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パルボウイルス感染症の症状・治療法・予防法

■パルボウイルス感染症ってどんな病気?

パルボウイルスは、感染している猫の排泄物や唾液、吐物と一緒に出されます。そのため、感染している猫の便み、足を舐めたりしても発症します。

中には、妊娠中の母猫からの「垂直感染」により、感染してしまう子もいるとされています。

パルボウイルスの厄介なところは、抵抗力が強いという点。パルボウイルスは猫の体外に出ても、1年以上も生き続ける強いウイルスです。

また、ウイルスはあらゆる場所に存在しているため、飼い主さんの衣服や靴などを通してウイルスが広まってしまう可能性も高い病気です。

■主な症状は?

パルボウイルスは、感染してもすぐに症状がでないのも特徴。
大体2~12日間ほどの潜伏期間後、黄緑色の液体を吐いたり、水っぽい下痢をしたりします。
このように嘔吐と下痢を何度も繰り返すと食欲不振になったり、脱水症状になったりして、猫自身もぐったりとしだします。

このときに、下痢をしているからといって下痢止めを与えるのはNG
下痢止めを飲ませてしまうと、パルボウイルスが便で外に出ずに体の中に留まってしまうので、余計に危険な状態になる可能性が高いのです。

■子猫の致死率は9割

生後1年を過ぎた成猫がパルボウイルスに感染したときは、症状がでないまま終わったり、発症しても軽く済む場合が多いとされていますが、子猫の場合は重症化してしまうので要注意。

子猫は抵抗力が低く、免疫力もありません。そのため、パルボに立ち向かえず、下痢や嘔吐の他に40~41℃の高熱を出す子もいます。
子猫期にパルボに感染してしまうと、致死率はほぼ100%だといわれています。

■パルボにかかってしまったらどうする?

パルボウイルス自体を殺すことは不可能に近いので、治療法としてはインターフェロンを用いて、猫自身の免疫力を高めてあげることで、病気を治せるようにサポートしていきます。

嘔吐や下痢によって脱水症状に陥っているときは、点滴も併せて行っていきます。抗生物質を投与し、二次感染を防ぐことも大切な治療法だといわれています。

また、パルボウイルスに一般的な消毒液は効きません。そのため、薄めた塩素系消毒液を使用しましょう。多頭飼いの場合は隔離し、感染猫が使用した食器やトイレを消毒することも大切です。また、パルボウイルスは0.2%ホルマリンで不活化できるといわれています。

■パルボは「3種混合ワクチン」で予防できる

猫のパルボウイルスは「3種混合ワクチン」を打つことで予防できます。
ワクチンの接種時期は、母親の初乳を飲んでいるかによってもタイミングがかわってきます。

例えば、母親の初乳を飲んでいる場合は生後2ヶ月目に1回目のワクチンを、それから1ヶ月後に2回目のワクチンを接種させましょう。

対して、母猫の初乳を飲んでいない&飲んでいるか分からない子の場合は、生後1ヶ月目に1回目のワクチン、その1ヶ月後に2回目、さらにその1ヶ月後に3回目のワクチンを接種させましょう。




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