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攻略!インボイス制度 第③弾:登録する?しない?あなたはどっち!?

ここまで

第①弾では消費税について

第②弾ではインボイス制度について

お話してきました

ここまで読んでくださった方はきっと

で、私はどうしたらいいの?
と思われているはず
(え?思ってるよね?笑)

消費税の仕組みや制度の概要はわかったけど
結局どうすればいいの?
登録しないとダメなの?

と疑問や不安があることでしょう

この制度の最大の問題点は
自分のことだけで済まない点

登録するもしないももちろん自由ですが
影響が自分だけならまだしも
相手方に影響を及ぼすことがあるため
慎重に判断する必要があります

では、その判断基準は?ってことなんですよね

今回はそれぞれの立場から
自分にどう影響するのか
相手方にどういう影響を与えるのか

判断基準を示しながら解説していきたいと思います

また、制度に登録した場合、制度開始までに
事前に準備しておくことも書いていきたいと
思います

0.影響を受ける人

まず最初にインボイス制度の影響を受ける人について

商売をしている全ての人に関係のあることですが
一番大きく影響を受けるのが免税事業者です

免税事業者とは
消費税の納税義務を免除されている人のこと
免税事業者はインボイス発行事業者にはなれません

免税事業者でも売上先が一般消費者の場合は
特に問題ないのですが、売上先が企業や
個人事業主でかつ課税事業者の場合、
相手方からするとインボイス発行ができない
免税事業者は仕入税額控除を受けられない
相手ということになります

そうなった場合
①取引が中止される
②消費税相当額の値引きを要求される

といったことが考えられます

インボイス制度には10年間の経過措置が設けられています

その間は一定割合で仕入税額控除が受けられます

免税事業者はこの間に取引先と交渉したり
課税事業者になるかを慎重に判断するのが
いいかと思います

1.インボイス発行事業者の登録要否の判断

では、まず登録するのかしないのかの判断をしていきましょう

①売上先がインボイスを必要とするか

売上先がインボイスを必要とするかどうかがポイントです

・売上先が一般消費者の場合


一般消費者の場合
仕入だの経費だのは関係ありません
ですのでインボイス発行を請求されることはないでしょう

例えば、美容院
お客さんは一般消費者になりますのでその人たちが
散髪代を経費にすることはありません
(一般消費者以外の方が利用する場合は検討が必要です)

