論点思考

本から学んだこと。#2 『論点思考(内田和成)』

こんにちは、怠惰な優等生・樋口です。
インプット集中期間に行う「本から学んだこと」シリーズ第2弾。
前回に引き続き、内田先生の本を選びました。

今回読んだ本。

東洋経済出版、内田和成さんの『論点思考』を読みました。
前回に引き続き、内田先生の本です。
『仮説思考』とどちらから読んでも伝わるように書いてくださっているのですが、仮説思考と論点思考は切っても切り離せない関係だと思いました。(急な感想)

論点って何?論点思考とは?なんで重要なの?

論点とは、「解くべき問題」を指し、論点思考とは、「解くべき問題を定義するプロセス」を指します。

今までの学校生活では、試験で解くべき問題が決められており、私たちは、いかに正しい解を導くかが重要でした。
しかし、ビジネスの世界では、誰かが「この問題を解きなさい」と教えてくれるわけではありません
自分で課題が何かを考えて、その解決方法を自分で考える必要があります。この能力を身につける必要があります。

問題解決のプロセスは、いくつもの論点候補の中から本当の論点を設定し、その論点に対するいくつかの解決策を考え出し、そこから最も良い解決策を選び、実行していくという流れで進みます。
短期間で答えを出すために、最初の論点設定が極めて重要になります。

論点思考の4つのステップ

論点思考は以下4つのステップで進めます。

1.論点候補を拾い出す
2.論点を絞り込む
3.論点を確定する
4.全体像で確認する


1.論点候補を拾い出す

本当の論点が何かを探るためには、まず、どんな論点がありそうかをリストアップする必要があります。
その時に気をつけないといけないことが2つあります。

①どこにでもある一般的な問題は論点にならない

論点は一見してわかるような、単なる問題点(現象・観察事実)ではありません。単なる問題点をさらに深掘りする必要があります。

②本当にそれが論点かを疑う

さらに「本当にそれが論点か」と常に疑問を持つ必要があります。
疑問を持った上で、論点に対して「なぜ?」を繰り返していくことで、課題の真因に迫っていくことができます。

2.論点を絞り込む

論点を絞り込むためには、論点に当たりをつけることが必要になります。
もしくは、論点の良し悪しを判断することが必要になります。
論点に当たりをつけるときには、「仮説思考」を使う必要があります。
※仮説思考については以下の記事を読んでくださいね。

論点を絞り込む時には、3つのポイントで問題を検討してみます。

①解決できるか、できないか
②解決できるとして実行可能(容易)か
③解決したらどれだけの効果があるか

①解決できるか、できないか

解けない問題にチャレンジしても成果が上がらず、時間と手間が無駄になってしまいます。
しかし、ビジネスにおいて時間も工数も限りがありますので、解けないとわかったら論点設定をやり直す必要があります。

②解決できるとして実行可能(容易)か

解決できるとわかっても、それが手持ちの経営資源(ヒト、モノ、カネ)で実行可能か、解決までにどのくらい時間がかかるか、本当に解決する気持ちがあるか、最後までやれるかを考える必要があります。
問題を解く時に、「一番重要な問題から解く」方法と「解ける問題から解く」方法がありますよね。ビジネスにおいては、意外と後者の方がうまくいく可能性があるそうです。

③解決したらどれだけの効果があるか

自分では課題を正しく解いたつもりでいるかもしれません。
しかし、それを実行したところで全社的なインパクトが小さければ本人の自己満足になってしまいます。
だからこそ、どれだけの効果があるのかはよく考えないといけません。

筋の良し悪しという話がありましたが、違いはなんでしょうか。

筋の悪い人は時間的、距離的に「目の前」しか見えていません
一方、筋の良い人は長期的、大局的、広域的に考えることができます

「筋の良い」論点とは、簡単に解け、容易に実行でき、実行すると大きな効果が短時間で表れるものを指します。
反対に、「筋の悪い」論点とは、解くのが難しい上に、解いたとしても実行が難しく、実行しても効果がなかなか表れない、表れたとしても小さくなります。

仕事には期限があり、工数も限られている中で、問題を抽出し、選択し、解いて成果を上げなければなりません。
筋の良し悪しを見極める判断基準は、「その問題が解決した時に、事業は本当に良くなるのか、会社にとってどれくらいのインパクトがあるか」を想定することです。

3.論点を確定する
4.全体像で確認する

「論点の仮説」を立てた上で、相手(依頼者)の反応をみながら論点を確定していきます。

「論点の仮説」を立てるアプローチは大きく3つあります。

①質問して相手の話を聞く
②仮説をぶつけて反応を見る
③現場を見る

①質問して相手の話を聞く

与えられた問題点(仮の論点)を鵜呑みにせず、「本当の論点は何か」と考える態度が大切です。
お客さんや上司などから与えられた論点を信じるだけではなく、自分なりに考えて質問してみることも大切です。

②仮説をぶつけて反応を見る

何か指示をもらって仕事をする際には、質問や仮説をぶつけることによって、上司の論点を明確にしていく作業が重要になります。
上司も神様ではありません。もしかしたらちょっと悩みながら指示をしているかもしれません。
自分の中で生まれた疑問を当ててみることで、上司の頭もすっきりし、より正しい問題を与えてくれる可能性もあります。

