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なぜヤムヤムをやることにしたのか? その2〜デザイナーからタイ料理の道へ

今思い返すと、タイには不思議なご縁を感じます。
このタイミングで何のつながりもないタイに呼ばれるように降り立ったこと、1週間の短い滞在の中で直接触れた、タイの人々の気持ちの温かさや心のやさしさ

一人旅の若者の緊張好奇心をタイは包み込んでくれ、時には厳しく、時には人懐っこく、そのままに懐深く受け入れてくれました。

価値観の違いに驚くことや、トゥクトゥクの運転手に騙されそうになったりと、お約束でいろいろありましたが。。笑

ホテル横の食堂で飲めや歌えの大騒ぎ、楽しかったな

帰国後、タイ料理レストランの現場へ飛び込む!

この時の濃厚な経験からタイへの興味想いが一気に高まり、帰国後すぐにに都内のタイレストランの厨房へ飛び込んで、タイ料理修行をスタートすることになったのです。

転職活動中だったデザイナーの道は一時ペンディングすることに何の迷いもありませんでした。

チェンマイで友達になった大学生達、今も関係は続いています

料理も空間も全てこだわってデザインしたお店を自分でやりたい!

オーナーシェフになって、自分の世界観を形にしたタイレストランをオープンさせることをまず目指しました。

せっかく現場で働くならば、オーナーもタイ人、シェフもタイ人(望み通り、最初のお店はシェフはご夫婦でした!)という本気の環境でないと勉強にならないと、インターネットで情報を探し当て、オーナーへすぐに連絡を取り、想いを直接伝えて雇ってもらいました。

外苑前にあった最初のお店、スクムウィット

シェフにも可愛がってもらい、業務の傍らレシピを教わったり、シェフの自宅で家族の皆さんと食事を共にしたり、一緒にチェンマイの里帰りに連れていってもらいホームステイさせてもらったりと、本当に濃密貴重な経験をさせていただくことができました。

シェフの奥さんポーンスリさんと当時中学生の息子ヌン

これは、一生の宝とも言える大事な愛おしい思い出です。

デザインと料理に共通する“クリエイティブ”という共通点

なぜ、デザイナーから料理人なの?

当時は行く先々で聞かれました。答えはとてもシンプル

料理デザインと全く同じで、こんなにクリエイティブで分かりやすい世界は他にないということ。例えば、同じ食材を使って5人の料理人が同じレシピを作っても、全てが別の料理になるということ。

素材の扱い方、切り方や大きさ、時期、産地、火の入れ方や時間、調味料のバランスや食材の組み合わせ、さらに、盛りつけ方法やポーション、カトラリーやお皿のサイズ感、テーブルコーディネート、空間デザイン、音楽、ロケーション、サービスの質など、料理を提供する環境や要素は多様であり、その組み合わせ次第で無限に変化する。

そして、誰と一緒に食べるか?
そのときの感情、体調でもまったく違ったものになる。
レシピの名前は同じでも、それぞれ料理人の生き様や感性、技術、環境が凝縮した、シェフそれぞれの個性が色濃く光る一品になるということ。
ここに料理の面白さ創造性の高さ、可能性を感じた理由です。

また、飲食サービスの現場は規模やスパンが比較的短く、一日一日がきれいに終わるということも、もう一つの魅力でした。

お客様の反応もストレート。
ライブの会場のようなダイレクトレスポンス

美味しければ評価も反応も上がるし、不味ければ売り上げにダイレクトに反応する。その潔さにも惹かれました。

歯車の一つではなく、自分で主体的に考えて動いていく。
大きな建設プロジェクトの現場で、心に引っかかりを抱えながら働いていた、当時の心情にもマッチしました。

チェンマイで食べたパッタイホーカイ、うますぎておかわりした

念願のタイレストランの現場で、朝から晩まで水を得た魚のように活き活きと働きました。毎日が本当に充実していてタイ人のスタッフと働く日々が楽しくて仕方なかった。間の休暇でタイ各地への旅行もしながら、自分なりのタイ料理の学びを続けていきました。

後に、朝から晩までの長時間の慣れない立ち仕事からを痛めてしてしまい、治療で店に立てない空白期間もあり。布団から見上げる天井を眺めながら今後のことを悶々と考えた結果、オーナーシェフの道ではなくデザインプロデュースという違う形で飲食サービス業へ関わっていくことに繋がっていきました。タイ料理は計3年間、2店舗で働かせていただき、自分にとっては今の基礎をつくることができた充実のタイ料理修行期間でした。

現在ヤムヤムで取り組んでいる、地方食材をつかったオリジナルタイ料理レシピの開発では、タイ料理修行中に現場で学んだことが活きています。
無駄になる経験はなし、全て意味があると思えます。

次回は、ローカル地方への想いについて書きたいと思います。


活動ロゴについてはまた改めて語ります

☆補足その1
修行した店ですが、最初の店は当時閉店しましたが、オーナーとは今も交流があり、当時とは違う形で続いています。日本のタイ業界で古くから各方面で活躍されている有名な方です。著書も多くあります。
☆補足その2
2店舗目の店は今も原宿にあります。最近ビル建て替えで近所で移転。界隈では有名なお店で、当時から2階へ向かう階段にずらっとウェイティング客が並ぶ人気店で、今もファンに支えられて繁盛しています。
ランチはすごくボリュームもあって美味しいですよ!よかったら行ってみてください。シェフの中華鍋使いは神業ですよ!
このスタンド看板、表参道の並木の通りに毎日出しに行ったな〜^^
(写真は旧店舗のものです)

カフィアライムとは、タイ料理の酸味付けに使うコブミカンのことです




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