逆に売上先が企業や個人事業主など経費にすることが
考えられる場合はインボイス発行を求められる場合があります

例えば、飲食店
一般消費者が多いものの、接待などで利用する事業者があるかと思います
そういった場合は経費にするためにインボイス発行を求められます

売上先が一般消費者だけの場合は登録は必要ないでしょう

しかし、企業や個人事業主を相手にしている場合は
インボイス発行を求められますので、
登録しておく方がいいでしょう

・売上先が免税事業者の場合

売上先が売上1,000万円以下の免税事業者の場合
消費税の納税義務がありませんのでインボイス発行を
求められることはありません

売上先が企業でも個人事業主でも消費税の納税義務のない
免税事業者の場合は登録は必要ないでしょう

・売上先が課税事業者だが簡易課税を選択している場合

売上先が簡易課税選択の事業者なら
インボイス発行を求められることなありません

簡易課税はみなし仕入率が適用されるため
細かな仕入税額を計算する必要がないからです

売上先が簡易課税選択の事業者のみなら
登録する必要はないでしょう

②登録することのメリット・デメリットを判断

インボイス制度に登録することで様々な義務を背負うことになります

メリット・デメリットを検討しましょう

・インボイス発行の義務

登録申請した場合は、相手方が求めた場合
規定の記載事項を満たしたインボイスを発行する義務があります

納品書や請求書等の書類を手書きで作成して
いる事業者は既定の記載事項を満たすような
書類を手書きで用意しなければなりません

電子化するのであればパソコンスキルは必須です

フォーマットの用意、規定の記載事項の把握
発行手順等、変更を余儀なくされることもあるかと思います

変更に対応できるのか
事前によく検討しておきましょう

・強制的に課税事業者となる

インボイス制度に登録申請すると現在免税事業者であっても
課税事業者となります

消費税分の納税額が増加しますので
負担が大きくなります

※消費税の節税には・・・

簡易課税制度を選択するとみなし仕入れ率が
適用されるため仕入税額控除が少ない場合には有利になります

年間売上5,000万円以下の場合は簡易課税制度を
選択することも検討してください

デメリットもありますのでこちらで確認⇩

・売上が1,000万円以下になっても課税事業者のまま

インボイス制度に登録している間は
基準期間の年間売上が1,000万円を切っても
課税事業者のままとなります

どんなに売上が下がっても消費税を納税しないと
いけなくなりますので負担が大きくなります

・課税事業者になることで取引が継続できる

売上先が課税事業者の場合、仕入税額控除ができなくなる
免税事業者は敬遠されるかもしれません

インボイス制度に登録し、課税事業者となることで
これまで取引してきた課税事業者とも取引を継続できます

売上先に課税事業者が多い場合は、今後の商売のことも考え
課税事業者になることを検討する必要があります

また、同様に仕入税額控除ができない分の
値引き要求もなくなるでしょう

免税事業者のままでいる場合は、売上先と個別に
交渉することも視野に入れておきましょう

2.売り手としての事前準備

あなたが商売をしているのであれば
売り手としての準備が必要です

インボイス制度に登録した場合
どういった準備が必要なのか確認していきましょう

①発行している書類の確認

現状、売上先に対して、どのような書類を発行しているのか
確認しておきましょう

インボイスは請求書・納品書など名称は問いません

納品書の発行なのか、請求書の発行なのか
どちらも発行しているのか
それ以外にもあるのか

インボイスに対応するために書類の種類を
確認しておく必要があります

②発行している書類をインボイスに対応させる

現行で発行している書類をインボイスに対応させる必要があります

インボイスは決められた項目を記載する必要があります

現行の書類に追加するのか、イチから作り直すのか
どの書類を対応させるのか検討しましょう

また、消費税の端数計算方法も見直す必要があります

1つのインボイスにつき1回の端数処理となっているか
システムを利用している場合はシステムの改修も含め
検討する必要があります

③売上先に情報共有する

売上先からすれば、あなたがインボイスに登録したかどうかは
気になるところです

特に売上先が課税事業者の場合は仕入税額控除が受けられるか
どうかの問題に直結します

事前に確認を受けている場合もあるかと思いますが
登録番号の通知が届いたら、早めに情報共有する方がいいでしょう

また、売上先とどのような書類をインボイスとするのか
確認しておいた方がいいと思います

納品毎の納品書で対応するのか
請求書だけで対応するのか

お互いがスムーズに処理できるように
事前に打ち合わせをしておきましょう

④保存方法の確認

インボイスは写しのコピーを保存する義務があります

大量に請求書を発行している場合は
書類の保存だけに広い場所が必要になるでしょう

そういった場合に、保管場所を借りるのか
電子化して保管するのか検討する必要があります

これを機に請求書等の電子発行などを検討してみるのも
いいかもしれません

3.買い手としての事前準備

次は買い手としての事前準備です

仕入や経費などを計上する際に
どういった準備が必要なのか見ていきます

①簡易課税か原則課税かの検討

あなたの商売の仕入や経費が少ない場合
原則課税のままだと納税額が大きくなります

年間売上が5,000万円以下であれば
簡易課税制度を選択できます

みなし仕入れ率が適用されるので
仕入・経費が少ない場合は簡易課税制度を検討してみてください

但し、デメリットもありますので確認しておきましょう⇩

②仕入・経費でインボイスが必要なものを確認

原則として仕入や経費に係る費用のインボイスは
保存が必要です

インボイスが無いものは消費税の仕入税額控除が受けられません

現行の取引で請求書や納品書、経費ではレシートや領収書が
きちんと発行されているかを確認しておきましょう

またインボイス発行義務が免除されている取引もあります
(3万円未満の公共交通機関利用料など)

インボイスが必要ない取引はどれなのか
事前に確認の上、従業員などにも周知徹底させる必要があります

③仕入先への確認

仕入税額控除を受けるため仕入先が
インボイス登録事業者である必要があります

いざ発注してみたら登録していなかったでは
税額負担が大きく異なってきます

事前に登録状況を確認しておく方がいいでしょう

また、登録業者の場合はどういった書類がインボイスとなるのか
事前に確認しておく方が処理がスムーズに行えます

実際に制度が始まってからは不備がないかなども
確認するようにしてください

仕入先が免税事業者だった場合は
今後の取引をどうするのか
価格をどうするのかを検討する必要があります

取引金額が大きくない場合はそのままでも
問題ないかと思いますが、ある程度の金額なら
仕入税額控除が受けられない分をどうするのか
検討する必要があります

仕入先と個別によく相談してください

4.まとめ

課税事業者は大きなデメリットはないですが
免税事業者にとってはデメリットがある制度です

実際に始まってみないと、取引への影響や
税額・事務処理の増加など、どの程度影響が
あるのかがわかりません

特に副業で売上先が法人といった場合は
事前に確認するなど、制度が始まる前に
準備しておくことをオススメします

最後にもう一度メリット・デメリットを!

登録するもしないも自己判断です
そんな判断できないよ~!という人は
是非税理士に相談してください

現状の売上や取引先のことなどを踏まえて
総合的に判断してくれます

実際にうちの事務所でも、登録した場合の
税額を概算して登録するかしないか
登録するならすぐにするのかなど
お話させていただいています

餅は餅屋
こういう時こそ専門家を頼ってくださいね



ここまでお読みいただき
ありがとうございました!

3部作いかがでしたでしょうか?

正直なところ、私自身
「インボイス制度網羅してるぜ!」
とは言い難い状況です

今回のnoteをまとめながら
「え、マジで?こんな決まりあったんや~」
といったことも多々ありました
(アカンやろ!と猛反省です笑)

制度も始まるまでに、そして始まってからも
変更されることがあるかもしれません

不安に思うのはあなただけではないです

少しでも不安がなくなるように
情報のアップデートがあればお伝えしていきますので

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さてさて・・・
ここまで読み進めたあなたは
相当真面目な方とお見受けします

税金とか面倒くさいことなので
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お気軽にお声掛けくださいね~(:D)┓ペコリンチョ


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また不明点や、ここわかりにくいよ~などありましたら
いつでもご連絡ください

一緒にインボイス制度を攻略していきましょ~
(*」>д<)」ォーー!


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