③現場を見る

一次情報を捕まえることがとても重要です。
今の世の中には数多の情報が飛び交っていますが、そのほとんどが二次情報です。個人的には就活時にその感覚を強く抱きました。
だからこそ一次情報にこだわり、その上で「どうやら、こういうことではないか」と仮説を相手にぶつける必要があります。
その場で検証しながら論点を拾い出していくことが重要です。
現場に出るメリットは肌感覚が得られることです。その経験を積んでいくと、将来に生きていきます。

論点を設定する際に考慮すべきなのは、相手(依頼者)の想いです。
発言の真意や意図、バックグラウンドを考えることが重要になります。
だからこそ、相手の立場に立って、相手の思考パターンで考える必要があります。
論点は相手の論点です。自分自身の論点ではありません。どうしたら相手が納得してくれるのか、がとても重要になります。

その上で、全体像を把握しながら目の前の仕事を行うことが必要になります。
自分の関わっている仕事の大論点を意識する姿勢は、仕事の中で常に持つべきものです。
仕事のポジションにかかわらず、常に大論点を意識するという姿勢を持つことによって成長することができます。
その上で、どれを自分が実際に取り組む論点にするかはまた別の話です。自分が取り組む論点は一段階下の論点が多いでしょう。
ただその目の前の論点を解決することで、大論点にどのような影響があるのかを常に考える必要があります。

以下、私自身すごく響いた文章があったので、引用させていただきます。

 自分が解決しなくてはいけない仕事はなにかと考える。いまなにに答えを出そうとしているのかと考える。なんのために、なにを解決するのか、どういう問いに白黒つけるために、自分の時間を注ぎ、いかに会社の役に立っているのかを考える。
 仕事と作業は違う。仕事をしていると、どうしても「作業屋」になってしまうリスクがある。ハウツー本が溢れ、エクセルの達人、情報収拾の達人、検索の達人などが増えているが、そうした技術は手段に過ぎない。なにか目的があってその手段を使っているのであって、目的と手段を取り違えてしまうとまずい。
 全体像がきちんとわかって、自分のやる仕事は「これ」と見極めることが仕事でとても大事だ。

論点思考力を高めるために

論点思考力を高めるためには、「本当の問題はなにか、と常に考える姿勢」がとても大切です。
日頃から「本当の課題はなにか」と、とことん考える姿勢を通じて、経験を積む必要があります。
経験の浅いうちから論点を常に意識して、問いかける姿勢がとても重要です。
問いの設定こそ重要で、与えられた問題が「真の問題であるか?」と疑って見ることがとても大切になります。

そして、自分の主張の論点を明確にすることもまた重要なことです。
ある物事を主張する時に、「自分がどういう論点構造の中で、なにを主張しているのか」を考えることが極めて重要となります。
これは、上司との会話でもお客様との会話でも、今からできることですよね。ぜひ実践していきましょう。

以下、これからの仕事に活かしたいと思ったので、引用させていただきます。

 すでに幹部や上司が設定した課題や論点を与えられ、自分が作業を進めるにしても、上位の課題・論点というところまでさかのぼって自分の問題として考えようとするかどうかで、自分の仕事に対するオーナーシップや、目の前の仕事に取り組む上での視野の広さ・視点の高さには大きな差が出るだろう

視野・視座・視点の三要素で論点思考を高める

また、視野・視座・視点の三要素を伸ばす努力を続けていくことで、経験が蓄積され、結果として新しいものの見方や発想を生み出す視点が磨かれていくそうです。

視野が広いというと、「自分の目をいつも見ている方向だけではなく、360度の視野でものを見ることができる人」のことを指しますよね。
普段あまり気にしていないことに注意を向けてこれまで見過ごしていたものに注意を払ってみたり、自分が相手だったらこの問題はどう考えるかと捉え直していつもとは違った見方をしてみたりすることで、視野が広がっていくそうです。

視座とは、「物事を見る姿勢や立場」のことです。視野が高いというと、「より高い目線で物事を見れる人」を指しますよね・
視座を高めるためには、常に実際の自分よりも二つ上のポジションについているつもりで仕事をするようにすると良いそうです。

視点とは、「着眼点」や「目の付け所」のことを言います。
たくさんの視点を持つためには、逆から考えてみたり、現場目線で考えてみたり、顧客視点で考えてみたり、鳥の目・虫の目で考えてみたり…いろいろなやり方がありますよね。

発想力がないから無理だ、と諦める必要はありません。
視野を広げ、視座を高める努力を続けていくことで、経験が蓄積され、結果として新しいものの見方や発想を生み出す視点が磨かれていくそうです。

最後に。

すごく個人的な感想としては、今回読んだ『論点思考』の方が、今の自分いとって必要なものでした。
少し気は早いのですが、視野・視座が今後の自分にとって確実に足りないものになることが見えていたので、今から少しずつでも意識することで補えることがわかったのが一番の発見でした。

また、与えられたものをそのまま使うのではなく一度疑ってみる、というのも今からできそうなことですね!
ぜひこれは日々の仕事に取り入れたいと思いました。

それでは。最後まで読んでくださった方の人生に少しでもプラスになりますように。

この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?