きいお風呂は気持ちがいいな。つい長くつかりすぎて、湯からあがるとくらっとした。貧血!
露天風呂にも入り、ぼーっとしたが、長い時間ぼーっとするのは難しい。
理想よりも早くあがって体を拭き、服を着て、髪を乾かすために洗面台の前に座っている時の方が存分にぼーっとできた。そのおかげで、髪を乾かすのも、トマトジュースを飲むのも、外に出るために防寒で何枚も着込むのも、他の人の十倍ぐらいの時間がかかった。
誰にも急かされず、次の予定に合わせる必要もなく、ゆっくり動いた。
それがその時自分がしたいことだったから満足した。
考えてみると、いつも次の予定のことを考えている気がする。
🌧️
帰ろうとしたら、風呂上がりのみんなが『雨降ってきた!』と言う。そうか、露天風呂で知ったのだな。
しかもかなり降っているらしい。えーー
風呂帰りの雨は最悪じゃん。降るのは夜って言ってたし。傘なんか持ってきてないって。
みんなも銭湯の人も一斉に雨雲レーダーを調べている。
銭湯の人が、傘貸しましょうか? と人々に声をかけていたから、いざとなったら借りられそうだ。
でも返しに来るのめんどくさい。
帽子をかぶり、さらにジャンバーのフードをかぶって飛び出した。幸い、足元はブーツ代わりの長靴だ。さらに、全身防寒装備だからそもそも肌が外に出ない仕様なので、雨粒を実感することもない完璧なコーデ。
これ、本当に雨降ってる?
と調子に乗った気分で水溜まりを見たらしっかり降っていた。
誰かの家や店の軒下を借りて伝いながらダッシュしてスーパーに寄り、まあまあな量の買い物をして、再び完璧なコーデに身を包み、やっと家に帰った。
たいへんよく頑張った1日だった。
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