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FUROSHIKI PARIS潜入レポート (パリ節約自炊生活番外編)

2018年は日仏友好160年、2024年のパリオリンピックへのバトンもあり、日本とフランスが連携した大規模複合型芸術プロジェクト、その名も「ジャポニスム 2018:響きあう魂」が開催されています。能・歌舞伎・演劇・美術展・イベント等々、正直在仏日本人でも全てフォローするのは困難な程に様々なイベントが開催されています。以前このブログで紹介した香取慎吾展もその一環で、サロン・デュ・ショコラでも特別な日本ブースがありました。
今回はこの一環で開催された無料イベント、FUROSHIKI PARISの潜入レポートです。パリ節約自炊生活的には無料イベント狙い撃ちです。
個人的な関心ですが、日本で「ジャポニズム2018」がどのくらい認知度・関心度があるのか…パリに居ると逆に分からないので、ぜひコメントで教えていただけるとありがたいです。

◆FUROHIKI PARISとは?

この展示会は、パリの市庁舎前の広場で風呂敷をイメージしたパビリオンを設置すると共に、パリ市庁舎外壁に設置された歴史的彫刻に風呂敷包みを持たせちゃう、しかも入場無料、という粋な試みです。
市庁舎前展示は11月1日(木)~ 6日(火)の6日間だけでしたが、日曜日の午後に行くとこの行列、極寒のパリで入場するまで1時間以上並びました。ちなみに並んでいるのはほぼ地元の人ばかりのようで、フランス人の日本文化に対する関心の高さを感じます。

このイベントのもう一つの目玉がこちらの写真。なんと、歴史的建造物であるパリ市庁舎外壁の40体の石像に、各々の格好に合わせて風呂敷包みを持たせているのです。中には「考える人」であまりにも有名なオーギュスト・ロダンの作品もあり、歴史的遺産である石像達が、サザエさんのごとくちょこっと風呂敷包み持っている姿は日本人として感銘を受けます。

発案とアートディレクションは建築家の田根剛氏との事ですが、(前職の経験から…)これを実現させた代理店の営業担当者の理念と執念には心底感服します。良い仕事をしたなぁと。

◆風呂敷で実現する豪華すぎるアート展

風呂敷とは言えど、参加しているアーティストや著名人は豪華を極め、多様な作品が風呂敷を通して鑑賞できる豪華すぎるアート展になっています。名前を挙げると、北野武・草間彌生・名和晃平・佐藤可士和(敬称略)…と、豪華すぎる展示内容です。

写真は蜷川実花さんの作品、このようにタペストリー状の風呂敷と道具としての風呂敷がセットで展示されているのが特徴です。

内藤ルネさん、カワイイ!

こちらは(確認しそびれましたが)海外アーティストの作品、個人的にはとても好きです。このように、日本人も海外アーティストも混ぜこぜで展示してありました。

◆映像やワークショップも

パビリオン内は展示だけでなく、映像で風呂敷の意義や日本のサスティナブルな文化を伝える映像や、風呂敷の歴史の展示、そして風呂敷を使ったワークショップも開催されていました。ワークショップもやはり地元のフランス人で人集りが出来、なかなか近づけないほど盛況でしたが、なんとかスペースを確保して我が家のうさぎとくまを包んでみたのが上の写真です(フランス人のムッシューに爆笑されました)。

◆イベントは大盛況!でも日本では…?

入場まで1時間以上、パビリオン内も人集り、FUROHIKI PARISは確実に盛り上がっていたし、意義のあるイベントだったと個人的には感じました。しかし一方で疑問に思うのは、極寒のパリでフランス人が1時間並び、ワークショップに参加し、日本のサスティナビリティな側面に感動してくれた、という事実を、どれだけ日本で報道していて、どれだけ日本で知られているだろう?という事です。

もちろん様々なプロジェクトが海外で走っていてその全てを日本で告知する事は困難だという事は重々承知ながら、パリ市庁舎の歴史的建造物に風呂敷持たせるという粋(かつ調整に困難を極めたであろう)演出や、行列の概念が無いフランスで1時間も行列しても参加してくれた事や、風呂敷を通じて日本のサスティナビリティについてフランス人が感じ入ってくれた事は、日本人としてとても感動的で、ぜひ知ってほしい事だと思ったのです。

一方で、風呂敷でサスティナビリティをアピールする日本では、欧州では当たり前に有料なレジ袋の有料化も、最近米国初で話題のプラスティックストロー禁止も、未だ未だ実現段階で無く、どこがサスティナビリティなんだ?という想いもありますが、それでもこうやって日本古来の伝統を用いて諸外国に対するブランディングを行う事は重要だなという事を、参加してみて感じました。

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