自宅出産レポ②「配慮?コントロール?そんなの無理」
自宅出産レポ、前編はこちら
以下、続き。
出産5日後に走り書きしたものを
ほぼそのまま載せます。
●たぶん午後くらい
時間の感覚がない。
たぶんこの3時間くらいが1番しんどかった。
どうやら赤ちゃんの回転の仕方で
背中側に引っかかってしまったみたいで
お産は進まない上に痛みは増すらしい。
ひたすらに「大大激痛⇆激痛」の繰り返しで休まらない。
もう声を出さずにいられないし、
気を失いたいと本気で思ってた。
いったぁぁあああああ!!!!
あぁぁあぁぁ痛い痛い痛い!!!
こんな声出るんだってくらいずっと叫ぶ。
「悲鳴をあげて近所に迷惑じゃないか」
とうっすら気がかりな一方で
もう声を抑えるとか無理。
何にもコントロールなんかできない。
野生、本能、そのまんま。
もうこれ以上やったら死んじゃう!
というレベルの痛みを
もう何時間もずっと越え続けてる状況に
自分の心が付いていけない。
次の波が怖い。
もう本当に無理。
やめたい。
無痛にすればよかった。
今からでも救急車で運んでくれないかな。
何で気絶しないんだ
何で死なないんだ?って思ってた。
※後になって振り返れば
「そんなこと言うなよ〜」って思うけどさ
その当時はもう痛すぎて…。
自分が可哀想なくらいキツかった。
意識も朦朧として何もできない中で、
ふと『赤ちゃん』の存在を思い出した。
そうだこれは意味のない拷問じゃなかった。
今更、私はこれから産むんだと自覚した。
「赤ちゃん」と何回か呟いた。
声に出すことで自分を励ましてたのかも。
この魔の3時間も後半戦になると
いろいろ体制を変えることすら出来なくなって
クッションに仰向けの定番スタイルに落ち着く。
●15時過ぎ?
ついにいきむ段階に入ったと知り
「ようやく解放されるんだ」とほんの少し安堵する。
早く終わりたい一心。
「いきんで!」と言われると
悟空が超巨大元気玉でも錬成してるのかな
ってくらいの野太い大声が出る。
ゔををおぉぉぉぉおおぉぉおお
地獄から這い出るような
大地が割れるようなお腹からの発声。
これで産むぞ!産むぞ!
もっと!もっと!
ラストスパートを自覚して自分を鼓舞しつも、
もう何も考えてない。
ありったけの力を振り絞る、
とはまさにこの事。
夫の指をへし折るくらいに握っていたけど
それを気にかけたり加減するなんて
もう何にも出来ません。
途中で先生に「頭出てるよ触ってごらん」
と言われ触ってみたら
毛が生えたブヨブヨの柔らかい頭で
なんかもう衝撃で一瞬痛みが消える(笑)
ここからはもう何の思考もなくて
感情すらもなくて
ただ「産む」という意識だけに全身があった。
先生のガイドに合わせて
いきんで、
吐いて、
腰をつけて、
またいきんで、、、
そしたらいつの間にか赤ちゃんは出てきた。
●午後3時35分 誕生
「自分が産んだ」というより「出てきた」という感じ。
ただずっと死ぬほどの痛みだけに対峙していたら、
赤ちゃんが出てきた。
不思議。すごい。小さい。
おーちゃん(夫)のすすり泣く声が聞こえる。
喜んでくれてるのかな、嬉しい。
あぁ良かった。
胸の上に赤ちゃんが乗ってる…。
お腹の中にいた赤ちゃんが
今は目の前にいるなんて信じられない。
脳は冴えてるけれど身体はそこらじゅう痛い。
疲れた…。
特別な1日だった。
以上、陣痛から出産まででした。
とにかく大騒ぎして
周りの人に頼りまくって弱音も吐きまくって
一切の我慢も遠慮もない。
タイトルつけるなら
「本能剥き出しのワガママお産」
だったと思います(笑)
自宅出産や水中出産をした友人から
めっちゃ幸せだったよ〜
神秘的でエクスタシーだよ〜
なんて感想を聞いていたもんだから
「私もできたらいいな〜」と
気楽に構えていたんだけど
全然そんな感じじゃなかったですね(笑)
呼吸を意識してたのも序盤だけで
途中からもう荒れ狂ったサイヤ人がいただけ。
思い描いていた出産とは
全然違うものになりましたが
これはこれで存分に自分らしいというか
やり切った良い思い出ではあります。
次回はまたその後日談
産後の話をしようと思います。
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